『笑顔とこころでつながる認知症医療』サイトドメイン変更のお知らせ 「お気に入り」や「ブックマーク」の変更をお願いします

詳細はこちら

ホーム > 地域から探す【関東信越】 > 東京都 > 東京都墨田区 医療法人相生会認知症センター
医療機関を探す

医療とケアが一体化した施設作りを目指して
<東京都墨田区 医療法人相生会認知症センター>

医療法人相生会認知症センター センター長 中野正剛先生 センター長 東邦大学医学部客員教授
医学博士 中野正剛先生

介護福祉センターのほか、クリニックや医薬品開発のための臨床薬理センターも運営し、幅広い医療分野で社会貢献をおこなっている医療法人相生会。その相生会では今、認知症の診療と治験、ケアや介護を一体化させた「認知症センター」を設立するために、準備が進められています。

画像診断や心理検査による正しい診断が、治療の第一歩

認知症センターの先生を務める中野正剛先生は、大学卒業後、研修医時代から「認知症ひとすじ」で、大学病院や国立の認知症治療の専門施設などで多くの方の診療に携わってきました。同時に、認知症の早期診断や、地域による認知症予防活動の研究などにも積極的に取り組んできました。

現在も、認知症センターの設立のための準備を進めつつ、都内の大学病院やクリニックなどで、月に60~70人の認知症の方の診療に携わっています。日々、多くの認知症の方達と向き合っている中野先生は、こう言います。

「認知症は、『診断して終わり』という病気ではありません。でも、きちんと治療するためには、正しい診断が不可欠。きっちり診断して、それに基づいた治療とケアをおこなうことが重要です」

その正しい診断のために、現在勤務している大学病院では心理検査と画像診断に重きを置いています。認知機能障害の程度を査定する心理検査では、いくつかのタイプを組み合わせたオリジナルの検査を採り入れています。画像診断では、MRIや脳血流SPECTで、脳萎縮の程度や脳血流の低下パターンをコンピュータで解析し、迅速で正確な診断をしています。

 

「病気」より、 「その人自身」を見ることが大切

中野先生は、初めて訪れる認知症の方と対面するときに、その人の持つオーラのようなもの、その人全体の雰囲気を見るのだそうです。そして、何に困っているのか、例えば、病気そのものなのか、生活なのかを理解するように心がけているとのこと。「病気」よりまず「その人」を見ることが大切だと言います。

医療法人相生会認知症センター 臨床心理士 沼田悠梨子さん 臨床心理士 沼田悠梨子さん

医療法人相生会認知症センター 診療放射線技師 木山哲治さん 診療放射線技師 木山哲治さん

認知症の方の認知機能診断に重要な心理検査を受け持っている、臨床心理士の沼田さんは、ご本人やご家族に、事前に検査のことをしっかり知っておいてもらうことも大切だと指摘します。

「検査には1時間ぐらいかかるので、ご本人が途中で疲れてしまったり、後で『思っていたより大変だった』とご家族にお話しされたりというケースもありました。ですから、検査の内容や所要時間を事前に説明した上で、受けていただいています」

 診療放射線技師の木山さんも、正しい診断結果を得るためには、認知症の方がリラックスして、おだやかな気持ちで検査を受けられる環境を整えることが重要だと話します。

「脳の検査というだけで緊張する方もいますから、マットを使って楽な体勢で、居心地よく検査できるようにしたり、不安がる方の手を握っていたこともありましたね」

 

認知症への関心や知識が 高まっていることを実感

認知症の診療に携わるようになって約20年という中野先生は、社会における認知症を有する方の増加傾向にともない、ご家族や一般の人たちの認知症への関心や知識の高まりを実感しています。

「最近はご家族も認知症のことを本当によく勉強されていると思います。以前は、ご家族が『なんだかおかしい』と思って病院に連れてきたときには、医療側から見るとかなり症状が進んでしまっているケースが多かったのです。でも最近は、『ひょっとしたら認知症かも?』という軽い状態で受診されるケースが多くなりました」

一般的によく知られている「アルツハイマー型認知症」ばかりでなく、最近では「レビー小体型認知症」などについても、認知症の専門外である医師よりも、認知症の方を抱えるご家族の方が豊富な知識を持っていることもあるほどだと中野先生は語ります。それだけ認知症の方のご家族にとって、また社会全体としても関心が高く、生活と切り離せない疾患となっていることがわかります。

 

家族のフォローと 「医療」と「介護」の連携が課題

 今の最大の課題は「認知症センター」の設立だという中野先生ですが、それと並行して取り組むべき課題もいくつかあると言います。認知症の方を支えるための社会的な環境も整備されていませんし、ご家族へのフォローもまだ十分とはいえないと指摘します。

まず、ご本人の治療と同じぐらい、ご家族や介護者の負担軽減のためのフォローも重要とのこと。薬物療法時のモニタリングや、BPSD(周辺症状)が出てご家族の負担が大きくなった場合の対応なども含め、ソーシャルワーカーやケアマネジャーなど介護の専門家にも参加してもらい、「ご本人をどう支えればご家族の負担を軽くできるか」ということまでアプローチできるしくみ作りを目指しています。それも認知症センターの役割のひとつだと考えているのです。

臨床心理士の沼田さんは、今後、ご家族の心理的負担の相談を受けることも重要な仕事になっていくと言います。検査そのものの技術向上はもちろんのこと、ご本人とそのご家族への対応をその場その場で臨機応変にこなせるようになることが、臨床心理士としての今後の課題だと実感しています。

さらに、診療放射線技師の木山さんは、認知症の診断方法の目覚ましい進歩に着目。それに乗り遅れずついて行くことが自らの課題と考えています。

「ここ十数年で、MRIなど画像診断法は格段に進歩しています。これからも新しい検査法の確立や変化は続いていくでしょうから、そういうことにすぐに対応できるよう、常に勉強していきたいと思っています」

 

治療の主役である認知症の方へ、 最適な治療環境の提供を

認知症治療で最も重視すべきことは「認知症の方をどう支え、いかによい環境でケアできるか」だと中野先生は言います。主役は認知症を有するご本人であるべきで、ご家族と医療スタッフ、介護スタッフは全員でご本人を支えるひとつのチームだと考えているのです。

そのため、医療スタッフと介護スタッフのさらなる連携強化も課題のひとつで、効果的な治療には不可欠なことと指摘します。医療者は、ケアスタッフの言葉によく耳を傾ける必要があり、介護スタッフも薬剤や治療法などについて、ある程度の知識を持つことが必要と考えています。双方のタッグのもと、適切な薬物療法(医療)とケアがしっかり組み合わさったときにこそ、認知症のBPSD(周辺症状)に効果が表われるはずだというのが中野先生の持論です。

また、認知症の方を抱えるご家族に対しても、「何でもお医者様のいうことは聞く」という考えではなく、チームの一員として何かあったら医療スタッフを厳しく批判するぐらいの気持ちでいて欲しいと言います。 「ミシュランガイドと一緒(笑)。評価を厳しくしてもらわないと、認知症を有する方の置かれている環境はよくならないと思うので。医療者として、ご本人とご家族の状況を真摯に受け止め、いかに生活の質を改善できるかを、今後も考え続けていくつもりです」(中野先生)

 

 

取材日:2011年6月14日
医療法人相生会認知症センターの外観

医療法人相生会認知症センター

〒130-0004 東京都墨田区本所1-29-1
ランダムスクウェア
TEL : 03-5608-7253 

施設のホームページへ

この記事のURLをメールで送信
医療機関を探す
新着施設から探す
地域から探す
  • 北海道 近畿
  • 東北 中国
  • 関東・信越 四国
  • 東海・北陸 九州・沖縄
カテゴリーから探す
  • 社会が考える認知症予防・治療・戦略
  • 日常診療における創意工夫
  • チーム連携のさらなる充実
  • ふれあいつながる作品展
  • バアちゃんの世界
  • バアちゃんの世界からわかる認知症の症状と対応のヒント
  • 「笑顔とこころ」をつなぐ声
  • お薬(剤形)の選択肢が増えました
  • 患者さんとご家族のための認知症の知識
  • 認知症相談窓口
  • 認知症サポーターキャラバン
  • サイト運営企業の取り組み
  • 医療関係者の皆さまへ
トップページへ