『笑顔とこころでつながる認知症医療』サイトドメイン変更のお知らせ 「お気に入り」や「ブックマーク」の変更をお願いします

詳細はこちら

ホーム > 地域から探す【四国】 > 愛媛県 > 愛媛県今治市 アキクリニック
医療機関を探す

各機関と連携しながら患者さんを地域で支える
<愛媛県今治市 アキクリニック>

医師 根布昭彦先生 医師 根布昭彦先生

JR予讃線の今治駅近くに位置するアキクリニックは、2005年に開設された心療内科のクリニックです。自然木を使ったカフェのような落ち着いた佇まいの院内は、病院とは思えないようなリラックスした雰囲気。精神保健指定医3名がそれぞれの専門領域を生かしながら、心身の不調に悩む人やそのご家族によりそった治療にあたっています。通常の一般外来に加え、もの忘れ外来、子ども外来を特別外来として設けているほか、2010年からは訪問看護も実施しています。

認知症であるかどうかという診断を慎重に行う

アキクリニックは、うつ病や神経症疾患、児童・思春期の心身疾患、老年期の心身疾患など、幅広い心療内科領域を網羅するために、小さなクリニックながら専門医が3名体制で診療にあたるという特徴を持っています。もの忘れ外来で、認知症の患者さんやそのご家族に対応しているのは、同クリニックの開設者である根布昭彦先生です。もともと神経心理学がご専門である根布先生は、認知症の疑いで初めて来られた患者さんに対して1時間程度をかけて診断を行っていると言います。

「まず重要なのは、本当に認知症かどうかという判断です。認知症に似た症状が見られても、仮性認知症や意識障害、あるいは加齢の範疇ではないかどうかを慎重に見極め、その上で認知症だと診断できた場合には、さらにそれがどのタイプの認知症なのかを判断し、それを治療へとつなげています」(根布先生)。

診療のなかでは、ご本人やご家族が一番負担に感じている症状や状態は何かを丁寧にヒアリングします。また、客観的な評価として、臨床心理士による詳細な神経心理学的検査と提携している医療機関で画像検査を行い、臨床的な判断の裏付けとしています。認知症であるかどうかというご本人への告知は、患者さんの状態や意志、ご家族の介護力を加味した上で、伝えた方が患者さんにとって有益である場合に行っています。

 

離島を抱える地域として各機関との連携や啓発も重要

今治市内にあるアキクリニックには、瀬戸内海の島々から来られる患者さんもいます。特に定期的な通院が困難な患者さんの場合、患者さんの地元の病院との連携は欠かせません。認知症の患者さんで周辺症状がほとんど表面化していない方や、当面、周辺症状の緻密なコントロールの必要がない方の場合は、何か変化が起きたときに再受診できる体制をとりながら、治療方針が決まった段階で地元病院に戻って治療を続けてもらえるようにしています。また、遠方でなくても、他の病気で他院に通っている患者さんで病院を一本化したいと望まれており、症状が落ち着いている場合には紹介状を出すようにしているとのこと。患者さんのニーズに合わせた対応を柔軟に行っています。

「地域から講演依頼も多数あり、今年後半は認知症関連の講演だけでも数件予定があります。講演を通して地域包括センターなどとつながりもできていくなかで、個別に相談をお受けしたり、受診につながったりすることもありますね。最近では、『自分は大丈夫かどうか調べて欲しい』といった受診も増えています」(根布先生)。

こうした講演活動を通じて、認知症のグレーゾーンにいる方々への早期介入や、実際困難な状況にありながらも通院に結びついていなかった患者さんに対して具体的に通院・治療への道筋をつけることが可能になることも少なくありません。地域の各機関とつながって情報共有していくことが、認知症の患者さんを支えるための大きな力となっています。

 

患者さんと地域を結ぶ訪問看護

訪問看護の成否の鍵となるのは地域各機関やデイサービスの介護士やヘルパーさんとの連携です。こうした地域のネットワークは、ひとり暮らしの認知症の患者さん等が自宅で心身ともに安心して生活する上で重要な支えになっています。地域包括センターや保健所からの連絡から心療内科の受診へとつなげる「受診補助」を行うこともあります。

また、訪問看護において重要なことは、診療の場だけでは知り得なかった患者さんの生活状況を把握できることです。クリニックではほぼ問題がないように見えた患者さんでも、自宅ではまったく異なる状況になっているということもあり、最初の見立てを修正し、治療に反映することで、より適切な診療が可能になります。

患者さんは地域から孤立していることが多いものですが、失われたつながりを取り戻すことが精神医療では非常に大切であり、訪問看護はその大きな役割を担っていると言えるでしょう。

 

認知症患者さんを支えるネットワークの実現に向けて

認知症の患者さんを抱えるご家族にとって、特に認知症の周辺症状は介護の大きな負担になっているという現状があります。認知症の根本治療がまだ確立されていない現在、介護負担を少しでも軽くするために、投薬によって上手に周辺症状をコントロールすることはひとつの有効な方法となっており、根布先生もそうした事例でご家族から感謝の言葉をもらうことが多いと言います。

「できれば薬を使いたくないというご家族もいらっしゃいますし、私もその意見には賛成なのですが、かなり強く周辺症状が出ている患者さんの場合、心理教育などの非薬物的介入をする余裕がご家族の方になくなっていることが少なくありません。逆に、ご家族にまだ余力があり、不適切なケアなどの心理社会的な要因から二次的に周辺症状が発生している場合には、ご家族にそこを理解していただくことで薬にたよらずに良くなる場合もあります」(根布先生)。

それぞれの患者さんの状況に応じた適切な治療によって、「認知症で会話がすっかり減ってしまっていたおばあちゃんが元の話し好きのおばあちゃんに戻ってくれた」、「以前のように表情が明るくなった」などの声をご家族から聞くことが、根布先生が診療を続けて行く上での大きな喜びになっているのだそうです。

しかし、その一方で認知症の患者さんを抱え込んでしまって非常に困っているご家族や、どのように援助を受けたらいいのかわからないまま認知症が進んでしまう事例もないとは言えません。

「どこに行けば認知症を診てもらえるのか、一般の市民の方にもすぐにわかるマップのようなものがあるとよいのではないでしょうか。当院でも、医療機関同士の連携のみならず、福祉との連携なども含めて、より一層ネットワークを強化して、今後しっかりしたシステムをつくっていきたいと思っています」(根布先生)。

 

 

取材日:2011年8月19日
「病院らしくない病院」を目指したクリニックの待合室 「病院らしくない病院」を目指した
クリニックの待合室

アキクリニック


〒794-0024
愛媛県今治市共栄町2-2-1 朝日生命今治ビル2F
TEL:0898-32-4886

施設のホームページへ

この記事のURLをメールで送信
医療機関を探す
新着施設から探す
地域から探す
  • 北海道 近畿
  • 東北 中国
  • 関東・信越 四国
  • 東海・北陸 九州・沖縄
カテゴリーから探す
  • 社会が考える認知症予防・治療・戦略
  • 日常診療における創意工夫
  • チーム連携のさらなる充実
  • ふれあいつながる作品展
  • バアちゃんの世界
  • バアちゃんの世界からわかる認知症の症状と対応のヒント
  • 「笑顔とこころ」をつなぐ声
  • お薬(剤形)の選択肢が増えました
  • 患者さんとご家族のための認知症の知識
  • 認知症相談窓口
  • 認知症サポーターキャラバン
  • サイト運営企業の取り組み
  • 医療関係者の皆さまへ
トップページへ