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ひとりひとりの「ヒストリー」から的確な診療を導く
<長野県上田市 宮下医院>

宮下医院 院長 宮下暢夫先生 院長 宮下暢夫先生

江戸時代中期から7代続く宮下医院は、信州は上田城のほど近くに位置する、胃腸科・神経内科を標榜するクリニックです。長年の実績とノウハウを携えて自らの専門である神経内科を2007年に併設したのが、7代目の宮下暢夫先生。「総合病院と同等レベルの診療をめざしたい」と言う通り、オープン型MRIやレントゲンなど最先端設備を完備しながらも、聞き取りにはじっくりと時間をかけるという、総合病院と町医者の良さを兼ね備えたクリニックです。

あたたかな木のぬくもりでお出迎え

宮下医院 事務受付 井出明子さん 受付事務 井出明子さん

「まずは、不安な気持ちでいらっしゃる患者さんやご家族が緊張されないように、あたたかく出迎えたい」と言う宮下先生の思いは、クリニックに一歩入った瞬間から感じられます。アーチ型に組まれた木造りの中央廊下は、斬新なデザインながら、木の香りと丸みを帯びたフォルムが自然と来院者の心を解きほぐし、診療室にも木をふんだんに使うことで、リラックスしながら診察を受けられるよう、配慮されています。

緊張を解きほぐすのは、木の香りだけではありません。「まず患者さんや付き添いの方が会うのが、私たち受付スタッフ。話しかけてくださる場合には、不愉快な思いをさせないように、笑顔ではっきりとお話しするように心掛けています」と話すのは、受付事務を担当している井出明子さんです。

リラックスできる空間と笑顔のスタッフ、そしてオープン型MRIやレントゲン、超音波診断といった最先端の設備が備わっていることも同院の特長のひとつですが、「患者さんやご家族がお帰りになるとき、『こんなにちゃんと聞いてくれたお医者様は初めてだ』とよく言ってくださる」(井出さん)と言う通り、時間をかけて患者さんと向き合う診療姿勢こそが、同院の最大の特長です。

 

患者さん個々人の背景を正確に知ることが第一歩

平均30分~1時間。これが検査以外の、新規の患者さんの平均的な診療時間です。緊急の場合をのぞいて約1カ月の予約待ちという人気の同院ゆえ、「待ってくださっている方には申し訳ない思いです・・・。ただ、きちんと治療してさしあげるためには、時間をかけてしっかりと患者さんの思いを知ることが大切なのです」(宮下先生)。MRIなどの検査は一通り行うものの、「一番大事なのは、患者さんひとりひとりの背景、ヒストリー」と断言。患者さん本人はもちろん、患者さんの日常生活をよく知るご家族にも来てもらい、独居なのか、誰かと暮らしているのか、どういう生活をしていて今どんな症状が現れているのか、何が一番問題なのか、どういった生活上の支障があるのか、そして何を望んでいるのかといった、検査には出てこない「ヒストリー」を双方からじっくりと聞いていきます。

「検査だけで病名をつけることはありません。しっかりと背景を知り、ご本人やご家族の思いをお話しいただくことが一番重要。検査データも重要ですが、あくまで診断の補足として行うにすぎません」(宮下先生)。

 

話し合いを重ねることで変化する患者さんも

宮下医院 看護師 中村洋子さん 看護師 中村洋子さん

話し合いに重点を置いた診療方針は、的確に、確実に診断をつけられる利点があります。「認知症の種類によって、対応がまったく変わってきますから。場合によっては外科に紹介することもあるし、ケアスタッフの力を借りて、ご家族の接し方をアドバイスすることもあります」(宮下先生)。

入念な聞き取り調査の結果、BPSD(周辺症状)を引き起こしている原因を見極め、解決につながることも多々あります。さらに、「アルツハイマー病のBPSDだと思っていたら、実はレビー小体型認知症(DLB)だったという場合もあります。他科で薬をたくさん処方されて、その副作用でBPSDが起きているとわかった場合には、その薬をやめればよくなるわけですから」と、患者さんを取り巻く環境や病歴・薬の服用歴といった背景まで知ることの重要性を宮下先生は強調します。

また、ご家族に勧められて渋々診療を受けにきた患者さんの態度や病気との向き合い方が変わってくるのも、徹底的に話を聞き、しっかり説明をする同院の姿勢が功を奏することのひとつです。

「自分はたいしたことない」「薬なんて飲まない」とかたくなだった人が、宮下先生と話をしていくうちに納得顔になり、「やっぱり物忘れが始まってるんだな・・・。その薬、使ってみようかな」などと徐々に態度がやわらいでいく場合も。「先生の説明は、わかりやすい。患者さんに理解しやすい言葉を選んでいる。検査の意味や結果もしっかり説明されているから、『先生と話をするだけで元気が出る』と言われる患者さんの言葉を何度も聞きました」と話すのは、同院に来て半年足らずだという看護師の中村洋子さん。もともと別の医療機関に勤めていた中村さんは、同院の診療内容や評判などを知り、「ぜひここで働きたい」と自ら志願してきたという経歴の持ち主で、「しっかり話を聞く」という宮下先生の教えを忠実に遂行する看護師の一人です。

 

「住み慣れたところで患者さんが過ごせる体制づくり」に尽力

上田市を中心とした、いわゆる“上小地域”には、医療・介護・福祉関係者が連携する「物忘れネットワーク」があり、この地に戻ってすぐに入会した宮下先生は、今では代表を務めるほど積極的に関わっています。

「わざわざうちの医院にお見えになっても、やがては皆さん地元に戻っていかれるし、住み慣れたところで過ごすのが患者さんにとってもベストです。そんなときにきちんと相談する相手が必要。『あの地域ならここにこういうケアマネジャーさんがいますよ』などと紹介してあげたい。認知症に携わる者同士の連携ができていれば、地元に戻った患者さんがうまくやっていける力添えができるのです」(宮下先生)。

ただ、同ネットワーク主催の勉強会や情報交換会に参加するのは、福祉・介護関係者が多く、参加している医師は限られている、と言います。

「どのドクターも自分の地域では一所懸命、認知症患者さんと向き合っているのですが、連携となるとなかなか・・・。認知症は誰でもなり得る病気ですから、患者さんが住み慣れた土地で、地域の支えを受けながら快適に暮らしていけるよう、ドクター間の連携、ケアマネジャーさん、行政との関係づくりを進めたい」と、さらなるネットワークづくりにまい進している宮下先生です。

 

どんな規模でも、総合病院並みのクオリティーで

長年、千葉や埼玉で神経内科部長などを歴任してきた宮下先生は、「大きな病院であっても、小さな診療所や個人医院であっても、診療のレベルは同じであるべき」をモットーに地元に戻ってきました。神経内科併設の際に導入した最先端設備で総合病院並みの検査体制を整える一方で、時間をかけ、とことん患者さんと向き合う診療で、重度認知症患者さんの排泄の問題を改善するなど、めざましい成果を上げています。総合病院の最先端技術とクリニックのきめ細かな対応の双方を取り入れたのは、ひとえに「認知症とひとくくりにせず、きめ細かに、それぞれの患者さんの背景を知り、正確な診断をし、一刻でも早く、きちんと治療してさしあげたい」という思いからです。

スタッフの方々の穏やかな、まさに家族に向けるようなまなざしが、患者さんの心を解きほぐし、ご家族に寄り添う診療につながっています。

 

 

取材日:2011年7月27日
アーチ型に組まれた木造りの中央廊下アーチ型に組まれた木造りの中央廊下

宮下医院


〒386-0023
長野県上田市中央西1-15-12
TEL:0268-22-4328

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