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わずかな変化、違和感から早期発見に努める
<広島県廿日市市 医療法人裕仁会 斉藤脳外科クリニック>

院長 斉藤裕次先生 院長 斉藤裕次先生

「認知症は早期発見、早期治療が肝要」という信念のもと、定期的なスクリーニング検査や患者さんのふとしたつぶやきから、本人も気がつかないほど軽症のうちに認知症を発見、治療へと導いているのが、斉藤脳外科クリニック。院長の斉藤裕次先生を中心に、認知症の早期発見に精力的に取り組む一方、在宅医療にも力を注いでいます。

 

「頭痛やめまい」の訴えから、認知症を見抜くことも 

斉藤裕次先生が、広島市に隣接する廿日市市で斉藤脳外科クリニックを開設したのは、1994年のこと。自身の専門である脳神経外科のほか、神経内科とリハビリテーション科を標榜し、「来たくても来られない人には医師から出向くべき」(斉藤先生)と、往診にも出向きます。

路面電車の広島電鉄・宮内駅から徒歩2分というアクセスの良さと、斉藤先生の穏やかかつ柔らかな物腰ゆえ、来院者も、往診要請の電話も、後を絶ちません。

患者さんの約半数が認知症の方ですが、さらにその半数が「初期あるいは軽度」という通り、ごく初期の段階から患者さんを診ることが多いのも、同クリニックの特長のひとつ。というのも、「患者さんご本人やご家族が気づく前の、軽度認知機能障害(MCI)の段階から見抜き、あるいは認知症の危険性が高くなったことを察知し、早期治療で進行を防ぐ」(斉藤先生)ことを目標に掲げているからです。

もの忘れの相談で来られる患者さんのみならず、身体的な訴えで来院された患者さんに対しても、少しでも認知症やそれに類する傾向がみられないか、常に網の目を張り巡らしているというわけです。実際に、頭痛やめまいの訴えで来院された患者さんに、軽症以前の「最軽度」の症状がみられ、指導や治療によって進行を抑えた例は数知れず。「ご本人とご家族のために、早めに手を打ってあげたいですね」と、穏やかにほほ笑む斉藤先生です。

 

年に一度のスクリーニング検査でわずかな変化を察知

同クリニックでは、もの忘れの訴えがある・ないにかかわらず、75歳以上の患者さんに対しては、生活の様子を聞いた上で初診時に簡易スクリーニング(神経心理学検査)を実施しています。そのうえで年に1~2回検査を重ねていけば、初診時からの差やわずかな変化にも気づくことができるというもの。

「目標はMCI以前の段階で気づき、指導し、認知症を発症させないことですね」(斉藤先生)。

さらに、生活に支障が起きている実感はないか、話題が偏っていないか、使う単語数が減っていないかなどを入念にチェックし、記録を取り続け、早期発見に努めています。「特にもの忘れの自覚症状がなくても、何度も同じことを訴えて来院される方には注意が必要ですね」(斉藤先生)。

診察の際に斉藤先生のチェックポイントは、大きく①患者さんの表情や醸し出している雰囲気、反応などをみる、②もの忘れに対する自覚がどの程度あるか、病識を聞く、③歩行や嚥下、言葉の出にくさといった神経症状を確認する、の3つです。

このチェックポイントとスクリーニング、問診、CTだけで診断がつく場合がほとんどですが、それだけでは明確でない場合や若年性の場合は、より慎重を期すため、MRI画像を撮りVSRAD※で解析するなど、より詳細に診断していきます。

※Voxel-based Spesific Regional analysis system for Alzheimer's Disease
早期アルツハイマー型痴呆診断支援システム

 

変化にいち早く気づく「家族力」にも期待

斉藤先生がMCIや最軽度の認知症をご本人より先に気づくのは、長年、総合病院で脳を専門に治療・研究してきたからだけではありません。かすかな病気のサインでも見落としたくないという思いが強いためです。

「認知障害を示す病気のなかでも、慢性硬膜下血腫などは治療によって完全に治るし、レビー小体型認知症の治療では薬の種類や量に細心の注意が必要なので、早期に鑑別し、的確に治療してさしあげたいのです」(斉藤先生)。

当然、アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症においても、発見が早ければ早いほど治療による症状改善、進行抑制効果は高くなります。そうなると、患者さん本人はもちろんのこと、ご家族の負担を減らすことができるのです。

「重度になると、ご家族の支えがあって初めて生活できる場合が多い。早期に発見することで、ご家族に余裕が生まれます」(斉藤先生)。

もちろん、進行した状態で来院される場合もあります。そんなときにもご家族の話をきちんと聞き、「よく頑張っておられますね」と声をかけ、工夫次第で生活の質を高めることもできる、といった話をご家族向けにしています。

「実際、よくやられていますから・・・。最近怒りっぽくなったなどの変化にご家族が気づき、ようやく来院されたときには、既に認知症になっている可能性が高い。ご家族の負担が大きくなる前に、早めにお連れいただきたい。ご家族の絆で、わずかな変化に気づいてあげてください」(斉藤先生)。

 

認知症ドライバーへの注意喚起

斉藤先生が認知症の診断および進行の目安のひとつにしているのが、車の運転の仕方です。運転をされる患者さんには、事故を起こしていないか、駐車の際にバックを擦ったりしていないか、まっすぐ駐車できず、斜めになったり、いつも置く位置が違っていないか、常に確認をしています。

「後ろを擦る程度で運転をするなとは言えませんが、注意は促したい。認知症の患者さんが事故を起こせば、さすがに運転をやめていただくようお話しします」(斉藤先生)。

社会的にも、認知症ドライバーへの注意喚起はまだまだ足りていない、と斉藤先生は警鐘を鳴らします。ただ、「行動範囲を狭めてしまい、引きこもってしまう恐れもあるので、一概に禁止すればいいという問題ではない」とも。

「規制の仕方にもよりますが、やみくもに規制さえすればいいわけではありません。が、認知症が進行すれば判断障害が起き、安全な運転ができにくくなることは確か。高齢社会で認知症ドライバーによる事故が加速化しないよう、行政の指導に期待する一方、私たち皆で考えていかなければならない問題だと思います」と広く呼び掛けています。

さらに斉藤先生は、「認知症になっても、特に軽度のうちは、まだまだ世の中の役に立ちたいと思っている人は多い。能力の一部が衰えても、健常者の支えがあれば、それなりの仕事をこなせる人は多いのです。仕事を取り上げたことにより、病状が進んでしまうこともあります。ボランティアの人に活躍してもらうなど、行政はぜひこういった方面の政策にも取り組んでほしい」と、訴えています。

 

「待ちの姿勢では皆さんを救えない」と、往診も

認知症の発見において常に先手を打ち、受け身の姿勢を取らない斉藤先生ですが、診療自体においても、「ただ診察室に座って待っているだけでは実態がわからない」と、ほぼ毎日往診にも出かけています。「外に出られない人にも、医療を受ける権利はある。相談していただければ、できる限り往診したい。体力が続く限り在宅医療を支援していきたいです」と、地域の在宅患者の支えにもなっています。

早期発見・早期治療を最大の目標に掲げている斉藤先生ですが、たとえ症状が進んだ状態であっても、悲観することはないと言います。

「記憶が全てではないと思うのです。もの忘れが始まっても、治療をすることで生活の質を高めることはできることを、一般の方にも非専門医にも、啓蒙していきたい。かかりつけ医の先生は、受け持ち患者さんの『もの忘れ』という単語や少しの変化を、見落とさずに拾い、専門医と連携を取っていただきたい。もの忘れを『歳のせい』で終わらせず、何かが起こり始めているサインだととらえ、注意を払うようにしていただきたいです」(斉藤先生)。

 

 

取材日:2011年8月24日
斉藤脳外科クリニックの外観

医療法人裕仁会 斉藤脳外科クリニック


〒738-0033  
広島県廿日市市串戸2-17-5
TEL:0829-20-1212

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