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また来たいと思うようなおもてなし
<徳島県那賀郡 那賀町国民健康保険 日野谷診療所>

日野谷診療所_医師_濱田邦美先生 院長 濱田邦美先生

地域の医療と介護を支える日野谷診療所。目標は、患者さんがまた訪れたいと思ってくれるような場所。そのために、患者さんはもちろんスタッフも一緒に楽しめることを目指して、先生とスタッフが全員で協力して、認知症の治療とケアにあたっています。

どんな病気も診察する地域の医療の拠点

徳島県中部を流れる那賀川のほとりに、日野谷診療所はあります。ここは那賀町の包括ケアセンターとして、診療所に加え、保健センター、地域包括支援センター、訪問介護・看護ステーションといった施設が一体となって運営されています。医療、保健、介護の複合拠点となる、この地域に住む人々にとってなくてはならない施設です。

院長の濱田邦美先生は、1994年に日野谷診療所に赴任してきました。当時、この地域は、町内に入院できる施設は皆無で、夜間・休日になると医師もいなくなるという医療過疎地帯でした。濱田先生は、「ほとんどゼロからのスタート。まずは、医療のインフラを整備することから始めなくてはなりませんでした」と言います。そこで、診療所の運営改善、保健センターなどを統合した包括ケアセンターをつくり、これにより、病気による死亡率が低下したり、介護保険の利用率が低下したりする効果がありました。

現在、日野谷診療所を訪れる患者さんは1日におよそ150人。認知症の患者さんの受診も多く、デイケア利用者の方を含めておよそ30人の患者さんが利用されています。

日野谷診療所のような山間部の診療所では、どんな病気でも診察しなくてはいけません。外科医を目指して医師になった濱田先生ですが、訪れる患者さんの期待に応えようと、幅広い病気の治療にあたっています。

 

認知症の診断はスコアテストと画像診断で客観的に

認知症の診断について、濱田先生は「認知症の疑いがある患者さんに対して、これは認知症だろうと、主観的に診断してしまうとよくない。あくまで、客観的に診断することが大前提です」と言います。

そこで日野谷診療所では、「国立精研式認知症テスト」というスコアテストと画像診断を併用し、認知症の診断をしています。画像診断としてはCTを有効利用しています。

認知症と診断された場合、濱田先生は、患者さんとご家族にはっきりと病名を告知することを原則としています。それは、「認知症を隠すことで、治療にプラスになることは何ひとつない」という考えからです。

その上で、今の患者さんの状態を伝え、認知症の薬など治療方法について説明し、この症状は治せる可能性がありますので、積極的に治していきましょう、と常にプラスに考えて治療をしていくことを心がけています。

 

ご家族がハッピーになるという目標は妥協しない

また、認知症はご家族の苦労も大きくなります。ですから、ご家族に病気や治療の説明をすることも欠かせません。とはいえ、認知症という病気は、ご家族にとってもなかなか受け入れにくいものです。そこで、濱田先生は、ご家族が受け入れられるまで、繰り返し丁寧に説明しています。

ご家族に説明する時に大切なことは、認知症治療のゴールを、患者さんの症状を軽くして、家族がハッピーになるということに設定することです。

濱田先生は「そのゴールという目標については、決して妥協はしません。そのためにご家族に必要な説明はしっかりして、納得してもらいます。患者さんやご家族に納得してもらえない治療は、医者の自己満足にすぎません。」と言います。

認知症では、知能に関する脳細胞が壊れることに基づく各種中核症状に決定的に効果のある薬は今のところありません。 しかし、いら立ちや焦燥、興奮、妄想といった周辺症状を軽減する治療方法はいくつもあります。中核症状よりむしろ周辺症状に、困っておられるご家族も多く、それら周辺症状を軽減できる可能性を示唆することで、ご家族の負担はぐっと軽くなります。

「治らない部分は、ご家族にもしっかり受け入れてもらった上で、治るところはあきらめないということが大切です」(濱田先生)。

 

認知症のケアは常に患者さんの目線を忘れずに

日野谷診療所_作業療法士_山内直人さん 作業療法士 山内直人さん

濱田先生は、認知症のケアで、患者さんの気持ちを尊重することに注意しています。認知症の患者さんに対しては、その気はなくても、つい上から目線になりがちです。

「だからこそ、そうならないようにいつも気を付けないといけない」(濱田先生)。

こうした、患者さんの目線で対応する姿勢は、スタッフ全員に共通しています。

作業療法士の山内直人さんも「患者さんに問題行動があると言いますけど、患者さんに悪気はないんですよ。患者さんは、ただ普通に生活しているだけですから」と言います。患者さんの目線で考えれば、患者さんに悪いことをしてやろうという気持ちは全然ないことがわかってきます。すると、 「自然に、偉そうなことは言わないようになりますよね」(山内さん)。

日野谷診療所_看護師_谷崎泰美さん 看護師 谷崎泰美さん

看護師の谷崎泰美さんも「患者さんの目線に合わせることに気を配っています。例えば、腰が曲がった患者さんも結構いらっしゃるのですが、そんな患者さんには、腰を落として、目線を合わせて話すようにしています」と言います。谷崎さんがもうひとつ心がけているのは、人それぞれ感じ方が違うということ。谷崎さんは、スキンシップがとても大事だと考えていますが、患者さんのなかには、体に触られることが嫌だという方もいます。

「そういう患者さんの気持ちを大切にすることがとても重要だと思います」(谷崎さん)。

その上で、谷崎さんは、できるだけ穏やかに笑顔で声を掛けるようにしています。患者さんのそばをちょっと通りかかった時にも、「どうしたん?」と気軽に声を掛けると、気持ちが通ってくるそうです。

こうしたスタッフの気配りが、患者さんの気持ちを和らげています。

 

また来てもらいたいから、いつも楽しめる場所にしたい

日野谷診療所_介護士_岡内みどりさん 介護士 岡内みどりさん

日野谷診療所に併設されたデイケアには、認知症の患者さんが毎日訪れます。患者さんに、ここに来れば楽しいと思ってもらうことが、スタッフ全員の目標です。

介護士の岡内みどりさんは「患者さんがデイケアに来て、ここは楽しいと思ってくれれば、またここに来たいと思ってもらえます。そうした思いがつながったら、長い間来てくださると思うんです」と言います。

こうした患者さんが楽しめるデイケアに欠かせないのは、スタッフのコミュニケーション。日野谷診療所では、スタッフ全員の仲が良いことも自慢です。スタッフそれぞれの得意分野を生かして、スタッフ同士で補完しあえるというのも、スタッフのコミュニケーションが円滑だからこそ。

看護師の久龍靖恵さんは「スタッフ全員が患者さんをよく見てくれています。例えば、患者さんの爪が伸びていたら、すぐに誰かが切ってくれるんですよ」と言います。

デイケアでは、リハビリを兼ねたゲームをしています。このゲームの内容を決めるのもスタッフ全員の共同作業。ボールを蹴ったり、投げて的に当てたりというゲームの概要は山内さん中心にみんなで決めます。

日野谷診療所_看護師_九龍清志さん 看護師 久龍靖恵さん

「毎日同じゲームにならないように、いろいろ工夫するのはスタッフの役目。趣向を凝らしながらやってます」(久龍さん)。

こうしてスタッフみんなで知恵を絞ったゲームは、患者さんにもとても評判が良いそうです。 患者さんが楽しく過ごせ、笑顔で帰れるように、日野谷診療所では、抜群のチームワークで、スタッフ全員が今日もがんばっています。

 

 

取材日:2011年8月5日
日野谷診療所の外観

那賀町国民健康保険 日野谷診療所


〒771-5411
徳島県那賀郡那賀町大久保字大西3-2
TEL:0884-62-0073

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