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患者さんの存在意義を大切に、幅広いサポートを
<岐阜県土岐市 土岐内科クリニック>

土岐内科クリニック 理事長 長谷川嘉哉先生 理事長 長谷川嘉哉先生

2000年4月にオープンした土岐内科クリニックは、神経内科専門医と消化器内科専門医が、各専門分野を中心に診療を行っています。神経内科専門の長谷川嘉哉先生は、認知症の早期発見・早期リハビリを行うと同時に、ケアマネジャー、訪問看護ステーションなど各種介護サービスとの連携を図り、訪問診療やリハビリ(外来・訪問)も積極的に行っています。

祖父との思い出が認知症との出会い

長谷川嘉哉先生は、認知症治療に携わるようになったきっかけとして「祖父との思い出が原点」と語ります。先生が小学生だった昭和50年頃、同居していた祖父に認知症の症状が現れ始めました。当時は、認知症を専門に診察する医療機関も少なく、介護保険サービス制度もないため、「物忘れは家族が介護するのが当たり前」という風潮でした。さらに、社会も認知症に対して理解が浅く、家庭内はギスギスしていたと言います。その後、祖父の症状は次第に進行し、先生が中学3年生のときに亡くなりました。先生は祖父の死を心から悲しみ、「家族に迷惑をかけたこともあったけど、自分は本当に祖父のことが大好きだった」ことに気づいたそうです。

そして「将来は、祖父と同じ病気を抱える患者さんや家族を助けたい」と考えるようになり、現在の仕事につく決心をしました。「現在こうして活躍できるのは『祖父の導き』だと思います」と長谷川先生は言います。

認知症は症状が進行すると、家庭内でトラブルが起こることも珍しくありません。そんな家庭環境を心配した患者さんの家族から「自宅に認知症の患者がいると、子どもたちに悪影響を与えるのでは」と相談を受けることがあります。そんなとき、長谷川先生は祖父と暮らした経験から、「お年寄りと一緒に暮らした経験は財産ですから、お孫さんに対して悪い影響を与えることは全くありませんよ」と励ましています。

認知症の家族は、同じ悩みや疑問を抱えていることが少なくありません。「全国であなただけが困っているのではありません。あなたが困っていることはみんなも困っているので、気軽にご相談ください」(長谷川先生)。

 

患者さんや家族が必要な情報を確実に提供

土岐内科クリニックは、初診の場合、質問式の前頭葉と側頭葉の機能検査、脳のCT撮影を行い、最後に診察と、診断のために合計約1時間かけています。認知症の場合、初診から診断までに数回受診を要するケースもありますが、同クリニックでは初診時に検査と診断を行うため、より早く治療を開始できます。

また、同クリニックには、毎月約2500人もの患者さんが訪れるにも関わらず、初診時に、先生と家族が話をする機会を計3回設けています。これは、先生が繰り返し丁寧に患者さんの状況を説明することで、家族に正確に理解してもらうためだと言います。患者さんの家族から「今まで初診時に3回も説明を受けたことはない」と驚かれることも珍しくありません。

患者さんの家族は「なぜ認知症になったか」という原因に関心があるわけでなく、「現在の状況をどう打破すればよいか」や「どんな社会サービスを受けられるか」という情報を望んでおり、また患者さんの状態によって「何が知りたいか」は変化します。そこで長谷川先生は「患者さんの状態や環境などに合わせて、必要な情報を提供することが大切」だと考えています。

同クリニックでは、患者さんの治療を行うだけでなく、要望に合わせてデイサービスや訪問介護サービスなども組み合わせ、トータルでの社会サービスの提供を行っています。

 

患者さんと家族とともに治療に取り組む

長谷川先生は「初診の際に、患者さんが診察室に入ってきたときの様子をみることが大切」と言います。CT画像や検査の結果だけでは判断に迷う場合も、患者さんの歩き方や表情をみると、状態がわかることもあるからです。

「認知症は医学的対応だけでなく、介護的対応と社会的対応が大切」と考え、同クリニックでは、初診時に患者さんの症状の程度や、今後どう進行するかを家族にはっきり伝えています。また、全ての患者さんに、治療の必要な病気であることを伝え、ご本人に必要性を理解してもらうよう努めています。比較的症状が軽い場合は、家族とともに病気の説明を行います。

治療においては、投薬のほか、定期的にテストを行い患者さんの状態の変化をチェックすることが、定期的な通院を促し、良い関係を築くきっかけになると言います。

認知症は、軽度から中等度の段階では改善が望めても、重度になるとどうしても治療に限界があるのが現状です。「本当は、患者さんは最後まで自宅で過ごすのが良いのかもしれませんが、患者さんの状態や家族のマンパワー、環境などを考慮し『患者さんを自宅で介護するのは難しい』と判断したときは、医師として心苦しいながらも専門施設への入居をすすめることもあります」(長谷川先生)。

 

体と脳のリハビリで「ピンピンコロリ」を目指す

同クリニックは、理学療法士5人と作業療法士2人が、在宅患者さんの生活の質を向上できるように、外来および訪問リハビリテーションを行っています。認知症の患者さんには、脳リハビリセンターで学習療法を行うなど、脳のリハビリにも積極的に取り組んでいます。長谷川先生は「体と脳のリハビリで健康を保ち、寿命を全うしてほしい」という願いから、「ピンピンコロリ」を提唱しています。

また、同クリニックでは、「クライアント中心主義」を理念とし、長谷川先生を始めスタッフ全員が『患者さんに心から喜んでいただくためには何をすれば良いか』を常に考えながら、本当に必要なサービスを提供できるよう努めています。患者さんの状態やニーズに合わせ、介護申請からデイサービスまでを行うだけでなく、「ずっと我が家で暮らしたい」という患者さんのために在宅医療も積極的に行い、開設からすでに250件以上の看取りを行った実績があります。

長谷川先生は「全ての患者さんが最初から治療に協力的とは限りませんし、在宅医療は深夜や休日に看取りを行うこともあり、この仕事は本当に大変ですが、訪問治療や介護を通して全てのスタッフが家族の一員のようになれるのが、この仕事のおもしろいところですね」と語ります。           

 

患者さんとの出会いがきっかけでFPを取得

認知症を取り巻く現在の状況について、長谷川先生は「自分が医療に携わり始めた頃と変わった」と言います。啓蒙活動が進み、認知症の早期受診と早期発見がずいぶん増えてきました。長谷川先生は「今後もさらに啓蒙活動を進めて早期受診を広げたい」と、インターネット上で「認知症に関する無料相談」を実施しています。寄せられる質問に答えられる範囲で回答し、場合によっては受診をすすめることもあります。

さらに長谷川先生は、医師であるだけでなく、ファイナンシャルプランナーという一面を持っています。この資格を取ったのは、ある患者さんとの出会いがきっかけでした。患者さんが病を発症したために仕事ができなくなり、経済的に困窮してしまったことを知り、「自分に公的制度の知識があれば、より早く書類の手続きができ、この患者さんが生活に困ることもなかったかもしれない」との思いから、ファイナンシャルプランナーの資格を取得したと言います。

長谷川先生は、「医師は患者の診察だけでなく、適切な段階で適切な書類を書くことも大切」と言います。認知症の生活を支える社会保障を受けるには、書類による申請が必要ですが、これらの情報を把握するのは至難の業です。

そこでこの春、長谷川先生は、「介護にいくらかかるのか?-いざという時、知っておきたい介護保険の知恵」(学研新書)という書籍を出版しました。この書籍では、医師の立場から実践的アドバイスを送るだけでなく、ファイナンシャルプランナーの立場から経済的支援を受けるためのアドバイスもしています。

長谷川先生は「認知症という病気はまだわからないことも多いため、さらに勉強を重ねることが必要」と言います。「今後も医師として経験を重ねるだけでなく、介護や法的制度など幅広い分野についても認知症に関する知識をさらに深め、認知症専門医として向上したい」と抱負を語りました。

 

 

取材日:2011年7月5日
土岐内科クリニックの外観

土岐内科クリニック

〒509-5112 岐阜県土岐市肥田浅野笠神町2-11-1
TEL:0572-53-0656

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