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「歳相応の老い」を受け入れ、のんびり暮らせる環境をつくる
<兵庫県川西市 医療法人青心会 せいしん心療内科>

せいしん心療内科_医師_石島正嗣先生 院長 石島正嗣先生

高齢者がのんびりと暮らしやすい環境をつくるため、せいしん心療内科では内科医との連携づくりに取り組んでいます。また認知症患者さんをほったらかしにしない社会を充実させるべく、啓蒙活動にも力を注いでいます。

高齢者を対象とした心療内科クリニックとして広く地域で活動

せいしん心療内科_待合室 せいしん心療内科受付と待合室

石島正嗣先生は、精神科医として心療内科を開業し、うつ病・不安障害・パニック障害、老人性認知症、統合失調症などのほか、人生の悩み・不眠症なども対象に診療してきました。そして3年前、60歳以上の高齢者を対象としたせいしん心療内科を開設しました。1日に受診する患者さんは20~30人。そのうち8割が認知症の患者さんです。

同クリニックでは認知症の周辺症状をコントロールするための治療に力を入れています。例えば妄想やイライラ、一時的に興奮して怒り出すなどの問題行動に対しては、向精神薬などの使い方をアドバイスし、患者さんが自分らしい生活を維持できるようにサポートします。さらに通院の患者さんを診るだけでなく、クリニックの看護師が定期的に患者さんを訪問し、生活環境改善を含めたケアも行っています。

治療をはじめるにあたっては、患者さんの身体的な状態や病状を把握することと、ご家族や介護者からの情報収集を徹底して行います。特に日常の生活行動に関する情報を重視。患者さんが認知機能検査を受けている間に、時間をかけて丁寧に、ご家族や介護者から日常的な問題点を聞き出します。「特別なことはしていません。認知症の患者さんがどうしたら健康を維持しながら快適に、のんびりと暮らせるか。そこをサポートするための治療が必要です。だから連携が大切」(石島先生)。

石島先生が目指しているのは、認知症になっても安心して自分らしく暮らしていける環境づくりです。そのためには患者さんにとっても介護するご家族にとっても「必要なときに、さっと差し伸べられる手」のような制度や社会体制が不可欠だと言います。

 

社会の認知症に対する理解を深め、家族を支える

高齢の認知症患者さんのひとり暮らし、老々介護、介護者も認知症を発症している認認介護など、いざ、というときにご家族が対応できないケースが増えています。たとえご家族が身近にいても、地域包括支援センターや介護保険のケアマネジャーとの連携の取り方、制度の利用方法を知っているとは限りません。また介護者が認知症について理解できていないと、患者さんを叱ったり、力で押さえようとすることもあります。

石島先生は、これらの問題点を念頭に置き、問診時に患者さんだけではなく、ご家族のケアにも気を配ります。ご家族が困っていることや悩みを受け止め、介護に関するアドバイスや公的な制度、施設の紹介などを行っているほか、20年前から「老人を抱える家族の会 川西」をサポート。介護者の負担や悩みを軽減させ、介護環境を改善するために、周りの理解と介護者同士の交流を図っています。また、川西市医師会の精神保健担当として、電話相談にも応じ、個別の状況に合ったケアを提供しています。

さらに、川西市が市民に向けて行っている精神保健について理解を促す取り組みのなかで、市民への認知症の啓蒙のため、「出前講座」の講師としても活動しています。「啓蒙活動は大切。認知症患者さんがひとりで買い物をするような場合、店員が認知症についての知識があれば、適切な対応ができ、患者さんを興奮させることもありません。周りの理解が患者さんの生活環境を快適にするのです」(石島先生)。

 

身近な内科医をかかりつけ医として持つことの勧め

患者さんには日頃の健康相談ができる内科医を、かかりつけ医として持つことを勧めています。

「高齢の患者さんですから、認知症以外にも病気を併発することはよくあることです。そうしたときにも対応してもらえる内科医の存在は重要です。その内科医の先生に認知症の初期治療をしてもらうような体制を広げたいと考えています」(石島先生)。

石島先生が目指しているかかりつけ医との連携は、まず、かかりつけの内科医に普段の治療を続けてもらい、問題行動や拒食症など専門医の対応が必要となったとき、認知症専門病院あるいは専門医に連絡をし、しかるべき治療薬などの処方をしてもらいます。症状の安定化あるいは薬の副作用などがないことを認知症専門医が確認した後、患者さんは家から近いかかりつけの内科医のところで治療を続けます。その後は3~4ヵ月ごとに認知症専門医が診察し、フォローアップケアを行うというもの。そうすることで、患者さんはあちこちの病院を転々とすることもなく、日常生活を営みながら、よく知っている身近な医者のもとで治療が継続できるのです。

現在、せいしん心療内科では、それぞれの患者さんのかかりつけ医との連携がうまく機能しています。こうした医療施設、医師同士の連携を川西市全体として充実させていくことが必要だと石島先生は強調します。

 

高齢者の居場所をつくる

こうした認知症の高齢者への理解を社会全体で持つためには、高齢者の居場所をつくることも大切です。旅行がお好きな石島先生。中国の高齢者たちが三々五々公園に集まり、何をするでもなしに自由に過ごしている様子に注目し、「中国には日本のようなデイサービスは存在しないようですが、高齢者が集える公園などの施設が充実しています。 日本の社会全体に高齢者が自由に過ごせる場所が必要。でも、ほったらかしにするのではなく、社会全体で見守っていることが大事です。充実した福祉と、いざとなったらすっと手を差し伸べるような制度ができれば、歳をとることに否定的にならなくてもいいでしょう。今後問題になる独居高齢者認知症の患者さんが増えても、のんびりと安心して暮らせると思います」と言います。

 

アロングエイジングという考え方

また、「歳をとる」ことへの意識を変えることも必要です。メディアでも盛んに取り上げられる「アンチエイジング」への過剰な注目と憧憬にも問題があると石島先生は指摘します。歳とともに老い、のんびりと暮らすことを「良し」とする認識を持つことも大事であり、「アンチエイジング」より「アロングエイジング」を重視すべきだと言います。

アロングエイジングとは「年齢とともに老いていく」という考え方で、脳と身体が同じように歳をとることを理想としています。身体だけ元気でも脳(精神)が健康でないと自分らしい生活はできませんし、逆に脳(精神)は健康でも身体が健康でなければつらいものです。歳相応の気力体力であることを受け入れ、のんびり生きていける社会であれば、高齢者はもう少しゆったりと暮らせると言うのです。

「今は元気なお年寄り、若々しい高齢者に注目が集まりすぎています。歳をとれば動くのが億劫になって当然。縁側で猫を抱きながら、庭で遊ぶ孫の姿を見ている。これが高齢者の自然な姿です」(石島先生)。

石島先生は、歳をとることを否定せず、社会全体から見守られて、高齢になっても自分らしく、安心して暮らせる環境をつくるために、地域に根ざした活動に取り組んでいます。

 

 

取材日:2011年7月25日
せいしん心療内科の外観

医療法人青心会
せいしん心療内科


〒666-0016 兵庫県川西市中央町5-5大海ビル4F
TEL:072-757-4511

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