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PETによる早期診断で地域連携の要に
<山梨県甲府市 医療法人篠原会 甲府脳神経外科病院>

院長 篠原豊明先生 院長 篠原豊明先生

脳卒中などの脳血管障害を中心に診療を行ってきた医療法人篠原会甲府脳神経外科病院は、2004年にPETセンターを開設。癌の早期発見および認知症診断に活用しています。また、脳神経外科として認知症の鑑別診断の重要性を訴え、早期診断・早期治療のための啓発活動を続けながら地域ネットワークの構築を目指しています。

脳の専門家として「治せる認知症」の発見に注力

PETにより早期発見・早期治療、正確な鑑別診断を実現 PETにより早期発見・早期治療、
正確な鑑別診断を実現

アルツハイマー病をはじめとした認知症の早期発見や鑑別診断に有効な手段としてPET検査が注目されています。日本国内で数少ないPET検査による認知症診断に力を入れているのが甲府脳神経外科病院です。

脳神経外科の専門病院として開設された同院では、脳疾患の一つとして認知症の診断・治療を行ってきました。

現在では近隣の開業医などからも認知症の患者さんが紹介され、認知症の早期発見・早期治療の地域連携の要となりつつあります。

「紹介でいらした患者さんを検査すると、認知症のような症状が出ていても、原因疾患が異なるため本当の認知症ではない方がいらっしゃいます」と院長の篠原豊明先生は言います。

いわゆる『治る認知症』と呼ばれているもので、認知症と言われている患者さんの12~13%くらいが該当します。その中には、慢性硬膜下血腫や良性の脳腫瘍、正常圧水頭症など脳外科手術で治療できるものがあるため、脳疾患を専門とする同院では早期治療に力を入れています。

また、「認知症は廃用症候群である」という論理からも早期発見が重要だと篠原先生は言います。リハビリなどで脳の働きを活性化させることで、必ずしも典型的な認知症にならなくて済む場合があるからです。

「典型的な認知症になってしまうと、ご家族も疲れ果てて精根尽きてしまう場合があります。しかし、認知症の入り口にいるうちなら、ご家族もなんとか進行を食い止めようと一生懸命になられます。早期発見は患者さんにとってもご家族にとっても大きなプラスになります」と篠原先生は語ります。

 

MMSE、MRI、PET を組み合わせた診断・鑑別

言語聴覚士 相崎彩子さん 言語聴覚士 相崎彩子さん

同院には毎日30~40名ほどの初診の患者さんが来院し、そのうちの約1割に、記憶障害などなんらかの認知症の症状がみられます。

問診で認知症の疑いのある患者さんに対しては、MRI検査と同時に、MMSE(認知機能検査)やかなひろいテストなどの簡単な知能検査を実施します。検査を行う際には、症状の軽度・重度にかかわらず細やかな気遣いが必要になります。

「軽度の患者さんの場合は、自分が認知症であるかどうか非常に気にされるため、心配されないような言い方で進めるよう気を付けます。重度の方の場合は課題を理解されることがまず難しいので、できるだけ簡単な言い回しで行うようにしています」と語るのは、言語聴覚士として10年のキャリアを持つ相崎彩子さん。患者さんの言語のリハビリを担当すると共に、「今後は認知症にもどんどん関わっていきたい」と語ります。

MMSE(認知機能検査)を行い認知症と診断された後、患者さんへの説明を行い了解を得てからPET検査を行います。これまでに600例近くの認知症診断を行ってきた実績から、「PET検査は、より正確な認知症診断のために必要なものという認識を深めた」と語る篠原先生。

PETによって脳の血流や脳の代謝(ブドウ糖消費量)を把握することは、認知症の診断に大きく寄与します。さらに、認知症は大きく4つのタイプに分類されますが、その正確な鑑別にもPET検査が有効だと言います。一般的なのはアルツハイマー型ですが、この他に、レビー小体型、脳血管性型、前頭側頭型(ピック病)があります。このうち、MRIやCTでは分かりにくいレビー小体型と前頭側頭型も、PET検査によってある程度分類することができます。

「必ずしも、『脳の委縮=認知症』とは限らないため、MRIとPETを併用することで4種類の認知症を分類することができる」と篠原先生は自身の経験から語ります。

 

画像診断の強みを活かし地域連携の構築を目指す

矢崎医院 矢崎考二先生 矢崎医院 矢崎考二先生

同院では、脳神経外科として長年培ってきた経験・実績と、高度な画像診断が可能という強みを活かし、認知症治療の地域連携の構築を目指しています。

「軽度の認知症の場合は精神科よりもむしろ神経内科の先生の方が診る機会が多いのではないかということで、当院から開業された神経内科の先生とも緊密に連携を取り合っており、そこからネットワークを広げていこうとしているところです」と篠原先生。

矢崎医院の矢崎考二先生は神経内科医として甲府脳神経外科病院に以前勤務しておられ、現在は同医院で活躍されています。

「認知症は早期発見・早期治療が大切だと言われているにもかかわらず、なかなか難しいというのが現状です。神経内科の専門性と、内科の敷居の低さを活かして、患者さんが気軽にかかれるクリニックを目指しています」と言う矢崎先生。小さなクリニックだとどうしても難しい、詳しい検査や画像診断は甲府脳神経外科病院に依頼する形をとっています。そして、診断後の治療は自身のクリニックでまた行うという形で医療連携を深めています。

認知症患者さんのご家族が安心して介護や在宅医療に取り組めるよう、ケアマネジャーや民生委員、行政などと連携し、総合的な支援体制を構築している矢崎医院。今後、甲府脳神経外科病院に期待することは、「認知症の正確な診断には、より高い技術が必要となってくるため、甲府脳神経外科病院が中心となって認知症の診断治療のネットワークを広げていければと思っています。当医院は、他の開業医さんや患者さんと、認知症専門医(甲府脳神経外科病院)の橋渡しをする窓口としての役割を担っていきたいと考えています」(矢崎先生)。

 

甲府の地に息づく認知症治療ネットワークの「芽」

認知症治療の地域連携の要として期待がかかる甲府脳神経外科病院では、認知症の早期発見・早期治療および鑑別診断の重要性を啓発する取り組みを行っています。

2012年には、第13回早期認知症学会が甲府で開催されることになり、篠原先生が会長を務めます。早期認知症学会とは、かなひろいテストを考案した金子クリニック、浜松早期認知症研究所の金子満雄先生を理事として創設された学会です。早期認知症の診断、予防、治療の向上と、認知症に関する知識の普及と理解を一般社会に啓発することを目標としています。

「学会の趣旨は研究発表ですが、著名な先生を講師としてお招きし、魅力ある学会にしたいと考えています」と会長としての意気込みを語る篠原先生は、「来年の学会が契機になれば」という期待を抱いています。

学会と言うとどうしても敷居が高い印象がありますが、同学会では市民公開講座を開催するなど裾野を広げる努力をしています。ケースワーカーや看護師、認知症患者さんのご家族をはじめ、一般の方も気軽に参加できる形を取っているのが特徴です。

「甲府市では、認知症パスのような組織化を行う土壌がまだできていないのが課題です。しかし、新しい薬が登場し、治療の選択肢も増えてきましたので、認知症の認知度は上がってきていると実感しています。治せる患者さんを絶対に見逃さないためには、早期発見と詳細な鑑別、そして、『絶対に治すぞ』という気持ちが大事だと思います」と熱心に語る篠原先生。

甲府に息づく認知症治療への想いと、地域ネットワークの「芽」は、少しずつ、しかし確実に成長しつつあります。

 

 

取材日:2011年8月11日
甲府脳神経外科の外観

医療法人篠原会 甲府脳神経外科病院


〒400-0805
山梨県甲府市酒折1丁目16-18
TEL:055-235-0995

施設のホームページへ

 

矢崎医院の外観

矢崎医院


〒400-0814
山梨県甲府市上阿原町601-3
TEL:055-233-7222

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