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丁寧なアドバイスと細やかな地域連携で患者と家族を支える
<兵庫県神戸市 髙塚クリニック>

院長 髙塚勝哉先生 院長 髙塚勝哉先生

神戸の阪急六甲駅から南へ約2~3分の至便の位置にあり、約250人以上の認知症患者を診ている髙塚クリニック。院長である髙塚勝哉先生は“街の神経内科医”として各種の神経難病患者や認知症患者の診察・治療に当たる一方、地域の開業医や総合病院と連携し、患者さんとご家族の手厚いサポートに取り組んでいます。

正確に診断をつけるため、新患はじっくり診察

神経内科の専門医である髙塚先生が、神戸市立中央市民病院内科(神経内科) 医長を経て、神戸市灘区に髙塚クリニックを開業したのは2000年のこと。

認知症はパーキンソン病などと並ぶ神経内科の主要な病気の一つですが、同クリニックでは近年認知症患者の受診が増えているといいます。口コミをきっかけに来院される患者さんも多く、神戸市全域から受診されるが、神戸市外や他府県の方も少なくありません。

「そもそも神経内科の専門医が少なく、中堅病院からも神経内科の診療科がない場合、認知症の疑いがある患者さんや神経難病の疑われる患者さんが当院を紹介されて来られることもよくあります。」そう語る髙塚先生の診察の特徴は、じっくりと時間をかけて患者さんと向き合うこと。特に初診の方の場合、1時間以上かけることも多くあります。

「『先生は、いくら待合室が混んでいても診察のペースを変えんなあ。そこが先生のええところでもあるんやけどなあ』と、嘆息まじりに、少し冗談めかしながらもそう言ってくれる患者さんもあり、心苦しいながらもホッとします」と高塚先生は話します。

「確かに診察は長いですね(笑)。お待たせすることも多くて申し訳ないと思っています。」苦笑しながらそう話す髙塚先生は「そもそも神経内科の、特に認知症の診察には時間がかかるものなんです。早期にしっかり診断をつけて、日常生活でいろいろ困っていることのどれが中核症状に、どれが周辺症状によるものか等々を見極め、適切なアドバイスや治療を行うことが重要ですから」と、症状を早い段階で見極めることの重要性を語ります。

 

患者さんの運動機能や会話の内容をくまなくチェック

最初は患者さんの全身を診る――それが髙塚先生の基本姿勢です。歩く、話すなど動作の一つ一つを丹念にチェックします。レビー小体型や前頭側頭型の患者さんは、当初から運動機能に問題があることが多いため、こうした検査で確認をするのです。

また、アルツハイマー型の場合、患者さんの受け答えの内容が本当に正しいのか、患者さんが別室で検査しているときなどにご家族に確認します。

「正確に診断するためには、ご家族への確認が欠かせません。ご本人を信じることも大事ですけれど、患者さんの状態をはっきりさせることが一番重要ですから。」(髙塚先生)

診断がついたら、じっくりと時間をかけてご家族に説明します。

「認知症には、もの忘れなどの中核症状と、暴力や徘徊などの周辺症状がありますが、大半のご家族は区別がついていません。ご家族の多くは周辺症状に悩んでおられますが、実はその症状の原因が、患者さんに対するご家族の接し方にある場合も多いのです。」髙塚先生はご家族にそう注意を促します。

 

家族が納得するまで丁寧に説明

「中核症状は徐々に進行しますが、周辺症状は改善できる。そのためにはご家族や介護する人が、患者さんに優しく根気よく接することが大事です。」髙塚先生は患者さんへの接し方の大切さを説きます。

「『どうして昔のことはよく憶えているのに今言ったことをすぐに忘れるの!』と怒るご家族がいますが、患者さんは新しいことを記憶するのが難しくなっているんですよ。一方で昔の記憶はすでに脳の中に整理整頓されているので出てきやすい。そうした記憶をうまく引き出してあげることが大事です」と具体的なアドバイスをおくります。

「例えば患者さんに料理の経験があるのなら、ご家族と一緒に食事を作ればいい。ご家族が時折、手順のヒントを示して記憶を引き出しながら、うまく作れたら一緒に喜ぶ。そんな温かいやりとりが周辺症状の改善につながります。体で憶えた記憶は結構よく憶えています。このことを上手に利用するのです。」

こうしたご家族への説明のために、髙塚先生は100ページ以上にも及ぶ自作のパワーポイント資料を用意しています。過去の患者さんの症例を具体的に示しながら、中核症状が進んでも、周囲の接し方によって、いかに患者さんの周辺症状が和らぐかなどを説明します。ほかには、認知症の症状や進み方などが、具体的な事例を交えて詳しく記されています。こうしたじっくり時間をかけて行う説明を聞いて、「先生のところに来てやっと納得ができました」と安心されるご家族も少なくありません。

 

時間をかけて信頼関係をつくる

待合室にもたくさんの絵や植物が置かれている。中には患者さんが描いてくれた絵もある。 待合室にもたくさんの絵や植物が置かれている。
中には患者さんが描いてくれた絵もある。

同クリニックの診察室は、病院の診察室としては珍しく、大きな窓から青々とした木々が見えます。その景色に「きれいな緑。ほっとするねえ」と目を細める認知症の患者さんがいるそうです。「これは素晴らしいことです。患者さんがとてもいい状態だということ。もの忘れがあっても、周りを見る余裕も、感動する心もある。ご家族には、そのことを忘れないでいてほしいですね」と髙塚先生は語ります。

ご家族にとって、病気は理解できても、ご自身の患者さんに対する接し方を変えるのは大変だと髙塚先生は話します。「『こういう接し方だと、患者さんにこういう周辺症状が出てしまう』と具体的に説明すると、ご家族は非常に納得されます。でも多くの方は『わかっていても、なかなかできない』ともおっしゃいます。実際に接し方を変えて、患者さんの状態が改善してくると、やっとご理解いただけますね。」

「時間がかかって大変だけれど、こうして患者さんやご家族との信頼関係ができていきます。『もの忘れは進んでいるけれど、おじいちゃんの表情が以前より穏やかになった』という声をよく聞きます。それだけに早い段階で症状を見極め、的確なアドバイスを行うという医師の使命は大きいのです。」(髙塚先生)

 

早期発見のカギは、かかりつけ医の判断

「一人の医者が何でも診る『総合医』という考え方があります。確かに私は内科医でもありますから、胃腸や循環器の疾病の疑いを察知しなければなりませんが、自分でエコーや内視鏡検査まで行うのは現実的に難しい。適切な検査、診察ができる専門医を紹介するべきです」というのが髙塚先生の持論。そこで、力量と熱意のある近隣の開業医との信頼関係を育み、ネットワークを広げてきました。

こうした診診連携を生かす一方、高度な検査や入院が必要な患者さんには総合病院を紹介するなど、病診連携も生かしながらクリニックの患者さんをトータルに支えています。

そして髙塚先生は「こうした診診連携は、認知症の早期発見にも有効」だと指摘します。

認知症の疑いを抱いた当初、患者さんやご家族は地元のかかりつけ医に相談することが多くあります。

「しかし、一見受け答えの達者なアルツハイマー型を早期に見極めるのはなかなか難しく、そこで見落とすと、あとあと治療や介護の負担が大きくなります。」さらに髙塚先生は続けて「逆にかなり明確な周辺症状が見られる場合、かかりつけ医は極めて重症の認知症と判断し、家族では面倒みきれないとして、すぐに施設を紹介するケースがある。しかし、先ほど申し上げたように、周辺症状はご家族の対応で改善できる可能性があるし、薬も進歩しています。すぐに介護施設に、いわば“医療の外”に出してしまうのはいかがなものか」と課題を示します。

 

連携を生かして認知症患者をケア

こうした課題に対応するために、診診連携のネットワークをベースに勉強会も続けています。

例えば、認知症がテーマとなった場合、髙塚先生から他の参加メンバーに、認知症を見落とさず、適切な治療につなげるための知識や情報を提供するほか、紹介された患者さんの状況をフィードバックしています。

「今後、高齢化が進む中でこうした診診連携はさらに重要になる」という髙塚先生は、介護スタッフとの連携も視野に入れています。

「ここ数年、介護施設の方は熱心に認知症を勉強されて適切な対応をされるようになりました。ただ、老々介護や高齢者の一人暮らしが増えることを考えれば、介護スタッフの方にはもっともっと意識を高めていただきたいし、私たち専門医からも知識を提供するなど積極的に関わっていきたい。」

髙塚先生の視線は、患者さんだけではなく、常にご家族と地域にも注がれています。

 

 

取材日:2011年10月17日
髙塚クリニックの外観

髙塚クリニック


〒657-0051
兵庫県神戸市灘区八幡町2-8-7 セントビル2階
TEL:078-845-8686

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