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厚生労働省のモデル事業としてスタートしたネットワーク
<愛知県名古屋市 千種区認知症地域連携の会>

黒川医院 院長 黒川豊先生
黒川医院
院長 黒川豊先生

「千種区認知症地域連携の会」は、厚生労働省のモデル事業として認知症介護研究・研修大府センターと千種区医師会の協力により2004年にスタートしました。大都市において認知症高齢者の方とそのご家族をサポートすることを目的としたボランティア多職種連携で、3年間のモデル事業期間が終了した現在は、ボランティア活動としてその活動の場を広げています。

地域ぐるみのサポートシステム構築を目指し発足

千種区認知症地域連携の会のイメージ 千種区認知症地域連携の会のイメージ

連携の会は、大都市で生活する認知症高齢者とその家族を支えるために、行政・保健所・地域包括支援センター・医療機関・弁護士・福祉関係者・ケアマネジャーを含む介護事業者・地域住民・歯科医師・薬剤師等が協力することを目的として設立されたボランティア団体です。

医療機関などそれぞれの分野を代表する「世話人」が集まって運営している連携の会では、次の4つの事業を推進しています。

1.家族や地域住民における認知症についての正しい知識と理解の啓発。
  2.住民による主体的な健康づくりと認知症予防活動・認知症介護予防活動。
  3.認知症の早期発見、相談機能の強化、専門人材の育成。
  4.地域関係者(住民、行政、保健、医療、福祉関係者など)のネットワークによる支援。

連携の会の立ち上げメンバーとして白羽の矢が立ったのが、現在名古屋市千種区で地域のかかりつけ医として診療を行うかたわら代表世話人を務める、黒川医院院長の黒川豊先生でした。黒川先生は、以前静岡県で認知症の診療を手掛ける病院の副院長をしていた経験がありました。また、認知症の患者さんに対応できる医療機関がほとんどなく、家族の方々がとても困っていることを知り、千種区医師会で医師、訪問看護師、ケアマネジャー、ヘルパーなどを対象とした「千種区・東区痴呆疾患研究会」という勉強の会を始め、自ら講師を務めるなどの啓蒙活動を行っていたため、厚生労働省のモデル事業を引き受けることになった際の立ち上げ人のひとりとして取り組むことになりました。

黒川先生とともに立ち上げメンバーとなったのが、当時認知症介護研究・研修大府センターのセンター長を務めており、現在はあさひが丘ホスピタルの名誉院長として物忘れ外来を担当している柴山漠人先生です。柴山先生がこの事業に関わることになったのは、大府センターでの様々な業務を通して「在宅医療や介護を支えるシステムの必要性を痛感していたから」だと言います。黒川先生と柴山先生は協力して認知症診療連携システムとして「名古屋市千種区認知症メディカル・ケア・サポートネットワーク」の構築に着手しました。

 

多職種が参加する地域ネットワークづくりから着手

連携の会が最初に行ったのは、地域全体で認知症患者さんとそのご家族をサポートするネットワークをつくることでした。黒川先生は、認知症患者さんの訪問看護や在宅医療を手掛けた経験から、「認知症患者さんには、生活全般に関わるサポートが必要」ということを実感していたからです。医師や看護師、介護事業者、保健師、弁護士、民生委員など、医療、介護、行政に携わる多職種に向けて連携の会への参画を進め、これに患者さんのご家族も加わった40名で様々な活動に取り組んできました。

この連携の会は、行政と地域住民が加わった会になっていることが大きな特長となっています。多職種の参画者によるネットワークの利点は、認知症患者さんへの対応を迅速かつ的確に行えることにあります。例えば、患者さんや患者さんのご家族がかかりつけ医に相談すると、区役所、保健所、介護保険事業者へ連絡がいき、患者さんの状況に応じて必要な対応をすることができます。また、日常生活に関しては民生委員の協力を得て、包括支援センターや保健所などがサポートします。さらに、認知症の方が詐欺にあった場合などには、弁護士が対応することができます。

東名古屋画像診断クリニック 中村敦子さん 東名古屋画像診断クリニック 中村敦子さん
連携の会が作成した市民向けのパンフレット 連携の会が作成した市民向けのパンフレット

現在、連携の会が行っている具体的な活動内容は、市民向けの講習会やシンポジウム、介護職向けの専門職研究会、懇親会の開催などです。加えて「認知症の人と家族の会」とは相談会の実施や勉強会の講師をしあうなど相互に協力体制をとっています。

こうした活動の要となっているのが、連携の会の世話人のひとりである中村敦子さんです。中村さんは、PET-CT、MRI、エコー等による脳や全身のPET健診を行っている東名古屋画像診断クリニックの営業企画部室長を務めるかたわら、ボランティアで連携の会の事業企画、運営を担当するなかで、シンポジウムのポスターや市民向けのパンフレットなどの制作も手掛けています。「近い将来PETを使った認知症の発症予測診断が可能になるため、認知症に関する知識を深めるためにも参画することになりました」(中村さん)。

 

かかりつけ医の参加と理解を求めることが課題

認知症になった場合、当然その正しい診断と治療が必要になります。かかりつけ医がすべて認知症について詳しいわけではないため、かかりつけ医と専門医の連携が必要です。そのため連携の会は名古屋市医師会にはたらきかけて、名古屋市医師会認知症ケアシステム「安心安全プロジェクト」を作ってもらいました。このシステムはかかりつけ医を窓口として、かかりつけ医からの依頼により、認知症専門病院での確定診断を行い、また認知症周辺症状悪化の場合の受け入れ病院の用意、そして骨折、肺炎等の一般的な疾患発症時の受け入れ病院を用意し、日頃はかかりつけ医が診るというものです。しかし、このシステムへの実質的なかかりつけ医の参加が少ないのが現状です。

池下やすらぎクリニック 上松正幸先生 池下やすらぎクリニック 上松正幸先生

連携の会のメンバーである、池下やすらぎクリニック院長の上松正幸先生は、「まだ地方では精神科へ行くことに抵抗がある方が多いです。例えばうつ病は病気に対して偏見があり、世間体を気にして近くの病院ではなく、あえて郊外で受診されることもありますから、認知症で病院にかかることにも抵抗のある患者さんが多いのでしょう。特に、よほどの興奮状態や幻覚症状などが出ていない限り、いきなり心療内科に来る方は少ないですね」と言います。

「認知症に関して、かかりつけ医の参加と理解を求めること。病診連携や診診連携をできるようにするのが、私たちの使命でもあり、今後の課題です。」(上松先生)。

「患者さんやご家族の認知症への抵抗を少なくするためにも、しっかりとしたネットワークづくりと、連携の会の存在をアピールすることが重要だと思います」(中村さん)。

 

千種区の取り組みを全国へ

連携の会では、千種区だけではなく他のどんな地域でも取り組めることを目指したシステムをつくっています。このシステムを参考にしていただき、構成メンバーも含めて同じようなシステムにすれば、全国どこでも広く連携を取ることが可能になります。このようにして、認知症患者さんとご家族の方々のお役に立てることが連携の会の本来の目的であり願いです。

「まず始めてみてください。取り組むにあたり、障害になったこと、やりにくかったことなど何でもお話ししますので、われわれの取り組みを大いに利用してください」と黒川先生は力強くメッセージを発信します。

 

 

取材日:2011年9月15日
黒川医院の外観

黒川医院

〒464-0848 愛知県名古屋市千種区春岡1-27-6
TEL : 052-762-6366

施設のホームページへ

 

池下やすらぎクリニックの外観

池下やすらぎクリニック

〒464-0841 愛知県名古屋市千種区覚王山通8-70-1
TEL : 052-763-4556

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東名古屋画像診断クリニックの外観

東名古屋画像診断クリニック

〒464-0044 愛知県名古屋市千種区自由ヶ丘3-4-26
TEL : 052-764-1711

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