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地域と共に歩み、声なき声に応え、隅々まで行き渡るケアを
<東京都練馬区 医療法人財団秀行会 阿部クリニック>

秀行会 阿部クリニック 医師 中村哲郎先生 医師 中村哲郎先生

医療法人財団秀行会 阿部クリニックは、昭和10年の設立。戦後の復興の道のりも地域と共に歩んできた有床診療所です。 老年病の専門医である院長の中村哲郎先生のもと、多岐にわたる介護の支援体制を整え、各スタッフが笑顔をモットーに地域の介護を支えています。 来院する方ばかりではなく、地域の相談業務も担い、地域全体の高齢者の健康を支える責任も果たしています。

地域の高齢者にとってなくてはならない存在の診療所

阿部クリニックは、戦後の混乱期に乳児院を設立するなど福祉の面でも地域を支えてきました。高齢の患者さんのなかには当時をよくご存じで感謝を忘れない方も多いと言います。地域と強く結びつき共に歩んできたからこそ、地域の高齢化への対応を求める多くの声に応えたのも自然なことでした。現在では、介護予防デイサービスセンター、訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所、介護老人保健施設を併設し、訪問診療にも力を入れているほか、練馬区の地域包括支援センターの桜台支所として総合相談支援業務や高齢者の権利擁護に携わるなど、地域の高齢者にとってなくてはならない存在です。

院長の中村哲郎先生は、東京大学医学部附属病院の医局より老年病科を専門とし、骨粗鬆症、糖尿病や動脈硬化と同様に、認知症の患者さんの治療にも多く携わってきました。身体的、精神的、社会的側面から総合的に高齢者の健康を評価するCGA(高齢者総合的機能評価)の研究や、介護予防の観点からも、高齢者の精神的状態や認知機能の把握に努めています。

「ADL(日常生活動作)を保つことは介護予防につながります。なかでも認知機能の維持は大きなテーマです。当クリニック主催の講演会でも頻繁に認知症を取り上げるようにしていますし、もの忘れがある方に受診を勧めるポスターを掲示するなど、早期から認知症の治療を受けていただけるようにいくつかの取り組みを行っています」(中村先生)。

以前在籍されていた東京都健康長寿医療センターのもの忘れ外来、杏林大学医学部付属病院のもの忘れセンターとの連携も取っています。

認知症治療については、薬の効果ももちろんありますが、看護や介護が果たす役割が大きいと、中村先生は言います。

「患者さんが元気になったり明るくなったり、昼夜が逆転していた患者さんのご家族から夜よく眠るようになってほっとしていると聞くと、うれしいですね」(中村先生)。

クリニックはもちろん併設の施設のスタッフへも厚い信頼を置き、今後は、音楽療法など良いと思うものを認知症治療に取り入れていきたいと新しい試みにも意欲的です。

 

家庭環境に合った支援プランを提案し、介護不安を解消

秀行会 阿部クリニック 看護師 荒井恭子さん 看護師 荒井恭子さん

阿部クリニックは19床の有床診療所で、入院患者さんの年齢は80~90歳代が中心です。認知症で寝たきりの患者さんも多いと言いますが、病棟看護師の荒井恭子さんは、コミュニケーションと笑顔の大切さを強調します。

「こちらが笑顔なら伝わります。入院当初、暴言、暴力のあった患者さんが、笑顔で接しているうちに表情が和らぎ、ご家族が驚くほど穏やかになられることも少なくありません。次第に笑顔も見られ、冗談まで出てきて、みんなで大笑いすることもあるんですよ」(荒井さん)。

また、荒井さんは退院後を見据え、いかに個々の患者さんとご家族に寄り添った支援ができるかを考えています。

「認知症患者さんの退院に向けては、ご家族とのコミュニケーションも重要であり、会話から退院後の生活の問題点を引き出すことも、私たち病棟スタッフの重要な役割と考えています」(荒井さん)。

「患者さんにとって一番落ち着くのは、やはり住み慣れたご自宅だと思いますが、介護されるご家族の方の精神的、身体的ご苦労は計り知れないと思います。支援の手立てがあることを知らなかったり、知っていても利用法が分からなかったり、責任感から一人で背負い込んでしまったりして、共倒れしてしまうケースもあります。そのため、入院時からご自宅での状況、ご家族の悩みや思いを伺い、解決法を一緒に考えます。思いを大切にし、在宅介護継続を望まれるご家族には支援の輪を、まだ時間が必要なご家族には、老健施設等の紹介など、個々の家庭環境にあった支援プランを提案しています。既に介護サービスを受けていた方には、退院前にケアマネジャーをはじめとするサービス担当者に集まっていただき、カンファレンスを行い、医師、看護師の助言、ご家族の要望をもとにケアプランの見直しをしていただきます。そして、退院に向けて全ての病棟スタッフが、ご家族には介護不安を解消できるよう、時には介護指導やアドバイスをし、患者さんには穏やかに過ごせるよう心身状態を整えることに日々取り組んでいます」(荒井さん)。

 

説得より納得、笑顔が最高の特効薬

ミレニアム桜台 介護士 古澤真二さん ミレニアム桜台 介護士 古澤真二さん

併設の介護老人保健施設「ミレニアム桜台」で9年間介護士を務める古澤真二さん。日常の介助のなかで、認知症の入所者さんに対しては言い分を否定して一方的に説得するより、その気持ちを踏まえて自然に納得してもらえるよう心がけていると言います。

「病気で失われていくものも確かにありますが、少しでも笑顔でいてもらえたらと思って、こちらも笑顔で接しています」と古澤さん。笑顔は薬より効くのではないかと思うこともあるのだそうです。

地域全体を把握し、届かないSOSもキャッチするアンテナに

「助けを必要としている人が全員病院に来るとは限りません」と院長の中村先生。練馬区地域包括支援センターの支所として、区からは桜台・栄町地区の65歳以上の方全員を把握することを求められていると、責任の大きさを語ります。

「病院に来られる方だけを救うのが医療の仕事ではありません。そういう方々はむしろ心配ない。地域包括支援センターで求められているのは、家にいる独居や老老介護の方たちをいかにフォローするかということです」と、中村先生。もちろんそのなかには認知症が原因で引きこもっている方も含まれると言います。在宅の高齢者の方の状況を把握することは、認知症の予防や早期発見にもつながり、今後の認知症治療や介護の大きな課題でもあります。

中村先生が、自治体や地域住民から寄せられる期待に応えるべく、全幅の信頼を置いているのが、地域包括支援センターで主任介護支援専門員を務める看護師の馬籠さとみさんです。馬籠さんは、桜台・栄町地区の相談業務を担い、ケアマネジャーや介護するご家族からの相談にも応じています。相談者のご自宅にも足を運び、民生委員や町会など地域と密に連携を取っている馬籠さん。「立ち話も含めたあらゆるネットワークを駆使しています」と、独居で気になる人がいる、寝たきりのご主人の介護をしている奥さんも認知症の疑いがある、などの情報をくまなくキャッチし、来院せず家にとどまる方の声なきSOSもすくいあげる努力を日々コツコツと重ねています。

 

認知症には患者さんの生きてきた歴史が出る

秀行会 阿部クリニック 看護師 馬籠さとみさん 看護師 馬籠さとみさん

馬籠さんは、認知症患者さんの症状にはその人が生きてきた歴史が再現されると言います。

「介護するご主人から、奥さんが大量の買い物をしてしまうと言うご相談がありました」(馬籠さん)。

話を聞くと、買う物は育ち盛りの子どもが好みそうな物ばかり。昔ご家族のためにしていた量の買い物を今も同様にしてしまうのではと馬籠さんが指摘したところ、ご主人は合点がいき、奥さんの症状に対して理解が深まったと言います。この場合は、ショッピングカートを小さいものにしてすぐいっぱいになるようにするなど、対応を工夫することで解決に向かいました。

馬籠さんは、自分が介護される場合でも、自分の人生を理解した上で介護してもらうほうが幸せだと思うと言います。

「私はずっと看護師で忙しくしていたから、自分が認知症になったときにはちょろちょろしそうですもの」と笑います。

認知症のBPSD(周辺症状)への対応でも、医療が関わって薬で調整できるもの、ケアの工夫で改善できるもの、いろいろあるはずと言います。徘徊のある患者さんのためのネットワーク作りなど、もっとできることはあると、馬籠さんはさらに先を見据えています。

 

山積する認知症介護の課題を見据えて

今後の認知症の介護については、皆さん同様に重い課題を見いだしています。

古澤さんは、認知症の患者さんが増え、場合によっては受け入れが難しくなることを懸念しています。ひとりひとりの患者さんに対応したいけれど、大きい集団での生活が基本となるため、症状の難しさによっては入所をお断りせざるをえない場合も出てくると考えています。

「でもご家族の負担も考えると、こういう方は受け入れられないとは言えません。全ての患者さんを受け入れるためには、どうしたらいいのだろうかと頭を悩ませています」(古澤さん)。

中村先生は、「認知症医療は患者さんご本人の治療だけでなく周囲の人全員を支えることを今以上にしっかり考えていかないと」と言います。お薬だけでは患者さんとご家族の状況は良くならないので、医療機関もより介護サービスへの理解を深め積極的にご家族に支援の手だてを紹介すべきと考えています。

「介護の負担を軽減することが大切。患者さんご本人と共にご家族の笑顔も守らなければ」と、皆さんが口を揃えていました。

 

 

取材日:2011年7月21日
秀行会 阿部クリニックの外観

医療法人財団秀行会 阿部クリニック

〒176-0002  
東京都練馬区桜台2-1-7
TEL:03-3992-1103

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