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患者さんへのケアや診断ツールの拡充で高精度の診断を
<鳥取県米子市 医療法人聡智会 さくま内科・脳神経内科クリニック>

院長 佐久間研司先生 院長 佐久間研司先生

鳥取県米子市にあるさくま内科・脳神経内科クリニックは、この地域では珍しい神経内科専門のクリニックです。診断、治療、介護アドバイスを含め、ワンストップで診療を完結させることを目指しており、常に最新の診療ツールの導入やパラメディカルの研修にも力を入れると共に、認知症診療の未来を見据えた取り組みを続けています。

日本を代表する認知症研究者との出会いが原点に

「認知症診療に興味を持ったきっかけは、鳥取大学で研修医をしていた時の指導医との出会いだった」と佐久間研司先生は語ります。その指導医とは、現在、日本の認知症治療の第一人者として活躍している鳥取大学教授の浦上克哉先生。佐久間先生が研修医だった当時、まだ抗認知症薬はなく、BPSD(周辺症状)への対応も暗中模索な状態だったとのこと。そんななかで、認知症研究グループのリーダーを務めていた浦上先生の研究に身近に触れているうちに、認知症診療に深い関心を持ち、志すようになったと言います。

大学院で神経生理学を専攻した佐久間先生は、アルツハイマー病における嗅覚障害を客観的に評価できる手法の確立に貢献。その後20年たった現在、アルツハイマー病の嗅覚障害は世界的に高い関心が寄せられている研究分野となっています。その後、英国留学を経て鳥取大学に戻った佐久間先生は、診療を行うかたわら、医局の神経生理学研究グループのリーダーとして後進を指導。軽度認知症状態での大脳皮質アセチルコリンサーキットを非侵襲的に評価するための研究も行いました。

こうした研究活動を通して臨床現場でのスキルアップを重ねた佐久間先生は、2009年にさくま内科・脳神経内科クリニックを開業しました。現在、診療のかたわらで積極的に取り組んでいるのが、認知症に対するリハビリ治療効果の研究です。これまでの同分野の研究はエビデンスレベルの低いものがほとんどでした。「認知機能のアップという視点では、なかなか実証の難しい命題だとは思っています」と佐久間先生。しかしながら、「違った視点での治療目標をゴールに設定すれば、認知症に対するリハビリは素晴らしい効果を期待することができる」と考え、認知症治療の発展に寄与するべくデータの蓄積を続けています。

 

神経内科専門クリニックとして高精度の診断を目指す

同クリニックは、認知症をはじめ、頭痛、脳梗塞、パーキンソン病など神経内科全般の診療を行っています。神経内科単科クリニックとして近隣の開業医の先生から認知症の診断・治療に関する相談を受けることも多いと語る佐久間先生。

「的確でない診断は患者さんの不利益に直結しますので、診断には細心の注意を払い、精度を維持するように努めています」。少しでも疑問点があればさらに検査を進め、場合によっては数カ月の経過観察を置くこともあると言います。また、基幹病院と連携を密に取り、病院でしかできない検査を依頼していますが、そのタイミングを見誤らないよう気を付けているそうです。

現在200名ほどの認知症患者さんのフォローを行っている同クリニックでは、より精度の高い診断を行うために診療ツールの拡充を図っています。画像検査、血液検査、神経心理検査、脳波検査などを必要に応じてセレクトし、当日のうちに行えると語る佐久間先生。

「神経心理検査では、MMSE(認知機能検査)、HDS-Rの他に、BFB(脳機能評価バッテリー)、SDS(うつ性自己評価尺度)、失認失行スクリーニングを随時行っています」と言います。さらに、必要に応じてRey Complex Figure Test(レイ複合体像テスト)やWAIS-Ⅲ(ウェクスラー式知能検査)が可能な態勢を整えていることは特筆すべき特徴となっています。

 

先生と治療スタッフとの連携で質の高い治療を提供

診療ツールの拡充とともに同クリニックが注力しているのが、佐久間先生とスタッフとの連携です。
「もの忘れを主訴に受診する患者さんに対しては、初診でも再診でも、はじめに20~30分かけて看護師がゆっくり問診を行います」と言う佐久間先生。これは、まずは患者さんやご家族の緊張を和らげ、あらかじめ問題点を抽出しておくことにより、限られた時間のなかでより質の高い診療を提供するための取り組みだと言います。患者さんの症状が中核症状なのかBPSD(周辺症状)なのかによって治療方針が変わってくるため、診察時の看護師さんの問診が重要な役割を占めています。

「先生がいつもお話しされていますが、認知症の治療には、患者さんを中心に医療者、介護者、ご家族がうまくバランスを取って進めていくことが重要です。ですから、問診によって患者さんやご家族と先生の“情報共有の橋渡し”をするのも私たち看護師の大切な役割です」と語るのは看護師の矢田貝優子さん。

また、同じく看護師の池上智子さんは、「普段から、患者さんやご家族がどんなことでも話しやすいような雰囲気をつくるよう心掛けています。問診以外にも何気ない会話や声掛けを心掛けることで、問診や先生への橋渡しが円滑にいくように努めています」と言います。

問診の際に認知症を見逃さないよう、看護師さんは佐久間先生による講義や研修を受けているそうです。問診のポイントをしっかり把握した上で情報収集を行うトレーニングを受けており、診療の一連の流れのなかで重要な役割を担っています。来院した患者さんに最初に接するレセプショニストの村尾優子さんを含め、同クリニックでは全員が一丸となって、患者さんが来院しやすく、質の高い治療を提供できるクリニックを目指しています。

 

地域との連携により多角的に患者さんをケア

「院内にいる医師、看護師、検査技師、リハビリスタッフ、受付事務スタッフの連携も重要ですが、患者さん、ご家族、医療、介護という院外も含めた連携も重要です」と佐久間先生は語ります。そのため、地域の介護スタッフ、患者さんのご家族、医療関係者に向けて定期的に講演を行うことで、目に見える形での連携を深めるよう取り組んでいるそうです。

こうした連携を重視するのは、認知症が他の疾患と異なり、病態のみの治療だけでなく、患者さんが属している環境に目を配る必要があるためです。同クリニックがある地域の特性として、独居の認知症患者さんが多いことが挙げられると言います。また、「家族と同居していても日中はひとりで留守番をするため独居と変わらない」という患者さんが多いのは他の地域でも同様に抱えている課題です。これらの課題解決のために、同クリニックでは介護保険の対象であれば申請手続きや受けられるサービスについてなどのアドバイスを行うと共に、ケアマネジャーとの連携を通して家庭内での問題点を適切に抽出しています。また、医師会の在宅ケア部会を通じて、行政やリハビリ施設、歯科医院など多方面との連携にも努めていると言います。

 

認知症診療の未来を見据えて

開院から2年半。当初は他の診療所と変わりのない診察ツールを使って診療をスタートした同クリニックも、スタッフのスキルアップやツールの拡充で、今や大学病院勤務時代をしのぐほどに充実した態勢で認知症の診断が行えるまでになりました。加えて、地域連携などにも積極的に取り組んできました。それでもなお、課題が多いのが認知症診療です。しかし、この疾患に取り組むやりがいについて佐久間先生はこう語ります。

「認知症診療は非常に難しいものですが、診断、治療、行政との関わり、ご家族へのアドバイスなど、神経内科の診療に必要となる要素をすべて含んでいるという点では大変やりがいがあると思います。一番のやりがいは、経験を積みスキルアップすればするほどその成果が診療の質に結びつき、患者さんの満足度を実感できることです」

今後はより水準の高い認知症診療が求められるようになり、「近い将来には発症前診断、発症前治療の時代がくる」と予測する佐久間先生。そうした時代が来るまでは、認知症の的確な診断と地域住民の方々の健康管理を日々、地道に、真摯に行っていくことが重要だと感じています。

 

取材日:2011年8月22日

さくま内科・脳神経クリニックの外観

医療法人聡智会 さくま内科・脳神経内科クリニック


〒683-0033
鳥取県米子市長砂町59-1
TEL:0859-30-2000

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