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患者家族を支える大きな連携体制が必要
<広島県三次市 医療法人微風会 三次神経内科クリニック花の里>

院長 伊藤聖先生 院長 伊藤聖先生

患者さんの最も近くで日常的に支え続ける家族をサポートする。これが医療機関に求められる機能のひとつだと考え、患者さんとそのご家族をともにケアするのが、三次神経内科クリニック花の里の基本的な診療姿勢です。地域では薬や治療方法の情報発信や各施設をむすぶ中心的なクリニックです。

総合的な判断が診療の基本

内科を専門として長年医療に携わってきた院長の伊藤聖先生は、三次神経内科クリニック花の里に勤務した11年前から認知症患者さんも多く診療するようになりました。内科、神経内科、老年内科などを開設する同クリニックには、専門外来として「もの忘れ」「パーキンソン病」「脳ドック」などが併設され、高齢者の方も多く受診します。そうしたなか、年々認知症の患者さんが増えていると実感しています。

同クリニックの1日の受診患者数はおよそ50人。その3分の2程度の方は認知症も併発しているといいます。他の疾患で通院している間に認知症を併発する場合もあれば、ご本人が、もの忘れが多くなったことを不安に思い受診する場合、また、ご本人に自覚はなくても、ご家族が生活面に不安を感じ受診させるという場合も少なくありません。

こうしたそれぞれの受診ケースであっても、最初は肝機能障害の有無、甲状腺の検査をはじめ、内科全般を診察し、総合的な健康状態、精神状態などを含めた診断を行います。伊藤先生が重視しているのは初診での診断です。

また認知症診断については、CTやMRIを使った脳内の画像診断と、認知機能検査を行うほか、ご本人への問診で認知状態を把握し、自覚の有無を確かめます。さらにご家族から日常の様子を聞き、周辺症状がどれくらい発症しているかなど認知症の段階を把握します。それらの総合的な診察から、認知症であると診断する場合と、うつ病傾向である場合、または脳血管障害などが原因で認知症的な症状が発症している場合などの診断を出します。

 

否定しないで共感する姿勢が大切

看護師 武内壽磨子さん 看護師 武内壽磨子さん

同クリニックが認知症患者さんとの接し方で注意しているのが対話の仕方です。特に共感する姿勢で対話をすることを大切に、身ぶり手ぶりを加えてうなずきながら話を聞くようにしています。また、認知症の患者さんは、日常的に「何度言ってもできていない」「すぐに忘れる」などの言葉で注意を受けていることが多いので、そうした否定する言葉で患者さんの心を傷つけることがないように、言葉選びにも注意しています。「この病院にいると楽しい」「自分のペースで話を聞いてもらえる」と感じてもらえる対応が大事だと、看護師の武内壽磨子さんは言います。

「認知症の患者さんは心の病気ではありません。ですから嫌な思いをさせられたことや、叱られたことは覚えています。そして、そういう相手には心を開いて話をしてもらえません」(武内さん)と、対応次第で患者さんとの関係が決まると指摘します。

また、一方的に話をすると患者さんは混乱し、必要な情報を聞き出せないばかりか、必要な介護もスムーズに行えないと言います。「認知症が進むとますます物事を伝えることができにくくなるので、患者さんの態度や表情も観察しながら、共感を持って話を続ける姿勢が最も大切です」(武内さん)。

 

「頑張れ」とプレッシャーを与える応援はしない

患者さんとのコミュニケーションと同様、先生が重視しているのがご家族へのケアです。

「患者さんの生活を支えているご家族がストレスをため込むと共倒れになります。その状態まで追い込まれないようにサポートするのもクリニックの仕事だと考えています」(伊藤先生)。

患者さんの症状はご家族や介護者との人間関係がスムーズで、信頼関係を結べているかどうかで異なります。ご家族の精神状態に余裕があり、積極的に患者さんに関わることができていると、患者さんも良い状態を長く維持することができます。そのため、患者さんを治療することと同じように、ご家族の体調や精神状態を観察し、早めに対応できるように心がけていると言います。

特に注意しているのが「もう少し頑張ってください」というプレッシャーを与えないことです。ご家族の介護力や何を負担に思うかは生活背景によって異なります。しかし多くの場合、ご家族が十分に睡眠を取れない状態が続くとストレスは一気に高まるようです。また、もの忘れがひどい、同じことを繰り返す、ということなどには比較的穏やかに対応できても、徘徊や暴力行為のようなBPSD(周辺症状)に対しては疲労感が大きくなり、ストレスに感じるようになると言います。ですが、どのご家族も同じような段階まで介護を継続できるとは限りません。それを「他のご家族はこうだから」と比較し、頑張りを強要することは、患者さんとご家族の共倒れを引き起こす原因になると伊藤先生は指摘します。

「我慢しない、恥ずかしいと感じないで、早期の相談、早期の治療開始がご家族のためにも重要なことです」(伊藤先生)。

そのためにも認知症についての情報提供や行政の支援体制の紹介、他の施設との連携を深める必要があると強調します。

 

連携の基本は顔の見える関係をつくること

奥行きのある特徴的なつくりの院内 奥行きのある特徴的なつくりの院内

同クリニックは、地域の認知症医療の中心的な施設として機能しています。さらに、入院施設のない同クリニックでは、他の病院をはじめ地域包括支援センターやデイケア施設、ケアマネジャーなどとの連携も重視。積極的に顔の見える形での連携を行い、患者さんひとりひとりに適した治療が提供できるよう、患者さん本人とご家族の生活環境に配慮した治療提案を心がけています。

しかし、患者さんについての情報の発信源であるご家族と各施設やサービス提供者をつなぐ体制が現状ではまだ不十分です。それに加え、新たな治療方法の情報などを提供し、患者さん本人やご家族が早期に医療機関を受診し、早期治療の可能性を広げることも、今後ますます必要になると指摘します。

「高齢者が増え、認知症患者さんの数もますます増えていく社会において、患者さん本人、ご家族を総合的に支えるには、行政、各サービス機関、専門家を結びつけることが重要です。そのネットワークの中核は医療機関であるべきだと思っています。新薬や新しい治療法なども含めた情報発信と、各専門家同士がお互いの顔が見え、名前を知って、直接話ができる関係づくりを病院がパイプ役となって構築していく。こうした連携作りに力を入れていきたいと思います」(伊藤先生)。

 

 

取材日:2011年8月22日
三次神経内科の外観

医療法人微風会 三次神経内科クリニック花の里


〒728-0013
広島県三次市十日市東4-3-10
TEL:0824-63-0330

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