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老健施設との医療連携で認知症患者さんの積極的な受け入れとケアを
<埼玉県羽生市 医療法人樫楠会 冨田脳外科クリニック>

冨田脳外科クリニック 院長 冨田丈博先生 冨田脳外科クリニック
院長 冨田丈博先生

脳神経外科、神経内科、麻酔科(ペインクリニック)、放射線科を標榜科目としている冨田脳外科クリニック。しっかりと鑑別診断を行いながら、市内の老健施設などと連携して、認知症患者さんやご家族の治療、サポートを積極的に行っています。

認知症との出会いは開業後 特にここ10年は増加傾向に

冨田脳外科クリニックでは、1983年の開院以来、脳外科領域の診療に加えて、神経内 科系疾患の患者さんも年々増加しており、認知症の診断や治療も手がけています。特に2000年に介護保険制度が導入されてからは、年々認知症患者さんが増えていると言います。

「来院された患者さんには、本当に認知症なのか、初老性うつ病なのか、あるいは正常圧水頭症や慢性硬膜下血腫など外科的治療が可能な認知症なのか、しっかり鑑別をすることから始めています」(冨田先生)。

クリニックでは、まず問診を行った後に、見当識や記憶力、計算力などをみるオリジナルの認知機能検査をし、CTで器質的な異常の有無を検査し、診断します。さらに、必要に応じて心電図やX線、血液検査などで詳細に調べることもあると言います。

冨田脳外科クリニック 看護師 松本邦子さん 冨田脳外科クリニック
看護師 松本邦子さん

MMSE(認知機能検査)は看護師が実施しますが、若い看護師を教育する立場である看護師の松本邦子さんは、認知症患者さんと接するときの心がまえをこのように指導しています。

「まず、当たり前のことですが、目上の方なので敬語を使うこと。そして、『おじいちゃん、おばあちゃん』ではなく、『OOさん』と名前を呼びましょうと伝えています」(松本さん)。

また、移動時の動作がゆっくりであっても、決して焦らせないことも大切だと言います。焦らせることで転んでしまったり、認知症テストの際も答えられることも答えられなくなってしまったりすることもあるため、患者さんのペースに合わせて、時間をかけてゆっくり対応することを心がけ、スタッフにも指導しています。

 

認知症の原因を見極め、しっかり鑑別した上で治療選択を

認知症には、正常圧水頭症のように外科的な治療で治るもの、薬物療法をするものの他に、甲状腺の病気や心臓病などの全身疾患によって認知症の症状が起こることもあると冨田先生は言います。

「不整脈、特に徐脈が強いと脳の血液循環が悪くなり、せん妄や徘徊など認知症の一部の症状が出てくることがあるのです」(冨田先生)。

また、認知症の疑いで受診した患者さんが、実はうつ病だったこともあるとのこと。初老期のうつ病患者さんには、認知症のような症状がみられることもあり、なかなか鑑別が難しいと言います。

「70歳代の男性で、免許更新のときに認知症のチェックでひっかかり、免許更新ができなかったというのです。受診して検査を受けられましたが、CTは問題なく、認知機能検査の点数も高い。もしかして・・・・・・と思い、よくよく話を聞いてみたら、家族や仕事のことでいろいろ大変な思いをされていて、うつ状態になっていたのです。幸い、治療をしたらよくなって、免許も再更新でき、今は仕事もしていますよ」(冨田先生)。

認知症患者さんは、もの忘れや妄想、失認などの症状などによって不安が大きくなり、周囲にあたってしまったり、周辺症状などによって「物を取られた」などと怒ったりすることも多いもの。そういうときにいちばん大変な思いをするのは、患者さんのいちばん近くでお世話をしているご家族だと言います。そのためにストレスがたまって胃潰瘍になったり、「介護うつ」になってしまうこともあり、冨田先生は診察のときに、そういうご家族のフォローをすることも大切な務めだと考えています。

「いちばん患者さんのお世話をしている人が、どうしても患者さんにいちばん怒られる人になってしまうんですよね。ですから、話を聞いたり、励ましたりしつつ、『物がなくなった、取られたという場合は、一緒に探そうといって本人に発見させるといいよ』など、患者さんへの接し方などについて、具体的なアドバイスをするようにしています」(冨田先生)。

 

老健施設などと医療連携をとることできめ細かいケアを

社会の高齢化と地域における認知症患者さんの増加を受け、埼玉県では医師会によって介護老人保健施設が設立されています。同クリニックは、そのうちのひとつとして2001年に設立されたカノープス☆羽生と医療連携しています。

「以前は、クリニックだけで全ての患者さんを受け入れきれず、在宅介護が可能な患者さんは家に帰ってもらい、往診したこともありました。現在は、カノープス☆羽生など、信頼できる施設と連携できているので、とても助かっていますし、安心して患者さんを任せています」(冨田先生)。

老健施設は、症状が回復したら在宅介護に戻すことを前提に、ケアやリハビリを行う施設。カノープス☆羽生では、長期ステイの利用者さんが100名、通所リハビリの利用者さんが45名、その他に短期入所の利用者さんも受け入れています。スタッフは、医師と看護師、介護職員、理学療法士や作業療法士、ケアマネジャーなどおよそ110名の大所帯です。

カノープス☆羽生 施設長 神田裕三先生 カノープス☆羽生
施設長 神田裕三先生

レクリエーションや食事など多目的に使用する太陽広場 レクリエーションや食事など
多目的に使用する太陽広場

医師でもある施設長の神田裕三先生は、施設のいちばんの特色は、医師会設立の施設という利点を生かした「羽生市医師会からの全面的なバックアップが得られること」だと言います。医療が必要な場合に、すぐ手が差し伸べられることは非常に心強いとのこと。

また、施設内を「イースト」と「ウエスト」に二分し、重度の利用者さんは、より手厚い介護が受けられるようなシステムをとっています。さらに、リハビリスタッフを充実させ、在宅復帰を目標に積極的にリハビリを行っていること、全施設がワンフロアで安全面や快適さを追求した設計になっていることも特色と言えます。

「天井が高く、光もよく入る『太陽広場』という大きな体育館のような場所もあり、食事をしたり、夏には納涼祭をしたり、運動会をしたり、利用者さん方に様々に楽しんでいただいています」(神田先生)。

 

職種間の連携と情報共有を大切にひとりひとりに応じたケアを

カノープス☆羽生 リハビリ 山本貴一さん カノープス☆羽生
リハビリ 山本貴一さん

カノープス☆羽生  介護 安次富剛さん カノープス☆羽生
介護 安次富剛さん

利用者さんのリハビリを担当している山本貴一さんは、入所したらまず、その利用者さんの状態を把握し、「トイレはこちらです」「車いすのブレーキはかけましょう」と張り紙をするなど、利用者さんによって特に配慮や注意が必要なところに留意しながら環境の整備を行っています。

認知機能のリハビリには「個別対応」と「集団対応」があり、個別対応は「知的機能を中心とした学習法」と「作業的な活動」に分かれています。集団対応では、5、6人のグループで交流や活動を行い、利用者さんが安心できる場をつくることを目標としているのです。

「利用者さんは人生の大先輩になるので、指導するというより、少しずつでもできたことを一緒に喜ぶという気持ちを大切にしています。スタッフ一同、気持ちを大切にする意識を徹底し、相手との関係づくりに生かせるようにしています」(山本さん)。

介護の仕事をしている安次富剛さんは、「ちょっとした環境の変化で利用者さんの気分が変わることもある」と言います。カノープス☆羽生では、利用者さんのレクリエーションの一環として、書道、絵画、園芸、手芸、音楽などのクラブ活動を行っていますが、いつもと違う場所で行うだけでも、利用者さんの反応が変わると言います。

「例えば、音楽などでも、天気の良い日に中庭に機材や楽器を持ち出すだけで準備してやると、より楽しんでいただけることも。利用者さんにとって、より楽しんだり、積極的に参加していただくための『環境の設定』も大切だと感じています」と安次富さんは語ります。

また、リハビリ担当者と連携し、例えばおむつの交換のとき、ベッドの上ではなくトイレまで移動し立っていただいて替えるなど、生活のなかに利用者さんの状況に応じたリハビリを積極的に取り入れています。このように、利用者さんのケアにおいてはリハビリと介護など、職種間の連携をしっかりすることも大切だと安次富さんは言います。

「スタッフ同士の『伝達』と『実践』が非常に大切だと思うので、リハビリ担当の私が介護の現場に出向いて、そこで実際に介護の担当者と実践しながら確認していくことも多いですね」(山本さん)。

カノープス☆羽生 ケアマネジャー 関口敏江さん カノープス☆羽生
ケアマネジャー 関口敏江さん

カノープス☆羽生では、3カ月後のビジョンをもとに、利用者さんひとりひとりの身体的、精神的、環境的な問題を話し合い、ケアプランをたてていますが、ケアマネジャーである関口敏江さんは、ケアプランにおいても、山本さんや安次富さんが言うように「職種間の連携と情報共有が重要」と考えています。

「特に細かい情報は伝わりにくいので、頻繁に会議を開いたり、部門ごとにカンファレンスをしたりしています。PCを活用した情報共有化の準備を進めているところなので、それが導入されればさらに徹底されると期待しています」(関口さん)。

 

早期発見や独居の患者さんのケアなど、多様な課題も

冨田脳外科クリニックの冨田丈博先生とスタッフの皆さん(前院長、冨田年朗先生とともに) 冨田脳外科クリニックの
冨田丈博先生とスタッフの皆さん
(前院長、冨田年朗先生とともに)

今後の課題として、神田先生は「ひとりひとりに合った、よりきめ細かな介護」と言います。

「利用者さんそれぞれが、認知度も身体的、家庭的条件も異なるので、おひとりおひとりにいかにきめ細かく、満足度の高いケアができるか。人を相手にするお仕事ですから、今でも定数の人員はおりますが、さらにスタッフの数を増やすことや、スタッフが元気に働けるためのケアなどを考えていくことも不可欠だと考えています」(神田先生)。

また、冨田脳外科クリニック院長の冨田先生は、介護保険が適用にならない認知症の前段階の人や、独居の患者さんにまで目を向け、サポートしていくことが課題だと考えています。

「羽生市はカノープス☆羽生などの施設との連携や、近隣同士のつながりがしっかりできているので安心できる面もありますが、そうでない地域もありますから。高齢者だけの世帯は今後さらに増えていくことが考えられるので、医療と介護、施設、行政とが連携し、きちんと対応していかなければならないと考えています」(冨田先生)。

 

 

取材日:2012年3月26日
冨田脳外科クリニックの外観

医療法人樫楠会 冨田脳外科クリニック


〒348-0053
埼玉県羽生市南3-3-11
TEL:048-563-0050

 

介護老人保健施設 カノープス☆羽生

羽生市医師会立 介護老人保健施設
カノープス☆羽生


〒348-0051
埼玉県羽生市本川俣1305
TEL:048-563-3322

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