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医療と介護の切れ目のないケアを提供
<富山県射水市 医療法人社団喜生会 木戸クリニック>

木戸クリニック 院長 木戸日出喜先生 木戸クリニック 院長 木戸日出喜先生

平成5年5月に開院した木戸クリニックでは、認知症患者さんが歩んできた人生(物語)に注目し、患者さんの生き方を尊重した治療対応をしています。また認知症サポート医でもある院長の木戸日出喜先生は、行政や介護施設・医療施設と連携しながら、認知症になっても安心して暮らせる町づくりをめざしています。

本格的な認知症ケアのできるクリニックをつくる

神経精神科の医師として、大学病院で診療にあたっていた木戸日出喜先生は、18年前の平成5年5月に木戸クリニックを開院。内科、眼科、皮膚科、神経内科、精神科のある一般診療施設としてスタートしました。

日本における人口構成が変化し、高齢者の割合が高くなるにつれ、開業当時100万人余りとされていた認知症患者数は、現在240万人と言われ、さらに2026年には330万人まで増えると推計されています。そこで開業にあたり先生は、「認知症患者さんに対応するためには認知症専門棟のある介護老人保健施設を併設する必要がある」と判断。建物の1階部分はクリニックと介護施設、2、3階を介護施設とし、介護施設の3階部分を認知症専門棟としました。また同じ敷地内に認知症対応のグループホームが併設されています。

医師、看護師、薬剤師のほか、介護福祉士、理学、作業、言語聴覚の各療法士、管理栄養士、支援相談員など多くのスタッフを擁し、ケアマネジャー、認知症ケア専門士の認定資格を有するスタッフもいます。

また、内科、眼科、皮膚科の診療も可能なので、認知症患者さんの日常的な健康管理にも体制が組めるようになっています。

 

正確な診断、治療方針を示すことがクリニックの役目

同クリニックを訪れる認知症患者さんは月平均150人。月に10~15人の初診の患者さんが訪れます。他施設から紹介されてくる患者さんも多くいます。

認知症は症状が進行していく疾病のため受診した時点で認知症の程度を判断し、適切な対応をする必要があります。

まず患者さんには、長谷川式簡易知能評価テストやミニメンタルステートテスト(MMSE:認知機能検査)などの認知症の検査を受けてもらいます。それから必要があれば、時計描画テスト(CDT)や手指模倣をしてもらい、頭部CTを撮影します。患者さんが検査を受けている間に、ご家族や付き添いの方からは日常的にどんなことで困っているかなど、聞き取りで情報を集めます。検査の結果と聞き取り情報を合わせ、総合的に診断します。

認知症の重症度はさまざまなので、初期段階の方もおられれば、多彩な行動異常を主訴とする方もいます。したがって、告知にあたっては、充分な配慮の上で行うことにしています。現状をはっきり伝え、今後の見通しと治療方針を説明することが大切です。 認知症についての情報をよくご存知の方も多く、「今どういう状況で、これからどうなっていくのか」を心配しておられるので、その不安を受け止め、治療方法を示すことが重要だからです。

 

患者さんの物語を大切にしたケアと音楽療法

同クリニックの認知症ケアの特徴は、「パーソンセンタードケア」と「物語を大切にしたケア」です。

パーソンセンタードケアというのは、患者さんの個性を尊重し、認知症治療をその人らしさを維持するためのものと考えた全人的なケアのことです。例えば、認知症に伴う行動異常(BPSD:周辺症状)も患者さんが何かを伝えようとするメッセージと受け止め、そのメッセージを理解する努力からケアが始まると考えます。

物語を大切にしたケアとは、患者さんの生きてきた時代背景や個人の生活史を知った上で、その人がどのような人生を送り、これからどのように生きたいと望んでいるかを考えて行うケアのことです。

「認知症患者さんにも、知識を蓄積し発展させてきた時期があります。生きてきた背景があり、社会的な役割を果たしてきた時期があるわけです。そしてある時点から認知症を発症しました。ですが認知症患者さんの多くは、自分が輝いていた時期に経験したことを覚えています。だから例えば教師を長年務めてきた患者さんには、先生と呼びかけ、その患者さんの人生に沿ったケアを進めます。つまり、患者さんが受け入れやすい環境をつくりアプローチするのです」(木戸先生)。

もうひとつ同クリニックが実践しているものに音楽療法があります。木戸先生が富山県の音楽療法協会の会長を務めていることもあり、音楽療法士が中心になって積極的に取り組んでいます。

音楽は脳のさまざまな部位で感知しますが、そのなかで注目されているのが大脳辺縁系という本能的な活動を司る部位です。音楽が大脳辺縁系に働きかけると、強い情動を引き起こします。その情動が快適な記憶と結びつくと、認知症がかなり進み、家族の顔も認識できなくなった患者さんでも音楽を楽しみ、歌を歌うこともできます。

また、歌を歌うことで周りの人との交流が図れ、そのことが患者さんの不安解消に繋がります。認知症による行動異常などは、もちろん薬物療法を必要とする場合もありますが、音楽の持つ力によって情動を刺激すると精神的な不安が取り除かれ、それによって軽快する場合もあります。

木戸先生は音楽療法の効果にも注目し、患者さん本人の尊厳を重視した治療を広めたいと考えています。

 

診療施設の役割分担と専門スタッフが鍵

グループホームなど、認知症患者さんに対応している施設は数多くつくられていますが、現状では、すべての認知症患者さんの重症度に応じて単独で対応できる施設はありません。

ひとり暮らしの高齢の認知症患者さんが急増する社会において求められるものは、個別の認知症患者さんに対してより的確かつ柔軟に対応できる専門性の高い施設です。

今後、多様な認知症ケアが要請されることが予想されるため、各施設が認知症のどの段階を担当するのかを明確にした役割分担や、医療スタッフの対応力アップが課題です。

認知症がどのように発症し、どのような経緯をたどるのかという病気の流れを踏まえ、その段階に応じて対応する力をもつスタッフを育成するためには、きちんとした研修制度が必要だと思われます。

「認知症患者さんは何でもすぐに忘れてくれるからなどと考え、工夫のない医療をすることがあってはなりません。認知症患者さんは記憶力が低下し、不安のために行動異常が生じるのです。また、感情はより繊細になっているので対応する方法を身につける必要があります。認知症は誰にでも発症する可能性のある疾患です。しかも、今後ますます増加していく疾患でもあります。ですから、認知症患者さんに応じた対応を図り、個々の尊厳を重視した治療とケアを行っていくべきなのです」。そして、「もちろん独居老人の認知症患者さん、老々介護世帯、こういう方々への生活支援は行政が中心となってやるべきことです」と、地域、行政、医療・介護施設、住民が連携した社会体制の構築と専門的な知識を持ったスタッフの必要性を木戸先生は強調します。

 

 

取材日:2011年7月9日
医療法人社団喜生会 木戸クリニックの外観

医療法人社団喜生会 木戸クリニック


併設 介護老人保健施設サンセリテ
グループホーム ぬくもり

〒934-0053 富山県射水市朴木244番地
TEL:0766-82-7300

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