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ひとつのエリアに医療・福祉・保健の拠点を置く「ホスピタウン」
<鳥取県米子市 医療法人・社会福祉法人真誠会>

医療法人・社会福祉法人真誠会 理事長 小田貢先生 医療法人・社会福祉法人真誠会
理事長 小田貢先生

医療法人・社会福祉法人真誠会は、ひとつのエリアに医療・福祉・保健の拠点をまとめて置く「ホスピタウン」を展開しています。米子市内3カ所のホスピタウンのほか、小規模な福祉拠点も点在させるなど、市内全体を網羅して事業を運営し、高齢になっても地域で暮らし続けるために必要なあらゆるサービスを提供できる町づくりを行っています。

それぞれ特色のある認知症対応通所介護

高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けるためには、医療だけでなく、介護、住まいや生活支援など多くのサービスが必要です。真誠会では、河崎地区の米子ホスピタウン、弓浜地区の弓浜ホスピタウンを中心に、自立した高齢者からターミナルケアが必要な高齢者まで、どのような高齢者でも対応できる住宅・施設を設置。医療拠点としては米子ホスピタウンの真誠会セントラルクリニックがその役割を担い、各地区の福祉・保健施設では、介護から生活支援まで、高齢者の暮らしに必要なあらゆるサービスを提供しています。

医療・福祉のネットワークを築くうえで、認知症の対応に力を入れ始めたのは、地域包括支援センターを受託した2006年頃から。現在では、認知症に対応する施設として、グループホーム、小規模多機能センターのほか、施設ごとにそれぞれ異なる療法を取り入れた通所介護施設があり、患者さん主体で個別性のあるケアに取り組んでいます。

 

医療の本質が学べる認知症治療、理想は全人的治療

真誠会の施設は、外観・内装とも、居心地のよさ、落ち着きなどに配慮しています。理事長の小田貢先生は、生活環境について、「病院は単なるスペースではなく居住空間であり、人が人をリスペクトして快適さを提供するものだと思っています。認知症を含め全ての疾病には環境が影響します。したがって建物も治療の一部なのです。芸術家が作品を世に問うように、私は医療・福祉という作品をつくって世に問います」とその重要性について語ります。そのこだわりは、高齢者にとってどこか懐かしい雰囲気でありながら、施設ごとに異なるコンセプトを持たせたつくりになっていることからもわかります。

また、小田先生は、認知症を通して医療の本質を学ぶことができると語ります。

「認知症には特効薬がありませんから、医師としては無力感を抱きます。しかしこれ以上は治せないという状況があるからこそ、患者さんを受け入れ、患者さんの世界に入って同化し、医師の愛情で魂を救うのです」(小田先生)。

それを可能とするのが、「全人的治療」です。「医師が自分の専門の病気だけを診ているようでは、患者さんの本質を見失い治療がうまくいきません。その人を全人的に、そして健康なときから病気になってやがて亡くなるまで経年的に診ることができる仕組みづくりが必要です」と語る小田先生の考えが、保健からターミナルケアに至るまであらゆるサービスを提供する「ホスピタウン構想」につながったわけです。

 

計算や音読の学習療法で脳を活性化

弓浜ホスピタウンは、介護老人福祉・保健施設を中心に、高齢者住宅や地域包括支援センターなどを備え、通所リハビリや通所介護などの福祉サービスを提供しています。

弓浜脳活性クラブ真誠会「若竹庵」事業責任者 渡絵美子さん 弓浜脳活性クラブ真誠会「若竹庵」
事業責任者 渡絵美子さん

その一角にある、認知症対応型通所介護を行う弓浜脳活性クラブ真誠会「若竹庵」では、簡単な二桁の足し算や音読などを行うことで脳の活性化を図る学習療法を導入しています。介護福祉士の渡絵美子さんは、「問題が簡単すぎて不安を与えることもありますので、始める前にどのような効果があるかを示した脳のMRIによる画像などをお見せし、説明してから取り組んでいただきます」ときちんとコミュニケーションを取るようにしています。効果が実証されている療法として今後の成果が期待されます。

そのほか、女性であれば食器を洗う、洗濯物をたたむなどの生活リハビリを取り入れ、男性であれば楽しく取り組むことができるアクティビティを用意し、達成感を得られるよう工夫しています。

また、入浴においては、「集団で入浴するのではなく、家庭にあるようなお風呂にお一人ずつ入ってもらいます。こうすることで、できないことがあっても、職員が声かけをしながら、少しずつでも自分でできるように見守ることができます」(渡さん)。

このように、個々の利用者に合わせたケアで、楽しみながらも、できる能力を伸ばすことを大切にしています。

 

町おこしと回想療法を兼ねた「綿づくり」

同じ弓浜地区の和田町にある小規模多機能センター真誠会「ふる里」は、二宮金次郎の銅像が学校に建てられた時代をイメージし、平和な田舎に帰ったような雰囲気をコンセプトとしています。通所介護を中心に、訪問介護、宿泊の3つのサービスを実施し、現在25人程度が利用していますが、利用者の8割が和田町内の住民であり、まさに住み慣れた地域で安心して暮らし続けるための施設です。

弓浜地区は古くから綿づくりが盛んで、弓浜絣は山陰の三絵絣とも言われています。そこで同施設では、小田先生の発案で回想療法と町おこしを兼ねて昨年から綿づくりを行っています。幼い頃に綿畑を手伝っていたり、機織りをしていた利用者にとっては、懐かしい作業に取り組むことが脳や身体の機能維持につながっているのです。

小規模多機能センター真誠会「ふる里」管理者 宇野理奈さん 小規模多機能センター真誠会「ふる里」
管理者 宇野理奈さん

介護福祉士の宇野理奈さんは、訪問介護や宿泊などで利用者を複合的にサポートする小規模多機能センターのメリットを、「通所介護の利用者の方のご自宅に訪問介護でお伺いするので、通所介護のときだけでない24時間の生活を知ることができ、利用者の方への理解が深まります」と言います。

しかし、宿泊も可能とはいえ、中心はあくまで通所介護。「どんどん宿泊をケアプランに入れてしまうと、ご自宅から切り離してしまうことになります。利用者の方の生活の場はあくまでご自宅。できるだけ在宅介護で生活していけるようにサポートします」(宇野さん)。

同施設では週に1回、地域の健康な高齢者を対象にした健康教室も開いており、認知症予防を啓発すると共に、もし認知症になっても介護サービスを利用しながら地域で暮らせることをアピールしています。

 

喫茶ルームの準備・片づけで生活リハビリ

同じ弓浜地区で認知症対応型通所介護を行っている富益しあわせデイサービスでは、歌謡体操に取り組んでいます。ただし、特別なプログラムは設けず、家庭的な雰囲気のなかで利用者一人ひとりのペースで過ごすことを大切にしています。午後1~2時は喫茶ルーム「緑庵」を開設し地域にも開放、利用者がコーヒー豆を挽いたり、洗った食器を拭くなど、準備や片づけを生活リハビリとして行っています。

富益しあわせデイサービス 事業責任者 福島貴雄さん 富益しあわせデイサービス
事業責任者 福島貴雄さん

介護福祉士の福島貴雄さんは、「ご家族にお聞きすると、ご自宅では何もせず過ごしていた利用者の方が、家でも食器を洗うようになったそうです」と生活リハビリの効果を挙げます。

富益町という地域に密着した施設であるため、デイサービスを利用して昔の友人に再会する利用者も少なくありません。「昔話ができるので、デイサービスを利用する前夜は楽しそうに支度をしている、とご家族からお聞きします」(福島さん)。

地域の保育園などからボランティアが訪れる機会も多く、今後は地域の行事にも参加して、さらにつながりを深めていきたいと福島さんは語ります。

 

利用者とスタッフがひとつの家族となるグループホーム

富益しあわせデイサービスと同じ敷地内にあるのが、グループホーム「青松庵」です。松林のなかにある建物は、鉄筋コンクリート造りでありながら木材を豊富に取り入れ、古い日本家屋をイメージした和風情緒漂う空間。出入り口は昔ながらの引き戸で、ほどよい広さのリビングには、六角形の畳スペースも設けられています。

グループホーム「青松庵」管理者 安田博子さん グループホーム「青松庵」
管理者 安田博子さん

9人の利用者に対し、日勤で常駐するスタッフは3人です。社会福祉士の安田博子さんは「私たち3人のスタッフが一方的に介護するのではなく、12人がひとつの家族として、利用者の方々に得意なことを発揮してもらいながら料理や洗濯などを一緒に行っています」と、ここが普通の暮らしの場であることを強調します。

「手早く作業したい人もいれば、ゆっくりと静かに過ごしたい人もいます。一人ひとり好みのペースがあるので、その人のライフスタイルを尊重しています。要介護3以上の人が多くを占めますが、利用者の方同士が楽しそうに笑って話をしていると嬉しくなります」(安田さん)。

地域とのつながりは深く、避難訓練時のサポート、絵手紙やハーモニカ、俳句などの指導、さらには保育園児などの定期的な訪問もあります。

「子どもの影響は大きいですね。あまり表情を変えないような利用者の方でも、子どもを見るとにこやかになります。介護は介護、保育は保育と分けて考えずに、一緒にできるといいですね。子どもがいて、高齢者がいるというのが自然な姿だと思います」(安田さん)。

 

50種類のオルゴールと童謡で落ち着いた時間を

脳活性クラブ米子真誠会「童謡の里」スーパーバイザー 佐平登志美さん 脳活性クラブ米子真誠会「童謡の里」
スーパーバイザー 佐平登志美さん


脳活性クラブ米子真誠会「童謡の里」事業責任者 松井智さん 脳活性クラブ米子真誠会「童謡の里」
事業責任者 松井智さん

河崎地区にある米子ホスピタウンは、セントラルクリニックのほか、複数の医療・福祉施設を備えます。そのひとつである認知症専門通所介護の脳活性クラブ米子真誠会「童謡の里」は、昭和初期の子どもの世界をイメージした施設です。以前保育園だった建物に50種類ほどのオルゴールを揃え、子ども時代に馴染んだオルゴールのやさしい音色に触れることで落ち着いた時間を過ごすことができます。

看護師の佐平登志美さんは、「オルゴール療法は血流が良くなり体温が上がるという報告があります。また、オルゴールを流すだけでなく、童謡を歌ったり昔話に花を咲かせたりもします」と育った時代が異なりながらも、利用者の子ども時代に寄り添う姿勢を見せます。

介護福祉士の松井智さんは、「利用者の方は季節感がなくなりがちですから、秋にはススキを飾って『うさぎうさぎ』のオルゴールと組み合わせ、春には桜を取り入れるなど、季節感を出しています」と工夫を凝らしています。

このように、オルゴールの音色に秘められた力が、認知症の人に楽しいひとときを過ごしてもらうのに大いに役立っているのです。

 

和の雰囲気にこだわった空間で抹茶療法

国道431号線沿いの米子中央ホスピタウンは、真誠会で最も新しい総合施設です。2011年9月にリハビリ強化型通所介護「セントラルローズガーデン」と認知症対応通所介護のセントラル脳活性クラブ真誠会「けやき庵」がオープン。様々な通所介護サービスのほか、訪問看護や訪問介護、福祉用具のリースまで、地域で総合的なサービスを提供する拠点となります。

セントラル脳活性クラブ真誠会「けやき庵」事業責任者 道祖正紀さん セントラル脳活性クラブ真誠会「けやき庵」
事業責任者 道祖正紀さん

施設ごとに特色のある真誠会ですが、けやき庵では内装に和の雰囲気を取り入れ、小田先生のアイデアで抹茶療法を行っています。抹茶自体の健康推進効果と共に、一服するという落ち着いた時間と空間による効果が期待されています。

介護福祉士の道祖正紀さんは、「まだ始まったばかりですから、まずは抹茶療法の効果を探りつつ、ご家族を含めたケアを大切にしたいですね」とご家族への配慮も重視しています。それと同時に、「小学校の隣にありますので、下校時に子どもの声が聞こえてくる空間です。地域との交流を大切にして、地域に開かれた施設を目指したい」と言います。

同じ建物内にあるセントラルローズガーデンでは、パワーリハビリ用の機器を4機種2セット備え、要支援1・2の人を対象に、健康運動指導士が運動に特化したプログラムを提供しています。自立した高齢者が米子市の介護予防トレーニング「がいなみっく運動プログラム」を受けることや、一般の人が指導を受けながらトレーニングを行うことも可能です。

 

認知症でも困らない、安心して暮らせる地域づくりへ

介護老人保健施設「ゆうとぴあ」看護師長 小徳美千子さん 介護老人保健施設「ゆうとぴあ」
看護師長 小徳美千子さん

特色ある療法を取り入れつつ、いずれの施設でも一貫しているのは、利用者一人ひとりのペースを大切にし、利用者にしっかり寄り添うスタッフの姿勢、そして地域との深いつながりです。真誠会全体で400人にも及ぶスタッフの教育を担当している介護老人保健施設「ゆうとぴあ」看護師長の小徳美千子さんは、スタッフへの指導について、「認知症の基本的な知識がないと、患者さんの言動に対して適切な対応ができませんから」と知識習得を前提としています。そのうえで、「理事長の言うとおり、人が人を大切に思う気持ちが看護・介護の基本です」と精神性を大切にしたケアを行っています。

小徳さんは、患者さんの言葉や感情を否定せず、全て受容して対応することで、患者さんが穏やかになったり逆に慰めてくれたりと言動が変化する様子を見てきました。食事の介助でたたかれても「たたいた分食べてね」と声かけすることで、痛みも感じないと言います。バリデーション療法の要素を取り入れつつ、「普段から人を大切に思う気持ちが重要」と強調します。

そんな小徳さんが理想とするのは、「『おばあちゃんが認知症になったおかげで皆で集まれるね』と笑えるような介護」だと言います。それには、認知症になっても安心して暮らせる地域づくりが必要です。「医師は人を治すだけでなく、社会や地域を治さなければならない」という小田先生の理念のもと、真誠会は今後さらにネットワークを充実させ、高齢者が地域で暮らし続けられる仕組みづくりを目指しています。

 

 

取材日:2011年9月13日
医療法人・社会福祉法人真誠会 ホスピタウングループ本部の外観

医療法人・社会福祉法人真誠会
ホスピタウングループ本部


〒683-0852
鳥取県米子市河崎580
TEL:0859-29-0099

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弓浜脳活性クラブ真誠会「若竹庵」の外観

弓浜脳活性クラブ真誠会「若竹庵」


〒683-0104
鳥取県米子市大崎1511-1
TEL:0859-48-2339

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小規模多機能センター真誠会「ふる里」の外観

小規模多機能センター真誠会「ふる里」


〒683-0102 
鳥取県米子市和田町1722
TEL:0859-25-1112







富益しあわせデイサービスの外観

富益しあわせデイサービス


〒683-0103
鳥取県米子市富益町235-8
TEL:0859-25-6811







グループホーム青松庵の外観

グループホーム「青松庵」


〒683-0104
鳥取県米子市富益町235-8
TEL:0859-25-6813







脳活性クラブ米子真誠会「童謡の里」の外観

脳活性クラブ米子真誠会「童謡の里」


〒683-0852 
鳥取県米子市河崎555-2
TEL:0859-24-5984

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セントラル脳活性クラブ真誠会「けやき庵」の外観

リハビリ強化型通所介護
「セントラルローズガーデン」
セントラル脳活性クラブ真誠会「けやき庵」


〒683-0805 
鳥取県米子市西福原8-16-66
TEL:0859-30-3330





介護老人保健施設「ゆうとぴあ」の外観

介護老人保健施設「ゆうとぴあ」


〒680-0852
鳥取県米子市河崎581-3
TEL:0859-24-5666

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