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総合病院を中核に医療と介護の連携で患者・家族を支援
<滋賀県犬上郡 財団法人豊郷病院 認知症疾患医療センター・オアシス>

豊郷病院精神科部長 認知症疾患医療センター長 成田実先生 豊郷病院精神科部長
認知症疾患医療センター長 成田実先生

琵琶湖の東部、滋賀県犬上郡豊郷町で総合病院のメリットを生かし、地域の医療機関、介護施設と連携して認知症患者さんの医療、生活面の支援を行うことで患者さんと家族のQOL(生活の質)の向上に寄与しています。

財団法人豊郷病院認知症疾患医療センター・オアシス
認知症患者さんと家族の"オアシス"

オアシスは1995年、認知症についての専門医療相談、診断・治療からかかりつけ医や介護施設との連携、患者・家族への介護サービス情報の提供など認知症に関するあらゆる問題に対処できるセンターとして病院内に設立されました。「認知症疾患」という言葉は少し硬いイメージなので一般には「おとしよりの脳と心の相談室」として広めました。開設から16年がたち、センター長の成田実先生は「“オアシス”の名のように認知症の患者さん、家族の安らげる場となりつつあります」。

豊郷病院は1925年(大正14年)に内務大臣の許可を得て先代伊藤長兵衛翁の寄付により設立された歴史ある病院で、滋賀県では唯一、一般・療養・精神の複合病院として日本病院機能評価機構から認定されています。オアシス開設のきっかけは当時の彦根保健所長が認知症対策に熱心に取り組んでおり、管内で唯一精神科があり、ソーシャルワークにも経験の豊富な豊郷病院に協力依頼があったことです。

豊郷病院地域連携室 上野志保係長 豊郷病院地域連携室 上野志保係長

豊郷病院 外来看護師 上田円満さん 豊郷病院 外来看護師 上田円満さん

オアシスは完全予約制の専門外来です。スタッフは認知症の専門医と看護師、臨床心理技術員、精神保健福祉士で構成され、事前相談や予約を受け付けています。地域連携室の上野志保さんは「患者さん本人や家族、かかりつけ医からだけではなく、ケアマネジャーからも相談があります。地域の多くの人に頼られているのだと思います」と話します。上野さんは相談の内容をよく聞きとり、迅速な対応が必要なケースなどを考慮し予約調整をします。オアシスの診察室が本館に移ってからは、患者さんも家族もかまえずに受診できるようになったようです。

オアシスの外来は週2回で初診が数人、継続が30人ほどです。外来担当の上田円満看護師は「初診の患者さんの場合は事前の相談内容をよく読んでおいて先生に手際よく伝え、診療負担が少なくなるようにしています。また、継続の患者さんの場合は介護している家族の方の話をできるだけ聞くようにして、少しでも心が安らげるよう心がけています」と、医師だけでなく患者さんと家族を精神的な面から支援する心遣いがあります。

 

総合病院の強み~合併症などの対応も柔軟に~

オアシスの患者さんは早期から重度の方までさまざまです。成田先生は「重度だからといって必ずしも入院がよいとは限りません。家族の介護力を生かしながら在宅でサポートするほうがよいケースもあります。軽度でも入院、援助の方向を定めてから在宅という選択肢もあります」と、認知症治療にはマニュアルがないことを強調します。入院中は暴力をふるい、荒っぽい言葉を家族や支援者に吐いていたような患者さんを在宅ケアにしたところ、精神的に安定したのか「ありがとう」という言葉が出てきて、家族が救われたこともあります(成田先生)。

入院にしても在宅にしても認知症の症状は多様です。家で転倒して骨折したり、糖尿病などの慢性疾患を合併していたり、誤嚥性肺炎などの急性の合併症が起こることもよくあります。精神科だけの病院では外科や一般内科の対応はできませんが、オアシスは総合病院内にありますので、内科、呼吸器科、外科などと連携して最適な治療が行えます。高齢の患者さんであっても早期に適切な治療を行えば回復も早く、家族にとっても安心です。

豊郷病院地域連携室 菅原幸一室長 豊郷病院地域連携室 菅原幸一室長

また、成田先生は「患者さんの症状を診るだけではなく、日常生活がどれくらい可能なのかなどADL(日常生活動作)を的確に判断することも診察には重要です。医師は投薬が必要かという視点で考えていくのですが、在宅の場合は訪問看護師やヘルパーなどの役割が大きいので、介護・看護の情報はとても大切です。家族の話を十分に聞くことも、患者さんの日常を知ることや家族の心理的安定に必要なことです。病気の日常生活への影響を整理し投薬を考え、ケアの方向を共有していきたいと考えています。」と、他職種と連携するときの診察のあり方を説きます。
在宅での介護を支えるオアシスでは、地域のかかりつけ医や訪問看護ステーション、介護施設などと連絡を取り合って、患者さんや家族に情報を提供します。菅原幸一室長は「行政はもちろん、地域の医療施設や介護施設との会合にもできるだけ参加して、常に新しい情報を入手できるようにしています」と、きめ細かな情報を提供するためには日ごろからの情報収集が重要だと言います。

豊郷病院 訪問看護ステーション レインボウはたしょう 訪問看護師 谷川明実所長 豊郷病院 訪問看護ステーション
レインボウはたしょう 訪問看護師
谷川明実所長

在宅を支える訪問看護ステーションは同病院に3つありますが、そのひとつであるレインボウはたしょうの谷川明実所長は「看護師としては利用者さんの身体的、精神的なアセスメントが第一ですが、24時間介護しておられる家族の気持ちを汲み取り、どうしていくのがいいかを一緒に考える姿勢が必要です」と、在宅看護の奥深さを語ります。さらに、ケアマネジャーや訪問看護師だけでなく、オアシスの臨床心理技術員たちからも他の患者さんへの対応例などを聞いてひとりで悩むのではなく、担当の利用者さんにもっとも適した看護を提供するようにしています。「患者さん本人から『ありがとう』と言われたり、家族から『来てもらって気持ちが楽になりました』などと言われたりすると、自分も気持ちがほっとして、前向きな気持ちになれます」と、谷川所長。

 

地域への啓発もオアシスの役割

症状がそれほど現れていない早期の認知症や若年性の認知症への対応はなかなか難しいことがあります。本人も認知症との認識が薄く、家族も「本当に認知症なのか」と半信半疑のときがあります。以前、オアシスでは症状の軽い人や若年性認知症の人を対象に「熟年デイケア」を行い、症状の進行を遅らせる取り組みも行っていました。 現在ではオアシスの「熟年デイケア」は役目を終え、代わりに地域がその役目を担うようになっているとのことです。

また、介護で肉体的にも精神的にも疲弊している家族をサポートするために「オアシス家族の会」を運営していました。家族がオアシスに集まり、スタッフも交えて介護の苦労などを遠慮なく話せる場として活用してもらっていましたが、上田さんは「介護されている家族は周囲に介護のつらさをなかなか打ち明けることができません。辛い気持ちを吐き出し、同じ思いをしている家族の話を聞くだけで、精神的に非常に楽になるのです」と、家族会の意義を語ります。

認知症に対する理解を地域の人に深めてもらうのもオアシスの役割です。地域の方を対象とした病院内での公開セミナーはもちろん、行政からの依頼による講演などでできるだけわかりやすく、認知症の現状や症状、治療について話し、在宅療養や介護などの情報も提供しています。成田先生は「医師が上に立つのではなく、色々な職種の人が同じ目線で患者さんと家族をみること、特に症状だけでなく生活という面からみることが重要です。そして、地域との連携も大切にしながら患者さんと家族にとって最適な道を探すことが大切だと思います。また、高齢の患者さんの最期をどう看取るかはこれからの課題になるでしょう」と話しています。

 

 

取材日:2011年5月13日
豊郷病院の外観



財団法人 豊郷病院
認知症疾患医療センター・オアシス

〒529-1168 滋賀県犬上郡豊郷町八目12番地
TEL : 0749-35-3001 

施設のホームページへ


【財団法人豊郷病院 訪問看護ステーション
レインボウはたしょう】
〒529-1234 滋賀県愛知郡愛荘町安孫子1216-1
TEL : 0749-37-8181

 

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