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市街地の特性を活かした 安心かつ身近な施設づくり
<石川県金沢市 特別養護老人ホーム ゆうけあ相河>

施設長 田中和子さん 施設長 田中和子さん

金沢市西泉にある社会福祉法人中央会のゆうけあ相河は、交通の便の良い街中に位置する市街地型の施設です。特別養護老人ホームに加えて、短期入所生活介護、通所介護、小規模多機能型居宅介護の施設を備えています。地域密着型の施設として住民の方々と厚い信頼関係を築きながら、ご高齢者の笑顔を日々支えています。

市街地に特養がある意味

2010年9月に設立されたゆうけあ相河は、建物もスタッフもフレッシュで明るさに満ちた特別養護老人ホーム(以下、特養)です。スタートしてから1年弱の現在、特養の入所者は29人。ショートステイやデイサービスの登録はそれぞれ約100人おり、小規模多機能の登録は現在19人います。

地域密着型の特養として、郊外ではなく市街地に近い住宅街に設立するにあたって近隣住民からのご理解を得るため、オープンにいたるまでに2年の歳月をかけて話し合いを重ねてきた歴史がありました。

当初「お年寄りが近所を徘徊するのではないか」等と心配する声も多く寄せられました。何度も公民館で説明会を開き、個別訪問を繰り返した末に、ようやくご理解をいただきオープンにこぎつけたのです。そこまでして市街地の近郊にこだわったのには、「地域に溶け合った施設づくりをしたい」という熱意があったからでした。

施設長の田中和子さんは「ご利用者は金沢市民が対象ですが、交通の便が良いため、ご家族もたくさん来てくれるようになりました。なかには自転車で来られる方もいるほど。これは郊外の山の上の施設にはない利点かもしれません。地域の方にご理解いただいて、市街地に立てられて本当に良かったです」と言います。

ちなみに、施設名の「相河」は「あいこ」と読み、これは戦国時代にこの地の領主だった代官「相河氏」の名前が由来になっています。高齢者によく知られている名称だということを住民の方々から聞き、ネーミングに採用したのだとか。今では皆さんから「あいこさん、あいこさん」と親しみを込めて呼ばれるようになりました。

 

同じ施設でずっと見ていけるからこその安心感

管理者 長恵子さん 管理者 長恵子さん

認知症患者さんの特徴として、ケアを提供する側の対応によって症状が変わることや、環境が変わることにとても不安を覚えることなどが挙げられます。このため在宅から同施設の利用に移行する際に、環境の変化によって症状が悪くなることがないよう、ご利用者の状態をご家族と相談しながら段階的に進めていく工夫をしています。例えば、丸一日新しい場所にいると不安が強くなるという方の場合には、まず1~2時間の利用からスタートしてそれを何度か繰り返します。慣れてきたら、半日へ、さらに丸一日へと利用時間を延ばしていくという方法をとっています。さらに、在宅での利用者さんがデイサービスに来ることによって、少しずつ施設の建物やスタッフに慣れ、その後ショートステイが必要になった時には抵抗なく利用ができ、さらには小規模多機能や特養にも問題なく移行していくこともできると言います。

「入る玄関も同じですし、お迎えに来る車も同じ、スタッフも同じなので、一度慣れていただければ、その後もスムーズにご利用いただけます」と語るのは、管理者の長恵子さん。

デイサービスを行う場所とショートステイを受け入れる場所、特養の場所とが異なる施設や異なるスタッフになることが多い状況では、移行する際に場所が変わっただけで認知症の度合いが進んでしまうことが少なくありませんが、ここでは利用者さんご自身の状況が変わっても同じ環境が用意されているので、認知症患者さんにとって安心感のある施設と言えそうです。

 

理念と信念を継承するための独自のマニュアルづくり

作業療法士 住田早智さん 作業療法士 住田早智さん

同施設では、作業療法士の住田早智さんによるリハビリテーションが行われています。例えばデイサービスでは、心肺機能を高め、硬くなった体をほぐし、思い切り体を伸ばすためのストレッチのほか、ボールを使った体操、口や顔や指の集団体操なども取り入れています。さらに、群馬大学の山口晴保教授が提唱している「脳活性化リハビリテーション」にヒントを得て、住田さんが独自につくった「頭の体操」も導入。利用者さんとスタッフの共同制作でオリジナルカードを作成し、カルタ形式で会話や計算を行い、脳の活性化を図っています。加えて介護職員によるレクリエーションも行われています。

「人によってできることや理解度や認知度に差はあります。同じ塗り絵でも、見本を見ながらできる方、『このなかを赤で塗ってくださいね』と、ほんの少しの言葉かけでできる方、手を添えて一緒に塗ることでできる方などさまざまです。たとえ接する相手や使う道具が同じであっても、接し方や声かけの方法を変えるだけで、可能性は広がります」と住田さん。

また、ただ漠然とリハビリを行うのではなく、何を目的としたリハビリなのか、スタッフ間で意思統一して説明できるようにトレーニングするため、現在、その目的とリスク、そして効果を明確化した独自のマニュアルも作成しています。書籍として出版されているような既存マニュアルもありますが、同施設に合ったものはどのようなものか、各自が意見を出しあって作成しているのだと言います。今持っている熱い理念や信念を、スタッフが入れ替わっても確実に引き継ぐことができるよう、今後マニュアルをしっかりつくっていきたいと考えています。

 

個別のケアを広げ、笑顔を増やしていきたい

生活相談員 竹林佑さん 生活相談員 竹林佑さん
管理者 長田和久さん 管理者 長田和久さん

ショートステイでは、初めてご利用いただく際のご家族へのヒアリングを特に大切にしています。どのような症状があるのか、帰宅欲求や興奮しやすさなどがあるか、言葉がけのタブーはあるかなど、細かにヒアリングを行い、一人ひとりに添ったケアの形をつくっていきます。ショートステイを担当する生活相談員の竹林佑さんは、「ご利用いただくことによって、少しずつ症状が改善され、刺激を受けて表情が豊かになられた方などを見ると、仕事のやりがいを感じます。利用者の方に安心してご利用いただけるように環境を整え、サービスの質を向上させていきたい」と話します。

デイサービスに関わりながら、スタッフ管理やご家族と施設の橋渡しを担当する管理者の長田和久さんも、「認知症状が重かった方がデイサービスをご利用になることで刺激となり、曜日の感覚や季節感を取り戻すことや、活発に会話することができるようになり、表情が変わっていかれるのを見ると、喜びを感じます」と言います。閉じこもりがちだった方の世界が徐々に開かれていき、少しずつ笑顔を取り戻していく様子が、スタッフのやりがいになっているそうです。

集団ケアに比べ個別ケアは手間も根気も必要ですが、同施設では今後、より一層手厚いケアができるように努力していきたいとのこと。スタッフの皆さんは、利用者さんやご家族の笑顔を励みにいきいきと働いています。

 

医師が定期的に診療し健康チェックを実施

金沢有松病院 院長 前川正知先生 金沢有松病院 院長 前川正知先生

同施設は金沢有松病院と提携しており、週1~2回の頻度で医師が訪問診療を行い、利用者さんの健康チェックを行っています。金沢有松病院は、1983年に設立された急性期型の病院です。認知症の専門病院ではありませんが、住民の高齢化に伴い、認知症の患者さんが来院することが増えてきたと言います。認知症が重い患者さんの場合は、専門医に紹介するケースもあります。

「元気な患者さんの場合、専門病院への受診をご提案してもご本人が拒否されるのでご家族が苦労し、なんとかここで診てもらえないかと言われることもあります。根気強く説得して受診につなげた結果、症状が落ち着かれたと聞いて安堵したこともありました」(院長の前川正知先生)。昨年ゆうけあ相河ができたことによって、長年診てきた患者さんに長期にわたるケアが必要になった場合、遠くの施設ではなく地域のなかで引き続き診ていけるようになったと、前川先生はそのメリットの大きさを語るとともに、高く評価しています。

 

 

取材日:2011年8月2日
ゆうけあ相河の外観

特別養護老人ホーム ゆうけあ相河


〒921-8043
石川県金沢市西泉6-136
TEL:076-245-1150

施設のホームページへ

 

金沢有松病院の外観

医療法人社団中央会 金沢有松病院


〒921-8161
石川県金沢市有松5-1-7
TEL:076-242-2111

施設のホームページへ

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