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患者さんを中心に考え、症状に合わせた治療を
<東京都調布市 榎本内科クリニック>

榎本内科クリニック 院長 
榎本睦郎先生
榎本内科クリニック
院長 榎本睦郎先生

2009年、調布市に開院した榎本内科クリニックは、内科、老年・神経内科として、地域の高齢患者さんがかかえる複数の慢性疾患のコントロールを総合的にサポートしているクリニックです。約4割を占める認知症患者さんの治療も内科診療の中で行われ、診断から治療、介護まで全般的なマネジメントを提供しています。

クリニックの強みは、敷居の低さときめ細やかなケア

東京医科大学病院老年病科に入局後、高齢者に対する内科医療に総合的に携わり、認知症専門病院の「物忘れ外来」も担当してきた榎本内科クリニック院長の榎本睦郎先生は、より広い領域で適切な医療を行える地域のかかりつけ医を目指し、調布市飛田給にクリニックを開院しました。

大学病院とクリニックの違いのひとつは敷居の低さにあります。初めての受診に抵抗を示す患者さんでも、内科の中で認知症も診るクリニックなら、健康診断に行くようなつもりで気軽に足を運ぶことができます。榎本内科クリニックは、待合室のデザインから来院しやすいように配慮され、まるでホテルのロビーを思わせる落ち着いた雰囲気の空間になっています。榎本先生は「認知症を診療する上で、病院に圧迫感があると敷居が高くなってしまいます。入ってきたときにこんな雰囲気なら、くつろいでもらえるのではと考えました」と話します。

シティホテルのロビーをイメージした受付、待合室 シティホテルのロビーをイメージした受付、
待合室

認知症治療では中核症状の進行を止めるのが柱になりますが、介護においては周辺症状が出た場合の対処が問題になります。大学病院では担当医が外来診療を行う曜日が限られ、症状が出たからといってすぐに受診できないことがありますが、同クリニックでは予約なしでいつでも受診が可能です。「調子が悪いときは週1回でも2回でも来てもらえたら、細かく薬剤調整ができます。一人の医師が継続してきめ細かく見ていけるのが、クリニックの強みですね」と榎本先生は利点を語ります。

 

周辺症状のタイプによって治療の方向性を変える

榎本先生が認知症の専門医になろうと思ったのは、1992年に東京医科大学病院老年病科に入局後、東京都老人総合研究所 神経病理部門で認知症・神経疾患の研究に携わったのがきっかけです。脳のメカニズムを研究するため、亡くなった高齢者を解剖して脳の標本を見ていると、圧倒的にアルツハイマーが多く、この方は生きていたらどのような症状だったのだろうと、興味を持つようになったといいます。

アルツハイマー型認知症の診療にあたって榎本先生は、周辺症状の出方によって患者さんを2つのタイプに分けて治療法を考えるといいます。例えば、怒ったり徘徊したりといった陽性症状が出るタイプには、まず問題行動を抑える治療を優先するなど、症状によって治療法を選択しています。

「初診時に中等度だった患者さんが1年後に正常範囲内に改善されたこともありました。患者さんから、おかげでよくなった、頭がすっきりして考えられるようになった、という声が聞けるとうれしいですね」(榎本先生)。

 

適切な治療には専門医による正しい診断が重要

認知症の原因疾患はさまざまです。アルツハイマーと診断されていた患者さんがレビー小体型認知症とわかり、治療内容を変えてよくなった方、画像診断で慢性硬膜下血腫とわかった方などが、これまでにもあったといいます。「診断が正しくなければ適切な治療は望めないので、専門医による正確な診断は重要です」と榎本先生は強調します。

心理検査は臨床心理士が行うのが普通ですが、榎本先生はご自身で検査を行うことにしています。時間や費用を考えれば非効率かもしれませんが、「大変でもそれを超える価値がある」と榎本先生はいいます。榎本先生自ら検査を行うことで、検査中の患者さんの細かい様子がわかり治療や投薬方針の決定に役立つほか、患者さんも緊張しにくく、ご家族とも情報を共有できることで一体感が生まれます。「患者さんやご家族にとっても、検査からしっかりやってもらったという安心感が信頼関係につながるのだと思います」。

また、治療中はどうしても、ご本人よりご家族と話す場面が多くなり、ともすればご家族のために治療しているような状態にも陥りがちです。しかし、「あまり話ができない患者さんでもきちんと話をして、どういうレスポンスをしたか、会話の質は上がったか、患者さんの症状を見ることに一番のポイントをおくことが大切です」と榎本先生は強調します。常に患者さんを中心に見ながら、介護するご家族とのコミュニケーションを上手に取ること。榎本先生は、ご家族にもいろいろなタイプがあるので、それぞれ話し方を使い分けているといいます。

 

症状の兆しを見逃さないアプローチの工夫

認知症の症状は、特に陰性の周辺症状の場合、年齢が進めばこんなものと見過ごされてしまいがちです。認知症は早く発見して治療を始めれば進行を遅らせることができるため、これらを初期の段階でいかに拾い上げるかが課題になります。

内科で受診する患者さんの中でも、会話の反応などから、もしかして、と気づく場合があると榎本先生はいいます。そんなときに効率的なのが、MMSE(認知機能検査)の「時間の見当識」、「計算問題」、「3つの言葉の遅延再生」の3つで確認する方法。「認知症専門でない先生方にも認知症患者を掘り起こす眼や、専門医に紹介すべきかどうかの判断基準をお持ちいただくことが非常に重要だと思います。この3項目がすべて減点になれば、認知症を疑うには十分な状態ですから、専門医への受診を勧めていただければと思います」。

このとき、いきなり「今日は何年何月何日ですか?」と聞いては患者さんも構えてしまいます。「今、年齢はおいくつですか、80歳ならそろそろ物忘れなども出てくるころですね、念のためちょっと質問させてもらってもいいですか?」といった前置きから始めると、抵抗なく答えていただきやすくなると榎本先生はアドバイスします。「以前は僕もいきなり質問をして、患者さんに、バカにしているのかと怒られたことが何度もあります。いろいろな話し方を試しているうちに、これなら伝わりやすいという説明の仕方がわかってきました」。

榎本先生は診断結果を伝えるときも「認知症」ではなく「物忘れ」という言葉を使います。「認知症といわれると抵抗を感じる患者さんも、物忘れなら当たりがやわらかく、それなら進まないように薬を飲まなければと、ご自分から治療に参加してくれるようになります。大切なのは、この人は味方になってくれそう、と思ってもらえる関係を築くことです」。

 

地域の診療所間で、早期受診につながる連携を

開院してもうすぐ2年、これからの課題は地域における「連携」だと榎本先生はいいます。

CTやMRI検査については協力病院との連携ができていますが、脳血流および心筋シンチグラフィについても現在近隣の医療機関とスムーズに連携が取れており、大学病院と遜色のない診断精度を提供できています。

また今後、診療所間の連携が広がり、一般のクリニックでも前述の3つのチェックが行われ、おかしいなと思ったら紹介してもらえるようになれば、これまで見過ごされてきた患者さんを治療に結びつけられるようになると、榎本先生は期待しています。

「以前は認知症の診断を受けるのは死の宣告を受けるに等しいようなイメージだったかもしれませんが、今では適切な治療を受ければご本人もご家族も安心して生活できるような治療が可能です。進行してからではなく、できるだけ早い段階で治療のレールに乗っていただくことが重要です」(榎本先生)。

 

 

取材日:2011年6月22日
榎本内科クリニックの外観

榎本内科クリニック

〒182-0036 調布市飛田給2-12-9飛田給ハイム1F
TEL : 042-444-0456

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