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認知症介護には家族への快適なサポートが必要
<三重県鈴鹿市 ますずがわ神経内科クリニック>

ますずがわ神経内科クリニック 院長 真鈴川聡先生 院長 真鈴川聡先生

2006年に三重県鈴鹿市で開業したますずがわ神経内科クリニックでは、高齢者を中心に、若年性認知症も含めた多くの認知症患者さんの診察を行っています。神経内科の病気は完治しないことが多いからこそ、患者さん本人やご家族が病気と上手に付き合い、共に歩むことが大切です。真鈴川聡先生は、中核病院や診療所、介護施設とも密接な連携をとりながらサポートし、快適な環境を提供しようと力を注いでいます。

患者さんの日常に寄り添う医療を目指して

真鈴川聡先生は、三重大学医学部附属病院、三重県立志摩病院、鈴鹿中央総合病院などで約20年の勤務経験を経て、ますずがわ神経内科クリニックを開業しました。開業医の道を選んだ理由は「総合病院では、どうしても患者さんとの距離が遠く、普段の姿に接したり、本当に困っているところに踏み込むのは難しい面がありました。完治しない疾患が多い神経内科としては、もっと患者さんの生活する場の近くで医療を実践したいと感じたからです」(真鈴川先生)。

疾患を抱えた患者さんやご家族に、少しでも安心できる快適な医療サポートを提供したいという真鈴川先生の思いの詰まったクリニックは、院内全てバリアフリー、建物の外観から内装まで木の香りが漂う北欧風の心地よい空間になっています。

同クリニックのある鈴鹿市や周辺地域は大企業の工場などもあり、人口比率でみても比較的若い人が多い地域です。同クリニックの患者さんも、高齢の方と若い方が約半数ずつ、認知症の患者さんは全体の4人に1人です。診診連携を密に行っているため紹介患者さんも多く、特に若年性認知症に関しては地域内で診療できる医療機関が他にないため多いのが現状です。

 

まずはじっくり話を聞き、納得がいくまで説明する

初診時にはまず看護スタッフが、1時間程度をかけて患者さんとご家族から状況を聞きます。患者さんご本人が症状を自覚していない場合も多いので、ご家族から事前に、症状が認められ始めた時期、現在の状況や一番困っていること、今後の希望などの情報収集を行うようにしています。

そして神経学的所見をチェックし、頭部CTや簡易高次脳機能検査(MMSE(認知機能検査)、時計描画テスト(CDT)、BPSD(周辺症状)の評価等)を行います。精密検査が必要な場合も、塩川病院や鈴鹿中央総合病院との連携により、数日以内に、精密な画像診断を実現しています。

認知症の治療においてはご家族の理解が重要になるため、診断がついた最初の段階で十分な説明を行うようにしています。「ご家族には、認知症は治る病気ではないと、まず話すようにしています。薬の効果はおよそ半年から1年くらいはあるので、その貴重な期間を、ご家族が認知症という病気について理解し、環境を整える時間にあてていただきます。認知症は短期記憶に障害がある疾患であり、問題行動が起こるのは当たり前だということ、基本的にはそのまま受け入れ、訂正、否定、叱責、説得、説明はしないようにしましょうと説明します。その上で患者さんとご家族の環境整備を勧めます。例えば、在宅介護を維持するための介護保険の利用、デイサービスなどの社会資源の積極的な利用などです。介護保険受給のために必要な訪問調査についても、患者さん本人だけが調査対象なのではなく、ご家族が調査員に対して熱意をもって説明する必要性があることなどをお話しします」(真鈴川先生)。

 

診断時に気をつけている点と患者さんに合わせた薬物の選択

真鈴川先生は、初診だけで診断を決めつけないようにしていると言います。「診断にはある程度揺らぎが必要です。最初の診断に基づき治療を開始しても、フォローしていくなかで異なる疾患の症状が認められ、最初の診断が間違っていたということもあります。例えば、総合病院などでアルツハイマー病と診断され紹介されてきた患者さんが実はうつ病で、うつ病に対する薬物治療の結果、今は普通の生活を送っている人もいます」(真鈴川先生)。

また、真鈴川先生は東洋医学の専門医の資格もお持ちです。認知症の問題行動(BPSD:周辺症状)がみられる患者さんには、西洋医学と東洋医学をうまく織り交ぜながら、その患者さんとご家族にとってベストな治療方法を常に考えています。徘徊や妄想、攻撃的行動、不潔行為、異食などがみられる場合には「第一に、BPSDが出る状況をご家族から確認し、状況を改善するために家庭環境を含めた対応策を考えます。二番目に漢方薬、三番目に抗精神病薬の使用を考えるようにしています。漢方薬はあまり強い効果はない反面、副作用が少ないのが特徴で、そのときの患者さんの状態に合わせて適切に処方します。それでも効果がみられない場合に初めて抗精神病薬を処方します。その際、抗精神病薬には転倒、骨折、誤嚥、肺炎などのリスクがあることを説明します」(真鈴川先生)。

 

信頼して任せられる看護度の高さ

同クリニックの看護スタッフは5名ですが、総合病院で師長や副師長をしていた方が多いそうです。「当クリニックは、開院当初から看護レベルが非常に高く、検査や説明など、信頼して任せている部分も多いです」と真鈴川先生は言います。

実際に、MMSEなどの簡易高次脳機能検査を行っているのは看護スタッフです。看護スタッフはヒアリングした内容や検査結果を電子カルテに書き込み、先生と一緒に説明内容の方針を決めます。患者さんやご家族へ説明したあともその反応をフィードバックし、何度もディスカッションを重ね、患者さんやご家族にとって一番いいサポートは何かを常に追求しています。

例えば、診断結果を先生が話したあと、ご家族のなかには現実を受け入れられず戸惑いを見せたり、泣き出してしまうこともあります。そのときは看護スタッフが不安な点を伺い、今後の対応についてスタッフ間でディスカッションを行った上で、さらに説明します。介護を行うご家族の方が疲れて倒れてしまわないよう、ご家族からの訴えもよく聞きます。さらに問題点があれば担当のケアマネジャーとも連携をとりながら、個々人に合った適切な対応をしています。

 

地域医療への貢献と介護スタッフとの連携

真鈴川先生は、地域の神経内科医として、鈴鹿市全体の医療向上のために院外での活動も積極的に行っています。鈴鹿亀山地区では広域連合を組んでおり、そのなかで活動するケアマネジャーなどを対象に定期的に勉強会を開いています。先生はその勉強会で講師を務めるほか、地域の医師会での勉強会、市民講座の講師、三重大学での講義も行っています。

また真鈴川先生は、インターネットを活用し、地域の介護スタッフと情報を共有しています。例えば、セキュリティが担保された掲示板やカレンダー、ファイルに、同じ患者さんに関わる看護・介護スタッフがアクセスできるようにし、スタッフ全員が訪問時の状況などを書き込むことにより、患者さんの情報を共有する取り組みを行っています。「患者さんひとりひとりとより深く付き合い、適切な対応をするためには、医療と介護の連携が必要です。患者さんに関わるスタッフがチームとして連携できるような環境作りを目指しています」(真鈴川先生)。

医者ができることには限りがあり、治せない病気もたくさんあります。そのなかでも患者さんやご家族に寄り添って、少しでも気持ちよく生活できるように手助けすることは、どんな状況においても可能だという真鈴川先生。「認知症は現在の医学では治りません。老化現象のひとつであり、日本人の寿命が延びてきたことによる当然の帰結だとも言えるでしょう。病気に対峙するというより、いかに付き合っていくかが重要です。いずれはわが身かもしれないという気持ちをもって、優しく、適切に、上手に接すれば、介護する側も楽になります」(真鈴川先生)。真鈴川先生は、患者さん本人とご家族が気持ち良く生活できるようサポートすることが大切であると考えています。

 

 

取材日:2011年7月21日
ますずがわ神経内科クリニックの外観

ますずがわ神経内科クリニック


〒513-0802
三重県鈴鹿市飯野寺家町817-3
TEL:059-369-0001

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