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大学病院と地域の医療、福祉が連携、患者、家族を支える
<大阪府守口市 関西医科大学附属滝井病院精神神経科>

関西医科大学附属滝井病院精神神経科 教授 木下利彦先生 関西医科大学附属滝井病院
精神神経科
教授 木下利彦先生

大阪市の北東部に隣接する一人暮らしの高齢者が多い北河内地区で大学病院精神神経科が中心となり作業療法を取り入れた治療や家族会を結成しての支援、開業医への研修、地域保健と連携した認知症ケアが関係者の注目を集めています。

もの忘れ外来を中心とした かかりつけ医との連携

関西医科大学附属滝井病院精神神経科 講師 吉村匡史先生 講師 吉村匡史先生


関西医科大学附属滝井病院精神神経科 助教 嶽北佳輝先生 助教 嶽北佳輝先生


関西医科大学附属滝井病院精神神経科 助教 田近亜蘭先生 助教 田近亜蘭先生

もの忘れ外来は火曜日から金曜日の毎日行われ、4人の専門医が交代で担当しています。初診は各日2人で再診は20人近くです。「私が担当する患者さんの3~4割が認知症でしたので、この外来ができたことにより、必要な検査を集中的に行うことができ、認知症の診察にじっくり取り組めるようになりました」と、担当医師の吉村匡史先生。

かかりつけ医からの紹介を原則としているために、精神保健福祉士の鈴木美佐さんが受診受付の窓口となり、受診当日までに必要な情報を整理して予約などの振り分けをしています。外来を担当する嶽北佳輝先生も「認知症患者さんは、自分の症状を語りにくい事が多いので御家族からの情報に加え、かかりつけ医の先生方からの情報は大変重要になります」と、かかりつけ医からの情報の重要性を指摘します。鈴木さんは「申し込みがあった段階で患者さんの現状をお聞きして、画像データなどがあれば持参いただき、緊急を要するか、画像検査で必要なものは何か、心理検査は必要かなど事前に判断し予約を入れるなどしておきます」と話し、医療圏が4つの保健所にまたがり、多くの受診者が集まる当院での窓口業務の重要性が伝わってきます。

教授の木下利彦先生は診療の基本姿勢について「大学病院の役目として一番大切なのが確定診断だと考えています。正確に診断されれば、かかりつけ医へ紹介し地域でフォローをお願いし、半年または1年に1回の定期受診をお勧めしています」と話します。 「もの忘れ外来を受診された大半の患者さんが初診当日か次の受診で診断がつきます」と外来担当医師の田近亜蘭先生。

「認知症患者さんは自分の体の状態を説明することが困難なこともあり、高血圧など生活習慣病をはじめとした種々の身体疾患を合併していることがあります。当院は、総合病院ですので、そういった場合、当該科へスムーズに紹介することができます。また逆に、高齢者が身体疾患で他科に入院しておられるときに認知症症状がみられることも少なくありません。そういった場合には、他科の先生方から紹介があり、認知症症状については当科で診療を行うこともしています」と、吉村先生は総合病院ならではのメリットをあげます。

また、同外来は、精神神経科、心療内科、神経内科、脳神経外科が集まるブレインメディカルセンター内にあり、脳腫瘍・出血など脳外科領域の疾患や、神経内科疾患が疑われる場合にもスムーズな連携がとれるようになっています。

患者さんやご家族へどのように告知するかは難しい問題です。センターでは問診票に患者さんへ告知するかどうかを事前に書いてもらうようにしています。「告知については私たちの間でも悩ましい問題で、どのようにするかはこれからの大きな課題です。研究会や勉強会のテーマにもすることがあります」と、田近先生。

 

作業療法による治療の試み

認知症の患者さんを介護しているご家族は精神的、肉体的、経済的な負担が伴い、相談するところや悩みを打ち明ける場があまりありません。センターでは2005年に、ご家族を支えるために当外来を受診した患者さんたちの家族会「栞の会」を発足させました。

会ではご家族同士が悩みを打ち明けられるように配慮するとともに、認知症患者さんの利用できる社会資源をビデオで学習したり、認知症の基礎知識やケアの実際を勉強したり、介護食の試食会を催したりもしました。

関西医科大学附属滝井病院精神神経科 作業療法士 山本敦子さん 作業療法士 山本敦子さん

患者さんの治療の一環として精神科デイケア部門における作業療法があります。認知症患者さん一人だけの作業療法ではなく他の精神疾患を持つ患者さんとの合同で行うのです。年代も10代から80代までと幅広く、認知症患者さんが年代の違う人々と話をして刺激を受けています。作業療法士の山本敦子さんは「話しながらの作業は楽しそうです。患者さんご自身から組み紐や所作など得意な趣味やたくさんのことを教えていただきます」と、昔から得意だったことを思い出しながら教えることにより、自然と回想法の効果が現れるよう、作業内容を工夫しています。

患者さんが必ず行うのは月1回のカレンダー作りです。下絵などは事前に用意してあり、カレンダーの月に合った好きな絵を選んで貼り、作業療法の日に丸印を付け「7時半に家を出る」などと予定を書き入れます。そして、作業療法に来たときにも印を付けるようにするのです。このカレンダーのお陰で、ある患者さんは作業療法の日を間違えることなく、1人で来所を続けることができています。「少しは症状の進行が抑えられているように感じます。ついさっきした事も忘れてしまう患者さんが「なんか知らんけど、ここに来たら楽しいねん。」と話してくれます。その満足そうな笑顔を見ると、こちらが元気づけられます」と山本さんは作業療法士としてリハビリテーションの新たな試みにやりがいを感じています。

 

認知症情報・ケア情報の発信源として地域に貢献

関西医科大学附属滝井病院精神神経科 精神保健福祉士 鈴木美佐さん 精神保健福祉士 鈴木美佐さん

地域において認知症患者さんへの理解を深めてもらおうと地域包括支援センターや保健所が講座や研修会を開いています。患者さんのケアに疲れてしまって虐待に至るおそれのあることもあり、「介護予防講座」を開かれ、そういった場での講師として積極的に協力しています。講座は地元に密着した公民館などを利用して、認知症の基礎知識から患者さんの介護に関しての相談窓口の場所やどのようなサービスの利用が可能かなどを具体的にわかりやすく解説しました。講座で認知症の精神保健面について話をした鈴木さんは「患者さんの心や行動を理解してもらうことがご家族の安心につながるのではないでしょうか」と、話しています。

地域の開業医の先生に認知症をよりよく理解してもらおうともの忘れ外来を担当する医師は病診連携に特に注意を払っています」と吉村先生。また、大学病院は教育機関でもあり木下先生は「これからますます増える認知症を診ることのできる若い医師を育てることも当院の大きな仕事の一つです」と、話しています。

 

 

取材日:2011年5月13日
関西医科大学付属滝井病院の外観



関西医科大学附属滝井病院

〒570-8507 大阪府守口市文園町10-15
TEL : 06-6992-1001(代表)

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