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病気に休日はなく、医療だけで人は救えない
<熊本県熊本市 北部脳神経外科・神経内科>
<介護老人保健施設 かなこぎ苑>
<特別養護老人ホーム サンビレッジ高平台>

北部脳神経外科・神経内科 院長 
伊東山洋一先生
北部脳神経外科・神経内科
院長 伊東山洋一先生

熊本市にある北部脳神経外科・神経内科は、主に脳疾患の急性期から回復期までを一貫して治療する診療所です。「病院で勤務していると、脳卒中の急性期治療ばかりになり、気がかりな患者さんでも回復期を診ることができませんでした。それが嫌だったのです」と言う院長の伊東山洋一先生。「自分が診ることができる患者さんは最後まで責任を持って診たい」との考えから、平成15年に開業に踏み切りました。

医療の現場に休日はない ― 北部脳神経外科・神経内科

当診療所は、年中無休で診療を行っています。
「今日診て明日休む、というのは医療現場ではありえないと考えています。病気に休日はありません。毎日診ることによってはじめて患者さんの病状を把握でき、適切な治療を行うことができるのです」と語る伊東山先生は、開業以来一日も休まずに診療を続けています。

また、脳神経外科・神経内科に加えて、糖尿病や循環器内科の専門外来も設けています。

「疾患ごとに通う病院や診療所が違っていたら、患者さんの負担は大きいでしょう。ゆくゆくは当診療所を『総合診療所』にし、患者さんがあらゆる疾患の治療を一つの診療所で受けられるようにしたいと思っています」(伊東山先生)。

 

医師が関わるケアが必要

脳疾患の回復期のリハビリを終えると、在宅復帰のためのリハビリが必要になります。そのため患者さんは医療機関から介護老人保健施設に移ることになりますが、医師が関わりながらその人にあったリハビリができる施設はなかなかありません。

「医療と介護の連携は乏しいと言わざるを得ません。しかも、施設入所者の身体にはいつ何が起こるか分かりません。やはりバックアップする医療機関が必要なのです」と伊東山先生。そこで医療と介護の連携強化を目指し、平成18年に在宅復帰のためのリハビリ施設「かなこぎ苑」を開設しました。

 

ケアは足し算ではなく引き算で ― 介護老人保健施設 かなこぎ苑

介護老人保健施設 かなこぎ苑 施設長 
伊東山徹代さん 介護老人保健施設 かなこぎ苑
施設長 伊東山徹代さん

かなこぎ苑では、完全個室型のユニットケアを行っています。

「当施設では個別ケアを行い、入所者が自宅にいるような生活を送れるように工夫しています。一つのユニットは10室の個室からなり、食堂談話室を囲む形で個室があります。スタッフはユニットごとに固定制をとっており、入所者とスタッフが顔なじみの関係でいっしょに生活を行うスタイルをとっています。また、入所者の身体に何か起きた場合は、北部脳神経外科・神経内科との連携により迅速に対応できるようにしています」(伊東山施設長)。

当施設には脳疾患を患う方や高齢の方が入所しているため、入所者の多くは認知症の患者さんです。認知症の周辺症状が出ている患者さんでは、環境が変わるとストレスのために症状が悪化しがちです。一般的にはその症状にあわせて睡眠薬、抗不安薬などを処方する「足し算」の治療がなされます。そのため薬の副作用で朦朧として転倒するなどの危険性があり、結果としてADL(日常生活動作:Activities of Daily Living)が下がることもあります。また、多剤服用によりいろいろな副作用も出現します。

一方、当施設では「引き算」のケアを実践しています。

「まずは入所者の食事、睡眠、排尿などの生活パターンをよく観察します。そしてそれを把握することにより、毎日の生活におけるその時々のサインを見極めるようにしています。おなかが減ったらこうなる、トイレに行きたいときはこうなる、便秘のときはこうなる、というサインを見つけることで適切な対応が可能になり、その結果症状が安定し、薬を減らせるようになることが多いです。もちろん、必要に応じて一時的にお薬を出すこともあります」(伊東山施設長)。

同時に、入所者が自立した生活を行えるようにリハビリを行います。 
「人が生活する上で最も大切なのは食事と排泄です。私たちは、入所者が自分で食事、排泄できるようにサポートし、自立を促します。ただし、自分のことを自分でできることだけが自立した生活ではないと考えています。たとえ寝たきりの状態になってもその人の望む生活を選択できるようにサポートすることもある種の自立ではないでしょうか。そこで私たちは、その人が何を望んでいるのかを注意深く見極め、本人が望む生活を行えるようにサポートを行っています。これは認知症の方に限らず、すべての高齢者の方にあてはまることなのです」(伊東山施設長)。

さらに伊東山施設長は、介護側の立場から見ても、医療との連携が欠かせないと考えています。

 「病院では、今でも多くの方があらゆる延命処置のため、たくさんのチューブがつながれた状態で亡くなります。一方、ここでは穏やかに、家族に見守られながら最期を迎えます。このように、理想的な最期のあり方を考える上でも、医療と介護の緊密な連携は不可欠です。そこで何とか私たちがそのモデルケースとなって、地域の保健福祉に役立ちたいと考えているのです」。

 

「和顔愛語」をモットーに ― 特別養護老人ホーム サンビレッジ高平台

特別養護老人ホーム サンビレッジ高平台 施設長 白井志津子さん 特別養護老人ホーム サンビレッジ高平台
施設長 白井志津子さん

かなこぎ苑と同様に北部脳神経外科・神経内科の系列施設として平成22年に開設された特別養護老人ホーム「サンビレッジ高平台」は、地域密着型の介護老人福祉施設であり、全室個室のユニット型でしかも小規模特養ということもあり、明るくアットホームな施設です。自宅での自立した生活が困難で常時ケアが必要な方が入所し、その大半が認知症の方です。

 「認知症の方は淋しがり屋の方が多いので、スタッフの関わりを多く持つようにしています。認知症の方が話すことは否定せず、落ち着いて寄り添いながら話を聞くことを大事にしています。また、認知症の方は『きれいな物』が好きなので、職員には、身だしなみはきれいに明るく、施設もきれいで明るくするようにと常々言っています」と話す施設長の白井志津子さん。当施設でも十人十色のケアを尊重し、その人のリズムにあわせたケアが行われています。例えば排泄行為は、その人のパターンを見極めて個別に誘導して対応するため、排泄のトラブルが減ってきたということです。

当施設は「和顔愛語」(仏教用語で、おだやかな笑顔と思いやりのある話し方で人に接する、という意味)をモットーにしています。

 「認知症の方は感受性が非常に豊かです。環境が変わると1ヵ月くらいは症状が不安定になりますが、スタッフが笑顔で対応し続けていると、やがて落ち着かれます。笑顔で接すれば、あなたが来ると安心よ、あなたでよかった、と言ってくれるようになります」と白井施設長は接する態度の大切さを語ります。

 

スタッフの喜びは患者さんや家族の喜びに

認知症の症状は人によって千差万別です。当施設では、スタッフがケア法で悩んでいるときにミーティングを開くことにしています。

 「客観的な意見を出し合うことでベストの方法を見つけることができます。その方法で効果があったときにはスタッフは喜び感動します。そしてご本人の笑顔が増え、それを見た家族も喜ぶという笑顔の連鎖がおこります。そのような場面を目の当たりにしたときは、この仕事を選んでよかったと思いますね」と、白井施設長はケアの醍醐味を語ります。

 

「愛のトライアングル」で地域に密着した医療・介護を

伊東山先生は、診療所、介護施設に加えて今後は在宅サービスにも力を入れていきたいと考えています。診療所、介護施設、在宅サービスの3者の関係を「愛のトライアングル」と呼ぶ伊東山先生。

 「『愛のトライアングル』を強化し、さまざまな形で地域交流を図りながら、地域に密着した医療・介護を担っていきたいと考えています」と将来の展望を力強く語りました。

 

 

取材日:2011年6月11日
北部脳神経外科・神経内科の外観

北部脳神経外科・神経内科

〒861-5511 熊本県熊本市楠野町1067-1
TEL : 096-275-2468

施設のホームページへ

 

介護老人保健施設 かなこぎ苑の外観

介護老人保健施設 かなこぎ苑

〒861-5524 熊本県熊本市硯川町768-1
TEL : 096-275-2788

施設のホームページへ

 

特別養護老人ホーム サンビレッジ高平台の外観

特別養護老人ホーム サンビレッジ高平台

〒860-0083 熊本県熊本市大窪3-11-47
TEL : 096-345-3777

施設のホームページへ

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