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慣れ親しんだこの町で看取る
<千葉県印西市 千葉新都市ラーバンクリニック>

千葉新都市ラーバンクリニック 院長 河内雅章先生 千葉新都市ラーバンクリニック 院長
河内雅章先生

脳神経外科専門医が術後ケアの必要性から開院した千葉新都市ラーバンクリニック。しかし、地域医療を始めてみると、加速度を増す高齢社会の現実は、認知症ケアの必然性を実感する日々となりました。「地域医療で認知症医療は欠かせない。薬だけの治療では認知症治療は成り立たない」と感じた河内先生は、さまざまな展開を図ることになります。

デイサービス、グループホームの効果と必要性

東京から電車で約1時間の距離に位置する千葉新都市ラーバンクリニックは、『田園(Rural)と都市(Urban)とをミックスした地域(ラーバン)』をコンセプトに開発された千葉ニュータウンにあります。クリニックの名前のラーバンは、このコンセプトに由来します。

住民構成は都市型住民の団塊世代が多く、決して高齢者が多い地域ではありません。しかし、団塊世代の親世代は独居高齢の方が多くなり、地方に残している親世代を連れてくることになります。団塊世代の呼び寄せです。こうしてプライマリ・ケアや生活習慣病の治療に加えて、認知症患者さんを診る機会が増えてきました。

「認知症の患者さんは落ち着いているときはいいのです。一番大変なのは、夜間の徘徊やせん妄などであり、家族は疲弊します。そういう症状を小さくするには日中に活動することが重要です。デイサービスに来ると、日中の活動が活発になり夜に眠れるようになります。その効果と薬をうまく組み合わせることで、在宅ケアが可能になります」と話す河内先生。症状が進んだり、独居であったりと在宅でケアすることが難しい状況では、グループホームが効果的です。

こうしてデイサービス「穂高」、ショートステイ、グループホーム「こまくさ」が併設されることになります。

 

高齢者を診るには総合診療力が必要

当クリニックはプライマリケアや生活習慣病、がん検診を中心に診療活動を行っています。認知症外来として特別枠はありませんが、脳専門医であることから認知症疑いの患者さんも多く来院されます。認知症と診断した患者さんには、家族への生活指導も含めて治療を行っています。

河内先生が診療を続けていて感じることは、「高齢者は総合的に診ることが重要であり、専門医療が必ずしも有効とは限りません。排泄排尿の問題から全身の状態や心のケアまで含めての診察が必要です。様々な引き出しがないと高齢者を診ることはできません」とのこと。

たとえば、高血圧治療で高血圧の治療だけに専念しているわけにはいかないということです。皮膚の湿疹、前立腺肥大、骨折、胃の不調、精神の不調、など病気は単独でなく複合している場合が多く、患者さんを治療するには一人の医師では限界があります。

当クリニックは脳神経外科・総合診療科のクリニックですが、泌尿器科、消化器外科、循環器科、乳腺外来、内科糖尿病外来、婦人科、皮膚科と、専門の先生による外来診察が充実しています。「生活習慣病や高齢の患者さんを診ているといろいろな病気が発生してきますので、総合病院と同じような診療科が必要になり、自然と診療科が増えました」。

 

認知症患者さんの治療に正解はない

認知症の患者さんを診察していく中で、教科書通りでは考えられないような症例に出会ったそうです。

「相前後して男性と女性の認知症の患者さんが大腿骨を骨折しました。男性は病院で手術をしましたが寝たきりになり、退院はしましたが最終的には肺炎を起こして病院で亡くなりました。一方、女性の患者さんは検査や注射などの医療行為に激しく抵抗を示すため、様子を見ることになりました。骨折していますから、歩くと痛いです。認知症であっても、痛みがあるので動きませんが、骨折したことは忘れます。何日かすると動き出し、車いすに乗るようになり、その後自然に後遺症もなく歩けるようになりました。1年後、反対側も骨折しましたが、やはり前回同様経過を見守っていると、歩けるようになりました」という症例です。

通常の治療では、骨折したら手術です。しかし、認知症の患者さんは、場合によって手術をしなくていいのではないかと、この症例をみて思うようになったそうです。「癌の末期の患者さんと同じように、認知症で高齢の患者さんへの治療は、通常診療と少し尺度というかスタンスが違うのではないかなと思います。すなわち、教科書通りではなく、患者さんへの処置は苦痛にならない程度に最低限の侵襲にとどめ、その代わりにスタッフが患者さんに愛情を持って接することも立派な治療になりうるのではないかということです」。

 

看取りの医療からシニアタウン構想へ

医療人としての喜びは、「癌検診などで早期発見から専門医療に導くことができたとき」であるとのこと。その一方で、看取りの医療の大切さも力説されます。病気が重症化して結果的に病院で亡くなる方が大半を占める現在、最後の時期を人間らしく過ごすことは患者さんにとって最大の願いです。

「癌の末期の患者さんで在宅が難しい方は、ショートステイの療養型ベッドで看取ります。そして当院で亡くなった方は、スタッフ全員で整列して見送ります。病気を治すことも大事ですが、最後まで看取ってあげることが医療人として責任を果たしたことになると思います」という言葉は、医療を受ける側にとっても、切実な願いであるのかもしれません。

専門医から看取りの医療に至った河内先生。次の目標は、医療のサポートが充実した高齢者の町、シニアタウンを作ることです。

地域に密着した医療を目指す 併設されたデイサービスの
利用者の帰りを待つ送迎車

「シニア向けのカルチャーセンターやスポーツ施設、それに男女が交流できるダンスホールやガーデニング、農園などもある、シニアのための町です。そして治療、介護が必要になった時、安心してかかれる施設があり、安心して死を迎えることができる町です。引退してから死を迎えるまで、高齢者が自立して楽しんで生きることができる、医療・介護に支えられ護られた町作りが目標です。そしてこの町をモデルに、全国各地にシニアタウンができていくといいなと思います」と話す河内先生。「一緒にシニアタウンを作ってみませんか」と実現に向けて一歩を踏み出されています。

 

 

取材日:2011年6月10日
千葉新都市ラーバンクリニックの外観



千葉新都市ラーバンクリニック

〒270-7711 千葉県印西市草深138
TEL : 0476-40-7711 

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