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大阪市内の中心で地域に根ざした医療を実践
<大阪府大阪市北区 加納総合病院 >

加納総合病院 院長 加納繁照先生 院長 加納繁照先生

大阪の天神橋筋商店街は一丁目から六丁目まで全長2.6kmの日本で一番長い商店街として知られています。この北端、「六丁目商店街」からさらに少し北に位置する加納総合病院では、地域に根ざした認知症医療を実践しています。

地域のニーズに答える認知症医療を充実

加納総合病院 脳神経外科 副院長 安田守孝先生 副院長 安田守孝先生

「天六(テンロク)」と呼ばれる天神橋筋六丁目のすぐ北に位置する加納総合病院(300床)。大阪駅までは3kmほどで、周辺に500~1000床規模の公立病院や有名な民間病院が数多く存在するなか、小回りが利く街の救急病院として、また地域に根ざした医療を実践する総合病院として住民からの信頼を集めています。救急センター、健康管理センター、リハビリテーションセンターやデイケアセンターを併せ持ち、グループで介護老人保健施設、介護老人福祉施設を運営するなど、疾患の早期発見、急性期治療から療養やリハビリ、さらに介護までを担うことができるのが同病院の強みです。

副院長の安田守孝先生は、脳神経外科医として16年前に着任して以来、急性期脳卒中などの治療に取り組んできました。認知症の診断・治療をはじめたきっかけは、手術で一命をとりとめ退院した患者さんが、数年たってから相談に訪れるケースが増えたこと。

「精神科を受診することに抵抗を感じる方も多く、『脳神経外科の医師を知っているから相談してみよう』と考えるようですね。当院では神経内科医の岡田隆之医師の協力も得て、更に認知症診療に力を入れたいと考えています。」と安田先生は語ります。

総合病院としての設備を活用した画像診断に加え、9年前から言語聴覚士を配置して高次脳機能検査を実施するなど認知症に本格的に取り組み始めました。他の神経疾患との鑑別が難しい初期の認知症については、神経内科医と連携して対応するほか、骨折や他の疾患がきっかけで来院した認知症患者に、入院医療と回復期のリハビリを提供できる体制も整っています。

加納総合病院 看護師 兼松美枝さん 看護師 兼松美枝さん

回復期リハビリ病棟の師長を務める看護師の兼松美枝さんは「転倒による骨折で入院されたアルツハイマー病の患者さんが、ご自分がけがをしたことも忘れてしまい、対応に苦慮したことがありますが、リハビリに取り組むなかで笑顔を取り戻し、慢性期の医療機関に笑顔で転院していかれた時は、嬉しかったですね」と語ります。

 

人に歴史あり~その人の過去にヒントがある

「画像診断や高次脳機能検査も重要ですが、何より大切なのは問診です」と安田先生は語ります。同病院では「もの忘れ外来」の枠を設けておらず、認知症の疑いのある患者さんだけ長い時間を取ることはできないので、初診では簡単な問診と血液検査、MRIの予約をして、後日、あらためて診察の時間を取っています。「初診では患者さんが一人で来られることもありますが、本人以外から生活の様子を聞くことも重要なので、2回目は必ず家族と一緒に来てもらうようにしています」(安田先生)。

診察にあたって安田先生が気をつけているのは、慢性硬膜下血腫、水頭症、甲状腺機能低下症などが原因で起こる「治る認知症」を見逃さないことです。

これらに該当しなければ、アルツハイマー病、脳血管性認知症などのタイプを診断して治療にあたりますが、大切にしているのは患者さんの生活史を知り、それを治療に生かすこと。仕事や趣味など患者さんの得意分野や積極的に取り組めることをベースにして、一人ひとりにあった治療方法を考えています。

「若いころにたしなんでいた俳句に取り組むことで、神経心理テストの点数が向上した患者さんもおられました。建具職人だった別の患者さんは跡継ぎの息子さんと一緒に老健施設の障子をきれいに張り替え、職員や他の利用者から高く評価された喜びで状態が良くなりました。認知症の患者さんは不安を抱えていることが多いので、認められる、褒められるという体験はとても重要です。塗り絵や折り紙なども、ただ作るだけでなく、人目につくところに展示することで、効果が高まりますね」(安田先生)。

 

家族との人間関係の大切さを実感

加納総合病院 言語聴覚士 小川れいさん 言語聴覚士 小川れいさん

「認知症では、家族のことを『第2の患者』と呼ぶことがあります。介護は家族にとって大きな負担となりますから、認知症についての正しい知識や対処法をご説明すること、悩みや不安に早く気づいて解消することも私たち医療スタッフの重要な役目です。しかし、医師には遠慮して本音を話さない家族も多くおられるので、看護師をはじめコメディカルスタッフのサポートが不可欠ですね」と安田先生は語ります。

言語聴覚士の小川れいさんも、「私が担当する検査の目的は、患者さんが何ができて何ができないかを探り治療に役立てることですが、ご家族にも、検査の結果をもとにご自宅での介護で具体的に気をつけることや、積極的に取り組むと良いことなどをお話ししています。すると、不安でいっぱいだったご家族も少し気が楽になるのでしょうか。その後の患者さんへの態度に余裕が生まれるような気がします。ご家族の相談にのることも大切な仕事ですね」と語ります。

認知症の患者さんは細かいエピソードは忘れていても、その時の感情は覚えていることが多く、筋の通らない主張に対して介護者がきつく当たってしまうと、「この人は敵だ」という感情が残ってしまうと安田先生は言います。

「理不尽な主張も一旦は受け入れて、寄り添ってあげるのが望ましいのですが、仕事や家事もあるご家族にとっては負担となりますし、発症前の人間関係によってご家族の気持ちも違いますから難しいですね」と安田先生は語ります。

先生にとって特に印象深かったのは、90歳代の母親を介護していた70歳代の男性。「恩返しは今しかできない」と、普通なら看護師や病院スタッフに任せるような身の回りの介助まで献身的に行っていたと言います。「しかし、息子さんは末期がんで、『あとは先生にお任せします』と大切なお母さんを私に託して、先に亡くなってしまいました。患者さんと家族の関係の大切さを深く考えるきっかけを与えてくれた大切な出会いでした」(安田先生)。

 

さらに充実した認知症医療を実現するために

世界初の庭の見えるMRI室 世界初の庭が見えるMRI室

加納総合病院が立地する天六界隈には独居老人も多いため、地域で子どもを育てるように、地域でお年寄りを支える仕組みが必要だと安田先生は言います。「この地域は50年、60年と長く暮らしている方が多く、隣人に付き添われて外来に来る方もいます。そんな、人と人との繋がりを認知症の治療やケアにも生かしていきたいですね」と安田先生。

同病院では地域連携室を設けて、病病・病診連携や介護支援に積極的に取り組んでおり、そのノウハウは認知症治療にも生かされています。また開業医むけの勉強会などにも積極的に取り組んでいます。

「現在、当病院では認知症患者さんが特に多いわけではありませんが、初診からじっくり問診ができるよう専門外来を設ける方向で検討中です」と安田先生は今後の展開を語ります。

地域に密着した医療をめざす加納総合病院らしい認知症医療の体制を築く取り組みは、これからも続いていきます。

 

 

取材日:2011年7月25日
加納総合病院正面外観

社会医療法人 協和会
加納総合病院


〒531-0041 大阪府大阪市北区天神橋7丁目5番15号
TEL:06-6351-5381(代)

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