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地元ニーズと患者さんとご家族の生活に寄り添う
<愛媛県新居浜市 こんどう心療内科>

医師 近藤啓次先生 医師 近藤啓次先生

JR新居浜駅から徒歩3分に位置する「こんどう心療内科」は、昨年7月に開院したばかりの新しいクリニックです。心身ともに元気を取り戻したいと願う患者さんの希望を実現する医療を目指し、旧約聖書で希望のシンボルとして描かれているオリーブの葉と果実がクリニックのロゴマークとなっています。

認知症専門医がいなかった新居浜地区

こんどう心療内科は、まだ開業してから1年余りのクリニックですが、「認知症の患者さんを診てくれる」と地域の人から頼りにされ、多くの認知症患者さんが訪れています。そもそも院長の近藤啓次先生が開業したのも、この地区には、認知症専門のクリニックがなかったからでした。以前は近隣の市と合わせても、大学病院から派遣された医師が週に1度来る程度。高齢化が進み、認知症の患者さんが増えても、それに対応する医療機関が圧倒的に少ないという現状がありました。

「新居浜市という県の周辺部になると精神科医の数も少なかったのです。もともとここは自分の出身地だったので、何とか地元の役に立てないかと思っていた時、開業の誘いを受けたのがきっかけになりました」(近藤先生)。

近藤先生は、開院以前の病院勤務時代から認知症の患者さんを長く診てきた豊富な経験がありました。病院勤務時代には、認知症の中でも重度の認知症患者さんや入院希望の患者さんを診ることが多かったのですが、開業してからは早期や認知症になる前段階の患者さんや自宅で暮らしながら通院治療を希望される患者さんが多くなったといいます。まだスタートしたばかりとはいえ、今まで通院も入院もできなかった患者さんやそのご家族が、困った時に相談できる場所として機能し始めたことは、地元の人たちにとって大きな意味がありました。

 

時間をかけて患者さんやご家族のお話に寄り添う

同クリニックでは、診察前に心理士による問診を30分以上かけて行うほか、初診時には特にじっくり時間をかけてご本人とご家族にお話を聞いています。連携している病院で脳のMRI画像は撮ってきてもらい、体の状態や所見を確認しながら正確な診断を行い、今後の見通しをつけていくのだとか。生活状況の聞き取り、介護保険の申請についての助言や意見書の作成などは、個々の患者さんによって事情も異なるためとても時間がかかります。

「今後の方針についてご家族が同意されてもご本人が嫌がって、デイケアサービスの利用につながらないケースも珍しくありません。『先生から本人に言ってもらえませんか?』とご家族に頼まれて、根気強く説得を重ねてようやく『そうやね』と納得してもらうことも多々あります」(近藤先生)。

また治療においては、薬物療法はあくまで補助的な位置づけとし、まずはご本人の生活をどのように組み立てるかを考え、提案していくのが同院の特徴です。家の中に閉じこもって何もせずにじっとしている患者さんであっても、そこにデイサービスを取り入れて、薬を補助的に使うだけでも意欲を取り戻すケースが多いのだそうです。

「特に初期や軽度の場合、少なくとも体を動かすことは改善につながります。初診時にはMMSE(認知機能検査)の点数が低かった方でも、デイケアサービスに行き、薬を服用することで点数が上昇する傾向が見られます。それによってご家族のご苦労度もだいぶ違ってきます」(近藤先生)。

 

よりよい生活を送る可能性を広げる医療を提供したい

今の認知症医療の第一の問題点として、近藤先生は「治らない疾病とされてしまうと、そこで興味を失ってしまう医師が多い」と指摘します。いかによりよい生活ができるかという視点から医療ができることは多々あり、もう治らないといわれている病気にも興味を持ち、認知症の患者さんがどんな生活が可能なのかを医療側からもっとアプローチしてもいいのではないかというのです。

「勤務医の頃から私が8年くらいずっと診ているピック病の若い患者さんがいます。当初は周辺症状が強く出て保護室を使わないといけないほどだったのですが、今はご自宅で過ごせるようになりました。その間、本当に献身的に介護なさっているご家族の姿を見て、とても頭が下がりました。ですから、ほんの少しであっても医療ができることを提供したいと思うのです」(近藤先生)。

また、第二の問題点として、近藤先生は「認知症の患者さんに対して抗不安薬が処方されているケース」を挙げています。抗不安薬を使うと逆に症状を悪くすることや、かなり重度のように見えてしまうことが多いため、抗不安薬の使い方を見直してもらう必要があるのではないかといいます。実際、同クリニックで抗不安薬をやめたら良くなったケースもありました。同クリニックでは飲み薬が飲めるかどうか、問題行動が出ているかどうか、2週間に1度の通院が可能かどうかなど、それぞれの患者さんの症状や状況に合わせ、きめ細かく薬を処方しています。

 

地域ネットワークの充実が課題

新居浜地区は、もともと医療機関が少ない地域だったこともあり、特に今後地域全体で認知症患者さんを支えていくネットワーク作りが課題となっています。まずは、医師会のメンバーが参加する「新居浜認知症ネットワーク」という認知症について学び合う小さな研究会も発足し、もちろん同クリニックも参加しています。今年5月には「第一回新居浜認知症ネットワーク~認知症における地域ネットワークの重要性」と題し、熊本大学の教授を招いた講演会も実施。さらに、医師が集まって認知症についての勉強会を行い、そうした勉強会に参加した先生方をパンフレットに載せて市内中に配り、患者さんやそのご家族に「困ったらここに来てほしい」と呼びかけようとしています。

現在はまだ医師同士のネットワークですが、今後は介護や福祉機関、行政などにも呼びかけ、患者さんとそのご家族がより安心できる地域のネットワークが構築されていく予定です。

 

 

取材日:2011年9月21日
こんどう心療内科の外観

こんどう心療内科


〒792-0812
愛媛県新居浜市坂井町2-5-14
TEL:0897-37-3888

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