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地域との連携で認知症をもつ人とその家族の幸せの実現を
<兵庫県たつの市 兵庫県立リハビリテーション西播磨病院>

兵庫県立リハビリテーション西播磨病院・柿木達也診療部長 診療部長・認知症疾患医療センター長
柿木達也先生

兵庫県の西部4市3町からなる西播磨。人口約28万人のうち65歳以上が6万人強(22.8%・2005年国勢調査)を占めるこの地域において認知症疾患医療センターが設置された兵庫県立リハビリテーション西播磨病院では、リハビリ専門病院としての機能、ノウハウを生かして、認知症をもつ人とそのご家族が幸せに暮らせる地域づくりに取り組んでいます。

「認知症しあわせ計画」を推進

リハビリに特化した病院として2006年に設立された兵庫県立リハビリテーション西播磨病院は、障害者・高齢者の自立・社会参加の援助を目指す兵庫県立西播磨総合リハビリテーションセンターの中核施設として、県下の急性期病院との密な連携により脳卒中、神経難病、運動器疾患、脊髄損傷などの疾患に対してリハビリテーション医療を提供しています。

2009年11月には認知症疾患医療センターを開設。リハビリ専門病院という特色を生かし、認知症専門医、精神保健福祉士、看護師、心理判定員、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、音楽療法士などの専門スタッフが予防から診断・治療・リハビリ相談までサポートしています。

同病院が目指しているのは認知症をもつ人が幸せに暮らせる地域をつくること。この取り組みを「認知症しあわせ計画」と名付けて提唱している柿木達也診療部長は、「一般に『認知症になるのは不幸なことだ』というイメージがあり、患者さんもご家族も不安を感じていることが多いですが、認知症があってもハッピーな老後を送ることは可能です。認知症を正しく理解し、適切な治療や支援を行うことで、患者さん本人の幸せを大きく、ご家族の負担を軽くすることができるのです。そんな社会をつくることこそが、医療や介護に携わる者の使命。当病院が中心となって西播磨全体を『認知症になっても幸せに暮らせる地域』にしたいのです」と目標を語ります。

 

治療やリハビリも患者さんの幸せを考えて

同病院では認知症の患者さんにとって心地よい頭の使い方、脳に心地よいことをしてあげましょう、という考え方で治療を組み立てています。作業療法ひとつとってみても、一律のリハビリ訓練を行うのではなく、患者さんひとりひとりの職業や趣味を訓練に取り入れています。「塗り絵や工作に取り組む人もいれば、料理、洗濯などを行ってもらうこともあり、そのための設備もあります。好きなこと、得意なことだと作業に集中することができ、状態も良くなることが多いですね」と作業療法士の岩本昌子さんはリハビリへの期待を語ります。理学療法、作業療法のほかに、園芸療法や音楽療法を取り入れているのも同病院の大きな特徴です。

音楽療法士の植月静さんは「楽しくできることが音楽療法の大きな魅力です。認知症の患者さんでも短い歌を繰り返すことで歌詞やメロディーを新しく覚えられることがありますよ」とその効果を語ります。

現在、リハビリは入院患者のみを対象としていますが、外来患者への実施の準備も進んでいます。「入院患者さんとは頻度が違ってきますので、外来患者さん向けのプログラムを検討しているところです」(岩本さん)。



兵庫県立リハビリテーション西播磨病院・岩本昌子さん 作業療法士 岩本昌子さん
兵庫県立リハビリテーション西播磨病院・植月静さん 音楽療法士 植月静さん

 

数多くの相談に答えながら地域連携会議を立ち上げ

兵庫県立リハビリテーション西播磨病院 認知症疾患医療センター・瀧本早也香さん 認知症疾患医療センター
精神保健福祉士 瀧本早也香さん

開設から1年半あまりが経過した認知症疾患医療センターには月に100件、年間で延べ1200件ほどの相談が寄せられています。西播磨4市3町だけでなく姫路市から来る人も多く、「専門医・専門スタッフのいる医療機関、相談窓口が必要とされていることを実感します」と語るのは同センター精神保健福祉士の瀧本早也香さん。

最近では、認知症の早期治療の大切さが知られるようになり、物忘れが多くなってきたからと軽い気持ちで受診・相談に来る患者さんや家族も増えてはいますが、重度になって初めて訪れる患者さんも少なくないため、地域の医療機関や行政の連携も重要な業務となっています。

そのため、同センターが主体となって2010年の春から毎月、地域の連携体制の構築を目的とした定例会議を開催しています。現在では地域包括支援センターの保健師、社会福祉士なども参加しており、認知症疾患医療センターの存在と役割の周知、利用促進を図る場としても機能しています。

 

正確な診断で適切な治療・介護のスタートを

兵庫県立リハビリテーション西播磨病院・山口ともみさん 心理判定員 山口ともみさん

同病院では認知症対応の心理判定員を2名配置し、患者さん1人に1時間あまりをかけて神経心理学的検査を行っています。基本的な検査を実施することで、認知症の人の認知機能をより正確に特定することができるのです。

検査を担当する山口ともみ臨床心理士は、「認知症治療にはまず正確な診断が必要だという認識がやっと広がってきました。その一端を担えることに誇りを感じています。検査実施にあたっては、正確なデータをとることが最優先ではありますが、患者さんの気持ちを追い詰めてしまわないよう臨機応変な対応も必要となりますね」と、患者さんへの心配りについて語ります。

検査結果は電子カルテを介して専門医に伝えられますが、診察の際に必要と思える患者さんに関しては医師と直接、話をすることもあります。「医師や看護師、療法士と個別の患者さんについて議論や情報交換をすることによって検査に対する私自身の理解も深まり、同時に、ひとつの検査だけでは認知症の種類や病状を把握できないことを実感します。患者さんだけでなくご家族と接することの多い看護師からの情報もとても大切になりますね」と山口さんはスタッフの連携の大切さを強調します。

 

チームワークで患者さんと家族を支える

認知症疾患医療センターには連日、多数の患者さんと家族が相談に訪れるため待ち時間が生じてしまいがち。なかには慣れない環境に不安を覚える患者さんもあり、付き添いの家族も緊張しています。「あと何分くらいで診察が受けられるかを、きめ細かくお伝えしたり、患者さんが退屈しないような配慮も私たちの重要な仕事ですね」と語るのは看護師の田中賢司さん。開設から1年半、他の診療科も兼務しながらの忙しいスケジュールをぬって看護師同士の情報交換や検査についての勉強を進めています。

薬剤部長の米田茂洋さんも「処方した薬剤が家庭できちんと服用できているかが心配です。薬は毎日、毎食後のことですから、飲み忘れないよう管理することは、ご家族にとってなかなか大変なことだと思います。当院では一包化や服薬カレンダーなどの工夫をしていますが、ご家族との連携なども今後の課題ですね。内服が難しい患者さんも多いので、貼付薬などが使用できると患者さんとご家族の負担軽減に繋がるのではないかと期待しています」と、認知症患者への配慮を語ります。薬剤部の窓口で患者・家族とのコミュニケーションを深めることで、家庭での服用状況や薬に関する悩み、不安を把握する取り組みを進めています。

地域の病院から年間200件近くの紹介を受ける同病院では、地域全体に「認知症しあわせ計画」を広めて幸せに暮らせる認知症患者さんを増やすという柿木診療部長の目標は、確実に全スタッフに共有され、実践されています。

兵庫県立リハビリテーション西播磨病院・田中賢司さん 看護師 田中賢司さん
兵庫県立リハビリテーション西播磨病院・米田茂洋薬剤部長 薬剤部長 米田茂洋先生

 

 

 

 

 

 

取材日:2011年5月17日
兵庫県立リハビリテーション西播磨病院外観

兵庫県立リハビリテーション西播磨病院

〒679-5165 兵庫県たつの市新宮町光都1-7-1
TEL : 0791-58-1050

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