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最新の医療知識と技術を採り入れ、地域の医療水準と意識を向上
<愛知県豊川市 豊川市民病院>

医師 継泰城先生 医師 継泰城先生

認知症医療に定評があり、脳血流が観察できるSPECT検査を早々と導入・活用してきたことで知られる豊川市民病院。公的機関というポジションを活かし、認知症に対する市民の意識の向上や、地域連携のネットワークづくりを進めてきた同病院の取り組みをお伺いしました。

公的機関として、地域の核となる自覚を

豊川市民病院は豊川地区ならびに東三河地域の基幹病院として広く信頼と実績を積み重ねてきました。同病院の継泰城先生によると、同病院ではその責務と義務を自覚しつつ、認知症はもちろん神経疾患全般にわたり診断から治療までを一貫して医療が提供できるよう目指してきたのだと言います。「中でも認知症は投薬したからといって完治させられる病気ではありません。けれど周囲の対応と協力次第で症状の進行を緩和させることができ、ご本人がいつまでも元気で暮らすことのできる病気でもある。一番大事なのは病気に対する周りの理解の深さと適切な対応だと考えます」

豊川市では地域全体でそういった周囲の協力体制を整え、認知症に対する意識向上を図るべく、認知症サポーター養成講座を開催してきました。受講者には「認知症サポーター」の呼称が与えられます。認知症サポーターとは、認知症を正しく理解し、患者さんやその家族、介護者を見守る応援者のことを指します。特に何かをしなくてはならないという義務があるわけではありませんが、例えば友人や家族に学んだ正しい知識を伝えたり、認知症になった方や家族の気持ちを理解できるよう努めたり、困っている人を見かけたら声をかけたり少しの心配りをするなど、各人のできる範囲で認知症に対する理解と行動を促し、市全体で認知症への意識を向上させようという目的で講座を開催してきました。平成23年現在で約4500人のサポーターが登録されていますが、継先生はそれら一般サポーターの方々と医療・介護関係のプロフェッショナルがうまく連携できるようなリレーションづくりを核となって推進しています。「周囲の意識を底上げできたら、今度はそれをうまく活用させられるネットワークが重要です。その一助にと専門科不問の有志の医師を対象とした勉強会「認知症を考える会」や、地域包括支援センターを中心に介護関係者を対象にした連携の会を行っています。特に医師の勉強会では学会の情報や薬に関する情報に関心が高いですね」(継先生)。

リハビリテーションの成果を正しく評価するために

言語聴覚士 田中克典さん 言語聴覚士 田中克典さん

「リハビリテーションとは実際に患者さんにあるプログラムに従って動いてもらい、各人の動きを見ながら各人に合わせて適切に指示を行い、それに従ってまた動いていただいて...、という繰り返しの作業や運動ができるようになってはじめて治療の成果が見込めるものです。個々の患者さんの能力に合わせてリハビリを行いますので、成果を正しく評価するためにも、その方の理解力や記憶力などの認知機能がどの程度なのかを、事前にしっかりと把握することが大切です」と言語聴覚士の田中克典さんは語ります。

「特に認知症と診断されている方は、本当はよく分かっていなくてもさも理解しているような反応をすることがよくありますし、ちょっとした他者の動きや周りの音にも注意が逸れてしまうことも多く、また急に怒り出したりあまり表情がなかったり、気分のムラもあるので話しかけ方や環境設定には気をつけるようにしています。やはりリハビリテーションはお互いの信頼関係が非常に大事。認知症の方と接する時には必ず笑顔でその方の仕事や趣味・家族の話題などを話しながら楽しい雰囲気を築くように心がけています。慣れない場所で訓練を行うわけですから、なるべく心身ともにリラックスした状態で取り組んでいただくことが重要だと考えています。私自身、学生のころ認知症を患う家族とともに数年過ごしたことがありますし、昼夜問わず大変な時期がありました。『もし今の自分であれば、もっといい対応ができていたのに...』と思っています」(田中さん)。

きちんと一人ずつと向き合い、その方の能力に応じた個別のリハビリを行い、成果を評価する。それを繰り返すことによってリハビリを終え、自宅に戻って生活している患者さんから外出先などで声をかけられる時には、この仕事のやりがいをとても感じると田中さんは言います。認知症に対する意識が高い環境だからこそ、リハビリへの期待の高さと重要性を自覚しつつ真摯に患者さんと毎日向き合っています。

 

認知症に対する最先端の検査と取り組み

看護師 川村裕美さん 看護師 川村裕美さん

認知症の治療薬は、症状の進行を抑えることを目的として処方されますが、内服薬に関しては服用時の対応方法や指導に時間がかかる点など解消していくべき課題はまだまだ多いと感じると言うのは看護師の川村裕美さん。「薬を飲むにあたってご家族が患者さんに怒られたり、またきちんと服用してもらえないという話も聞きます。貼付剤のような患者さんの身体に負担が少なく、また投薬の管理を行うにあたってご家族のストレスも少なくなる薬が出てくるのは現場の人間としてもとても喜ばしいことだと感じています」

一方、医師の立場から「さまざまな新薬が出てくることで治療の選択肢が増え、より個人の症状に適した薬を処方できるようになってきたという点で非常に大きなメリットを感じますね」と継先生は語ります。こと認知症に関しては、薬に対する期待や関心は患者さんとそのご家族、開業医の方が高いと感じているそうで、「新薬に関しては、発売される前から『今度新しいのが出るんですよね?』って皆さん興味津々なんです。今はテレビやインターネットから入る情報が早いので、現場でタイムラグが起こることも珍しくありません」と苦笑。医者であれば患者さんにいい薬を処方したいというのは誰しもが思うと話す一方、できれば認知症は発症する前に止めたいのが医者としての理想だとも。「認知症の予兆を早く見つけ、早くご家族に適切な指示を行い、早く対応してもらうことが肝要であるとの思いから、当院は全国でも早期にSPECT検査を積極的に導入し、認知症の早期発見に努めています。またMIBG心筋シンチというレビー小体型認知症を発見する検査も導入しています。いずれも一般にはまだ馴染みが薄く敷居が少し高い検査ですが、うちではフルに活用させていただくことで万全を期したいと考えています」

 

自然にバックアップができる環境へ

事務 白神千恵さん 事務 白神千恵さん

「認知症の方の中にはさまざまな状況や環境の方がいらっしゃいますので、周囲に支えてくれるシステムがあるというのはご本人にとってもご家族にとっても大変に心強いことですよ」と話すのは同病院事務の白神千恵さん。来院して待ち時間の間に何度も同じことを尋ねてきたり、あるいは家族が事務手続きのために少し目を離した隙にどこかに行っていなくなったりする患者さんも多いとのことですが、同病院では医師、看護師はもちろん事務スタッフに至るまで、いつも誰かがしっかりと目配りをしているという体制が自然に形づくられていったと言います。「それは特別に意識して行っている対応というわけではなく、全員が目配りしているのが普通の状態なんです」。患者さんに指示に従ってもらえないなど、時には難しい場面もあると言いますが、「認知症は継続する病気。患者さんご本人はもちろん介護する立場のご家族がお疲れにならずに治療を続けていけるよう、私たちスタッフもしっかりサポートをしていかねばと日々実感しています」(白神さん)。

さらに継医師も言葉を重ねます。「認知症は誰にとっても身近な病気であると同時に、医師一人でどうにかできる病気ではありません。一人ひとり症状が異なり、各々に合った対処が求められるので一人の知恵だけでは無理なんです。そのためにも我々は、知識を広く伝え、周囲と情報を共有し、幅広い選択肢の中からベストな対応ができる環境づくりを推進していかねばなりません。市民病院という立場上、医療とケア、行政と民間などあらゆる立場の人たちが手を取り合って協力していくためのターミナルとして機能すべく、常に新しい技術と設備を備え、情報共有の機会を積極的に設け、周囲の意識を向上させてバックアップ環境をさらに整えていくことが今後の課題であり責務であると感じています」。

 

 

取材日:2011年8月25日
豊川市民病院の外観

豊川市民病院


〒442-8561  
愛知県豊川市光明町1丁目19番地
TEL:0533-86-1111(代表)

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