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家族と隣人の理解・サポート力を育てる
<東京都世田谷区 亀井内科・神経内科クリニック>

院長 亀井敦行先生 院長 亀井敦行先生

「世田谷の奥座敷」と呼ばれる閑静な街、奥沢地区。亀井内科・神経内科クリニックは、そんな住宅街の一角で20年あまりにわたって、地域の患者さんとその家族を見守ってきました。

早期受診・早期診断の鍵を握るのは家族

「1990年に開業した当初は認知症の患者さんは、ほんの数人でしたが、今では15%くらいを占めています。高齢化が進むとともに、確実に認知症の患者さんも増えていると実感しますね」と亀井内科・神経内科クリニック院長の亀井敦行先生は語ります。

認知症治療における問題点として、亀井先生がまずあげるのは早期受診の難しさです。患者さん本人が、もの忘れを心配して自ら受診するケースはごくわずかで、いかに家族が早く気づくかが重要になります。

「娘さんやお嫁さんなど女性のほうが男性より気づくのが早いです」と亀井先生は指摘します。家族のなかでも女性は朝から晩まで高齢者と一緒にいることが多く、薬を飲み忘れたり、母親(お姑さん)の料理の味が変わったりといった小さな変化に気づきやすいのです。ところが、息子さんなど男性の場合は、こういった細かな点に気づきにくいだけでなく、女性である奥さんが異変に気づいて相談を持ちかけてきたのに対して、「自分の親が認知症になるはずがない」と否認したり、「俺の親を馬鹿にするな」と怒って奥さんを責めたりすることもあるとのこと。

そして、認知症以外に考えられないような、決定的な言動を目の当たりにして、慌てて医者に連れて来たときには、すでに重度に進んでしまっているのです。「せっかく、お嫁さんが小さな変化に気づいていたのに、息子さん(夫)が認めなかったために、受診が遅れたというケースなどは、本当に悔やまれます」(亀井先生)。

認知症という言葉に抵抗を感じるのは患者さん本人も家族も同じなので、「もの忘れ」という言い方をするよう心がけていると亀井先生は語ります。

 

クリニックで「家族会議」を開くことも

認知症は患者さん本人よりも家族の負担が大きいと言われます。親や配偶者が認知症になったことを受容するために家族が学ばなければならないことはたくさんあり、またBPSD(周辺症状)などの症状に適切に対応するためにも、ご家族への指導が医師の重要な役目であると亀井先生は考えています。介護の負担が家族関係にトラブルを起こすことも珍しくないので、クリニックの待合室に家族を集め、亀井先生も参加しての『家族会議』を行うこともあるそうです。

「どれだけ認知症について勉強して知識を深めても、日々の介護のたいへんさは変わらないですし、辛いことはたくさんあります。だからといって落ち込まないで!というのが、ご家族の皆さんに一番伝えたいことですね。うまくケアできなかったことを悔やむより、それを教訓やバネにして次はうまく対処するぞ!と前向きでいるほうが気持ちが楽になります。それに、ご家族が楽な気持ちでいると、患者さんも落ち着いてくるんですよ」(亀井先生)。

 

服薬管理をする人が必ず必要

認知症と診断され背景疾患が何かが明らかになると、アルツハイマー病の場合は治療薬が処方されます。他のタイプの認知症であっても高齢者は何かと薬を飲んでいることが多いものですが、認知症患者さん一人ひとりに服薬管理をする人をきちんと配置すべきだと亀井先生は考えています。

かつて先生の患者さんにも、1週間分の薬を2日で飲んでしまった人がいました。薬を飲み忘れるのも困りますが、この患者さんのケースのように、飲んだことを忘れてたくさん飲んでしまうのは非常に危険です。高血圧や糖尿病など慢性疾患の薬も飲みすぎると命に関わる可能性があります。

また、薬をきちんと服用しているかどうかがわからなければ、薬の治療効果を判定することもできません。

家族はもちろん、ヘルパー、訪問看護師、時には隣近所の住人の協力も必要となります。薬を出す薬剤師や医師にも服薬管理がしやすい工夫をすると同時に、患者さんをケアするすべての人との連携を大切にする姿勢が問われます。

 

「一無二少三多」の生活が認知症リスクも低下

認知症を予防するために日常生活で工夫すべき点について先生に尋ねると、「生活習慣病を予防すること」という答が返ってきました。糖尿病などの生活習慣病が、認知症の発生確率を高めている可能性が高いのです。また、ふだん運動をしない人よりも、する人の方が認知症になる可能性が低いというデータもあるそうです。

「生活習慣病を防ぐためには『一無二少三多』が大切だと言われます。それはつまり認知症のリスクも下げますし、あらゆる病気を防ぎ、体調を良くしますよ」と亀井先生。

これは、日本生活習慣病予防協会が提唱しているライフスタイルで、一無は禁煙、二少は少食と少酒、三多は多動・多接・多休を表しています。一無二少については説明不要でしょう。多動は運動、多休は休養、そして多接は多くの人、事、物に接するということを指しています。好奇心を保ち、様々な刺激を受ける生活が心にも体にも良い影響を与えるだけでなく、多くの人から支えてもらえるネットワークを築くことにもなります。

 

住人みんなで支える地域をつくりたい

同クリニックがある奥沢地区では2世代以上が同居する家庭が多いですが、高齢夫婦のふたり暮らしや、独居の高齢者も少なくありません。「20年、この地域で診療を続けているので、それぞれの家族構成や家庭の様子も見えてきます。若い人のいない家庭などでは、私自身が認知症の第一発見者になるケースも出てきています。しかし、当クリニックに来たことがない人や、そもそも健康であまり医者にかかったことがない人までは、私も把握しきれません。となると、家族ではない知人・友人、近所の人たちの『気づき』や行動も重要になってくるのです」(亀井先生)。

市民講座や医療フォーラムで講師を務めることも多い亀井先生ですが、一般向けの講演では1000人を超える聴講者が集まることも多く、認知症への関心が高まっていることをひしひしと感じるそうです。

「今後も認知症の患者さんは確実に増加していくはずです。医療と介護、行政の連携を強化することはもちろん重要ですが、さらに地域全体で支える仕組みが必要になってくると思います。ですから、高齢者ご本人やご家族だけでなく、地域の老若男女すべての住人が認知症について関心と基礎知識をもって、近所のおじいちゃん、おばあちゃんの様子に気を配ってくれる状態が理想です。そのために、今後は地元の奥沢地域での啓蒙活動に特に力を入れていきたいと思っています」と亀井先生は決意を語ります。

 

 

取材日:2011年8月22日
亀井内科神経内科クリニックの外観

亀井内科・神経内科クリニック


〒158-0083
東京都世田谷区奥沢4-15-7
TEL:03-3726-1108

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