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認知症専門のクリニックとしてかかりつけ医の道しるべに
<福岡県福岡市 田北メモリーメンタルクリニック>

田北メモリーメンタルクリニック 院長 田北昌史先生 院長 田北昌史先生

田北メモリーメンタルクリニックは、交通至便な街中にある認知症専門のクリニックで、院長の田北昌史先生は、まだ認知症が痴呆症と呼ばれ治療薬も無かった頃から高齢者の治療に打ち込んできました。 今後、増加する一方の患者さんに対応するために、専門医はもちろん、地域のかかりつけ医の協力が不可欠と考え、講演など啓発活動や内科の先生のサポートにも力を入れています。

患者さんの8~9割が認知症という専門クリニック

地下鉄室見駅より徒歩2分。繁華街の天神にもほど近い街中にある田北メモリーメンタルクリニックは、平成20年に開院し、「メモリーメンタル」の名前が示す通り患者さんの8~9割が認知症という認知症専門のクリニックです。多くの患者さんは内科のかかりつけ医の紹介でクリニックの門をたたくと言います。 増加する一方の認知症の患者さんに対応するために、精神科病院より気軽に来院できるクリニックを開きたかったと語る院長の田北昌史先生に認知症の専門医となるきっかけを聞きました。

「精神科に入って2年目に先輩に連れられて精神神経科学会出席のために北欧へ行き、老人ホームなどの視察をする機会がありました。その老人ホームでは、男性はネクタイにスーツ姿、女性はきれいにお化粧していて、ワインを片手に夕食、と洒落ているのです。当時の日本の老人ホームとの差を痛感しましたね」と田北先生。 帰国後、専門医への道を歩むこととなりましたが、それが今から25年ぐらい前と言います。当然まだ痴呆症と呼ばれていて、専門の医師も少なかった時代ですが、来る高齢化社会を見越していた田北先生には、認知症はいずれ大きな社会問題になるのではないかという危機感がありました。

 

介護するご家族を受容することが患者さんの支えになる

診察では、患者さん本人よりご家族の話をじっくり聞き、たとえ介護状況に指摘すべき点があったとしても、ご家族の対応を非難するようなことはしないと言います。

「認知症の介護が注目を浴びるようになったのは、つい最近のことです。育児と違い、人類にとっても初めての経験と言えるのではないでしょうか。指導してくれる人が少なくノウハウも知られていません。そんな慣れない介護に奮闘するご家族の話をじっくり聞いてあげることが大切だと思っています。それだけで肩の荷が軽くなることもあります。介護するご家族をしっかり受容することは患者さんを支えることでもあります」と、田北先生。さらに、これからは、ご家族への経済的な裏付けも保障しなければいけないのではないかと、家族支援の制度への問題提起もしています。

 

かかりつけ医が認知症を診ることができる体制を

患者さんの数がますます増えていくということにどう対応するかが、今後の認知症治療の大きな課題で、専門医である精神科医の中でも、認知症の診療に携わる絶対数が足らないと先生は言います。 社会的なニーズが高いにもかかわらず、なかなか需要に見合うだけの数に増えない原因として、高齢者の場合は、高血圧症や糖尿病などの内科の疾患にも対応しなければならず、精神科の先生としては負担感が大きいのでは、と先生は指摘します。

「そこで、精神科と内科の連携が重要になってくるのです。さらに欲を言えば、その連携を通して、内科のかかりつけの先生方にもある程度認知症の早期発見にお力を借りたいと思っています。 そのためには、認知症診察のモチベーションを高めるような保険制度の後押しも必要ではないかと考えています」(田北先生)。

 

認知機能に影響する薬があることに注意喚起を

「最近、認知症の新薬が次々に開発され、選択の幅が広がったことを喜んでいます。特に貼り薬などデリバリーが異なる薬は服薬確認ができて助かりますね」と田北先生。 特に独居の患者さんの場合は、患者さんの服薬状況を確認する方法がなく、介護者が困ってしまうと言います。その点、目に見える形で確認できることが貼り薬のメリットと考えています。

BPSD(周辺症状)に対応する向精神薬などは、最終手段ですが、どうしても必要な場合があります。しかし、これらを処方する場合は、たとえ効果が少なくても、弱めの薬で最小限の量から始めるように心がけています。 高齢者は腎機能や肝機能の低下により、薬物の代謝が悪くなって体内に蓄積しやすく、薬物の血中濃度が上がって副作用などが起こりやすくなります。

「クリニックは、入院施設のある病院とは異なり、服薬後の患者さんの様子を見ておくことができません。帰宅された患者さんを守るためにも、効果より、副作用が出ない量を処方します。BPSD(周辺症状)は収まったが、ふらついて転倒し骨折して寝たきりになったというのでは、本末転倒です。そのため、ご家族にも、少しずつ効いてくるから効きめがないとあせらないようにと伝えています」(田北先生)。 投与後は随時症状を確認して量を調整し、症状が落ち着いたら減薬や投与の中止を検討することも大切ということです。

「また、かかりつけ医の先生方にぜひ知っておいていただきたいのは、比較的広く処方されている薬、いつも使っておられる薬の中に、認知症を招くものがあるということです」と田北先生。

ベンゾジアゼピン系の抗不安薬や睡眠導入薬、H2ブロッカー、抗コリン薬や抗コリン作用をもつ薬による認知機能低下が知られています。抗コリン作用を持つ薬には、気管支拡張薬、抗不整脈薬、抗ヒスタミン薬、鎮痛薬、降圧薬、パーキンソン病治療薬、コルチコステロイド、頻尿・尿失禁治療薬、抗潰瘍薬、向精神薬など様々な薬があり、身近な薬が原因になっていることもあります。

「患者さんが若い頃から長期間にわたり同じ処方を続けている薬を見直してみることも必要です。最近、認知症状が現れたと思う患者さんの中には、そういった薬を減量や中止するだけで症状が改善する方も少なくありません。高齢になり代謝機能が低下し、以前は出なかった副作用も強く出るのです。 物忘れが出てきたらまず処方している薬剤を見直すようお願いしたいですね」と田北先生。

 

かかりつけ医の役割が大きい早期発見

早期発見が重視されている現在、田北先生はかかりつけ医の役割に大いに期待しています。進行する病気である認知症にとって、発症前の患者さんを知っているかかりつけ医は、発症後との差に最も気づきやすい存在です。さらに、かかりつけ医は、家族の構成や歴史など患者さんの個人情報をよく知っているので、気になることがあれば、雑談として家族の話など個人的な質問をさりげなくすることができます。

「以前はそんなことなかったのに受付で靴を間違えて帰ったとか、前回の診察から3週間たったのにまだ薬があると主張するとか、来院する日を間違えるとか、そうしたささいな情報も手掛かりになり、少し様子がおかしいなと感じることができるのが、かかりつけの先生です。そんな時に、"そういえば、息子さんお元気ですか?お名前は何とおっしゃいましたっけ?今、どこにお住まいでしたか?"など、こちらが知っている情報をさりげなく尋ねることができます」

患者さんの情報を活かして早期発見につなげてほしい、そのためにも、これからも地域のかかりつけの先生方と認知症の勉強をつづけていきたいと、先生は笑顔で語ります。

 

 

取材日:2011年7月11日
田北メモリーメンタルクリニックの外観

田北メモリーメンタルクリニック


〒814-0015 福岡県福岡市早良区室見5-13-8
TEL:092-832-6025

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