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明るいマンパワーで認知症患者さんに笑顔と元気を
<福島県郡山市 医療法人たるかわクリニック>

医療法人たるかわクリニック 院長 樽川由里子先生 院長 樽川由里子先生

たるかわクリニックは、神経内科、内科、呼吸器科、循環器科、リハビリテーション科を併せ持つクリニックでありながら、デイケアを併設し、在宅看護・在宅介護事業も行っています。明るくパワフルな院長のもと、「人と人との関わり」を大切に、認知症患者さんの治療とケアを続けています。

身近な存在として 患者さんの一生に関わりたいと開業

神経内科の専門医である院長の樽川由里子先生は、もともと同じ福島県郡山市にある総合南東北病院の神経内科で10年間勤務してきました。そこには脳卒中やパーキンソン病などの慢性疾患、進行性疾患を持つ患者さんが多かったため、「主治医としてその患者さんに一生関わりたい」という思いが強くなっていったと言います。

そこで、ひとりの患者さんをもっと身近な位置で、最後まで責任を持って治療、ケアできる施設をつくりたいと、平成9年12月にデイケア(通所リハ)を併設したクリニックを開業しました。在宅看護や在宅介護事業も行っています。

開業から14年。認知症の疑いがある患者さんを診察する機会は開業当時に比べ、ずいぶん増えました。そのような患者さんに対しては、樽川先生自らが長谷川式などの心理検査を行い、MRIと脳波の検査をした上で診断を下しています。

 

患者さんは自分の家族  そう思って「どうするか」を考える

認知症にもいろいろなタイプがあり、人によって、告知の仕方も治療やケアの方法も異なるため、「その人その人に合った対応を心がけている」という樽川先生。ただ、どのような患者さんに対しても共通に抱く思いがあると言います。それは、「この人がもし自分の家族だったら」ということ。

「基本的にどの患者さんも、自分の親や兄弟、子どもなど、『家族』としての目線でみているつもり。そうすれば、自然とどうするのがいいかみえてくるし、治療もブレることがないのです」(樽川先生)。

医療法人たるかわクリニック 看護師 割谷玲子さん 看護師 割谷玲子さん

樽川先生のその考えは、クリニックのスタッフの間にもしっかり浸透しています。外来で樽川先生の治療をサポートしている看護師の割谷玲子さんは、こう話します。

「認知症で来院する患者さんは軽度の方から重症の方までさまざまですが、院長の教えの通り、常に『もし自分の家族だったらどうしたいか』を考えて接しています。話しかけるときも、家で家族に話しかけるように、あまり他人行儀にならない感じで気さくに話すようにしていますね」。

「患者さんが家族」なら、「患者さんの家族も家族」と考えるのが樽川流。認知症患者さんと家族との関わりや、家族へのフォローも重要視しています。

「認知症治療の根源となる大事な存在は家族。実は、認知症になるまでの、長く続いてきた家族としての結びつきがいちばん大切なのです。認知症患者さんの家族は365日朝昼晩、ずっとそばで食事やトイレなど身の回りの世話をします。それはとても大変なこと。『大切な家族』と思えるからこそできることですが、それでも負担は大きいと思います」(樽川先生)。

それを少しでも軽減するために自分たちがいる、と樽川先生は言います。デイケアや訪問看護、訪問介護など、サポートする方法はいろいろあり、共倒れにならないためにも絶対に「無理をしすぎない介護」をしてもらう必要があると考えています。

 

ネガティブな情報より、 ポジティブな情報の提供を

長く認知症の治療に関わってきた樽川先生が、特に大変と感じるのは若年性の認知症だと言います。会社に勤めている人なら仕事はどうなるのか、家族はどうなるのかなど、高齢の患者さんとはまた別の問題が出てくるとのこと。また、身体的には健康な分、周辺症状に悩むケースも多いようです。

樽川先生が「どの患者さんも必ず口にする」というのが、「家族に、子どもに迷惑をかけたくない」という言葉。そのため、今後のことも含め、患者さん本人への告知の仕方についても「何が最善か」を十分に考慮しています。

「例えば、『軽い脳梗塞ですよ』と伝えても、患者さんに残るのは『脳梗塞』という言葉だけ。『軽い認知症ですよ』と言っても患者さんには『認知症』という言葉しか残らないのです。今は雑誌でもインターネットでもすぐに情報が得られるので、調べられる人は自分で調べますが、患者さんはまず、良い情報は拾いません。悪い情報ばかり拾って落ち込んでしまうので、『大丈夫よ!』と言って、なるべく良い情報を与えられるよう心がけています」(樽川先生)。

 

誰もが持っている笑顔と 「輝く瞬間」を引き出したい

医療法人たるかわクリニック 作業療法士 遠藤和美さん 作業療法士 遠藤和美さん
医療法人たるかわクリニック 作業療法士 遠藤正紀さん 作業療法士 遠藤正紀さん
医療法人たるかわクリニック 介護福祉士 我妻繁一さん 介護福祉士 我妻繁一さん

クリニックの中心にどっしりと据えられているのは、樽川先生の「患者さんを家族と思って接する」という方針ですが、スタッフもそれぞれ、こだわりを持って認知症患者さんのケアにあたっています。

作業療法士の遠藤和美さんは、「とにかく関わりあいをたくさん持って、丁寧に話を聞く」ことを心がけています。自宅にひとりでいると、どうしても無為に過ごしがちな認知症患者さんも、デイケアなどで多くの人とふれあうことで良い刺激が得られるはず。その刺激が脳の活性化を促してくれることを願っています。

同じ作業療法士の遠藤正紀さんは、「患者さんはみなさん、人生の大先輩。いつ、どんなときでも尊敬の念を持って接したいと思っています。そういう方たちが築いてきた土台があって、今自分たちがこうして生活できているのだから、それを忘れたくない。仕事は大変なこともありますが、苦ではありません」と言います。

また、介護福祉士の我妻繁一さんは、患者さんそれぞれの生活背景を理解することが大切と考えています。

「これまで過ごしてきた人生や生活は、みなさんひとりひとりで違うし、そういうこともきちんと理解したい。そうすることで患者さんをより身近に感じられるし、がんばりたいという自分の励みにもなっています」。

また、「患者さんの笑顔」も、樽川先生はじめ、スタッフたちの励みであり、心の支えとなっています。例えば、ふだんはあまり笑わない人がたまに楽しそうに笑ったり、あまり物事に興味を示さない人がゲームに熱中したりと、誰にでも必ず「輝いてみえる瞬間」があるとのこと。ふとした瞬間にそういう姿にふれられることが、この仕事の醍醐味だと言います。

「我々スタッフはみな、患者さんになんとか笑って欲しいという気持ちでいるので、ふだんはムッツリしている人がちょっとニコッと笑ってくれたりすると、『やった!』って心の中でガッツポーズしてしまうんですよ」(我妻さん)。

 

患者さんに元気をもらって 「がんばろう」と思える

そんなスタッフの姿に、樽川先生は「患者さんとスタッフが、私の誇り」と言います。

「スタッフにいつも話しているのは、私たちはサービス業だけど、ふつうのサービス業と違うのは、健康な人とばかり向き合うわけではないということ。心を病んでいる人も来院されるので、その目線に立たなければなりません。そのことをしっかり理解してくれているので、うちは受付スタッフも看護師もケアスタッフも、みんな本当にやさしいんですよ。私はわがままで短気だから(笑)、本当に好き勝手やらせてもらって、心地よく仕事しているんですよ」。

スタッフ間の風通しも良く、毎月1回行われるスタッフ全員によるミーティングでは、院長も事務局長も「なんでも本音をさらけ出して」と言っています。「スタッフの意見をどんどん組み上げてもらっているので、やる気も出ますしスタッフ同士のまとまりも生まれる」と我妻さんは言います。

そして、スタッフたちはみな「院長の樽川先生の存在は本当に大きい」と口を揃えます。

「先生がとにかく元気でパワフルなので、こちらもパワーがないとついていけないんです(笑)。ですから、朝の第一声からテンションあげて元気に、先生に負けないようについていこうとがんばっています」(割谷さん)。

一方、樽川先生は「確かに私は元気だけが取り柄。でも、その元気は患者さんにもらっているんですよ」と笑います。

「患者さんが元気だと私は楽しいんです。患者さんが『樽川先生に会いに来た』とか『声を聞くだけで元気になる』なんて言ってくれると、私もがんばらなくちゃ!と思いますから」。

そういう人と人とのコミュニケーション、人と人との関わりこそが、認知症患者さんと家族とスタッフをつなぎ、支えてくれるいちばんの力になると、樽川先生は考えています。

 

 

取材日:2011年6月24日
医療法人たるかわクリニックの外観

医療法人たるかわクリニック

〒963-0201 福島県郡山市大槻町字御前25-1
TEL:024-966-3311

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