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医療と福祉を一体化し、最良のサービスを提供
<長野県松本市 社会医療法人城西医療財団 城西病院>

城西医療財団 理事長・総長 関健先生
城西医療財団 理事長・総長
関健先生

開業125年という歴史ある城西病院を中心に、3病院・2診療所で地域医療を支える社会医療法人城西医療財団は、関連法人である社会福祉法人七つの鐘と共に、医療と福祉を一体化させてサービスを提供しています。2法人の理事長及び総長である関健先生率いる1000人ものスタッフが、患者さんが心身ともに安心して生活できる地域を目指し医療・福祉に取り組んでいます。

医療をベースに福祉サービスを上乗せして提供

社会医療法人城西医療財団は、明治時代の開業以来長年にわたり地域に医療を提供してきました。現在、70床の精神病棟を含む226床の城西病院を中心に、豊科病院、ミサトピア小倉病院、神城醫院のほか、介護老人保健施設、訪問看護ステーションを抱え、社会福祉法人七つの鐘で運営する数々の施設も含めて医療と福祉を網羅しています。両法人の理事長である関健先生は、「医療と福祉サービスを一体的に提供するのがコンセプト。現在の法律では医療と福祉サービスはそれぞれの法人で提供されるものが区別されており、法人を二つ設立しているだけで、理念は同じです」と言います。

2000年の介護保険制度スタートに先駆けること11年、医師などの専門家だけでなく一般の人も家庭介護を理解し実践する必要があるとして、ご家族や病院の職員を対象に、老人ケア公開講座を毎年開催。施設のスタッフなどが実際に行っているケアをご家族が学ぶ機会を作ってきました。

介護保険施行時には他団体による介護の研修会が増えたため、その役割を終えたとして公開講座は終了しましたが、「高齢になると有病率が高くなるので医療がベースになり、その上に福祉サービスが加わる。ベースに医療があることで社会福祉法人も安心して事業運営ができる」と関先生が言うように、長年にわたって介護に取り組んできた組織ならではの安定感があります。関連施設が多く、状況に応じた福祉サービスの提供があることから、他の医療機関から紹介される患者さんも少なくありません。

「紹介の際は、ずっと診てほしいと希望されているのがわかりますし、それに応えるようにしています。ただ、即施設へ、ではなく、まず診断をして、症状をコントロールします。患者さんご本人がご家族のなかでどんな位置にいて、私たちはどんな支援ができるのか、いかに生活をしやすくできるか、それがサポートの中心テーマです」(関先生)。

 

患者さんの状況に対応した治療を実施

ミサトピア小倉病院 医師 岸川雄介先生 ミサトピア小倉病院 医師
岸川雄介先生

ミサトピア小倉病院は、城西病院と、やはり同財団の豊科病院から一部の病床を移転し安曇野市に開設した認知症の介護病棟50床、精神疾患の病棟150床を擁する医療施設です。体育館やグラウンド、農園などを備え、患者さんが運動療法や作業療法も行える病院となっています。

岸川雄介先生は、脳機能障害のリハビリを担当するなか認知症治療に携わるようになり、米国の大学のアルツハイマーセンターへの留学を経て、臨床にさらに深く取り組むこととなりました。同院に就職したのは1年前のことです。

岸川先生は、患者さんの症状や人間性、趣味などを勘案してグループ分けを行い、退院後施設に入居する場合は社会性機能の活発化を、長期的に入院する場合は生活満足度に配慮するなど、患者さんの状況に対応した治療を行っています。

岸川先生が気に懸けるのは、認知症の患者さんを初期段階から支える地域の仕組みがまだ十分ではない点です。「5年前に助けてあげたかったような患者さんが初診で来て入院します。初期に介入していれば改善できたのに、間違った診断・処方をされ、ご家族も苦労して介護で燃え尽きてしまっています」といら立ちを見せます。

 

ご家族には障害への対応を指導し相互QOL(生活の質)改善へ

岸川先生は、認知症は脳機能障害と環境不適応によって起こる症状ととらえ、症状の改善と、改善できない場合は障害を持ちつつ満足して生きるためのサポートという2点を重視しています。

「つまりQOLの改善です。ただ、認知症の場合はご家族のQOLも重要です。どちらかだけでなく両方考慮する相互QOLの改善が大切です」(岸川先生)。

ご家族には、障害が出てきたときの対応の仕方を教えます。

「障害をまず知らなければなりません。例えば、一般的に言われる徘徊は、正しくは道順記憶障害などいくつかの障害の重なったものです。あてもなくさまようのではなく、行きたい場所があるが迷っている、誰かを探しに出ていないから困っている、出かけて帰り道がわからなくなる、周りを確認するために調べている、この4種類のいずれかです。それがわかれば声かけも変わります。対応の仕方を知れば、ご家族も患者さんも楽になるのです」(岸川先生)。

怒りっぽい患者さんであれば、体の状態を調べ、治療やリハビリなどを行って痛みを取ります。患者さん本来の状態に戻すことで怒りっぽさも解消されると岸川先生は言います。

「歩けない人には車いすを提供し、街をバリアフリーにするように、障害があっても楽に生きられるようにすればいいんです。例えば、同じことを繰り返して聞く約束記憶障害があれば、約束をしなくても生きていけるようにすればいい。道順記憶障害があれば誰か友人や近所のボランティアなどが一緒に歩いたり、正しい声かけで迷子をなくしてくれる。そんな障害に優しい社会、認知症にバリアフリーな社会、それが目標です」(岸川先生)。

 

高齢者世帯が多い地域で総合的にサポート

神城醫院 院長 宮城彰先生 神城醫院 院長
宮城彰先生

同財団は、白馬村でも有床診療所である神城醫院のほか、介護老人保健施設などを開設し、医療と福祉を総合的に提供しています。神城醫院の院長である宮城彰先生は、学生時代を過ごした信州に魅せられ、消化器外科医として信州で医療に携わってきました。

「外科はどんどん細分化されますが、患者さんの病気には背景や過程があり、その全てが『病い体験』です。それが病院ではなかなか共有できない」と語る宮城先生は、同院で出会いから看取りまで、総合的に患者さんに関わっています。

風光明媚な観光地でありながら雇用の場が少ないこの地域の特徴として、宮城先生は「認知症の症状が出てもケアをする人がいれば生活できるが、遠方に通勤するためご家族が長時間家を空ける世帯、独居世帯、高齢者のみの世帯が多い」と指摘します。またIターンで移住した夫婦のみの世帯も多く、それらの世帯も高齢化しています。

「農業が人をつなぎ止めるという状況ではなくなり、その地域・社会の変化が高齢者の問題にも密接に関係しています。そういう意味で、この地でこのような事業を展開した関先生の先見の明は的確なものがありました」(宮城先生)。

病院や施設との連携はとてもうまくいっていると分析しながらも、宮城先生は認知症の患者さんが持ち込む課題は深いと言います。

「今、つながりが問われています。身体的な課題、生活面の課題、人生としての課題、地域や家族とのつながり。それらを受け止めて、職員が患者さんの不自由な部分からも学び、患者さんの力を引き出せる場合はいい関係性が作れます」(宮城先生)。

 

古民家をいかしたグループホームで落ち着いた生活環境

社会福祉法人七つの鐘 グループホームなでしこ 管理責任者 市川早智子さん
社会福祉法人七つの鐘
グループホームなでしこ 管理責任者
市川早智子さん


グループホームなでしこは、築200年の民家を改築した温かみを感じる心休まる空間
グループホームなでしこは、築200年の民家
を改築した温かみを感じる心休まる空間

社会福祉法人七つの鐘が緑豊かな安曇野で運営するグループホームなでしこは、築200年の古民家を利用しています。管理責任者の市川早智子さんは、「木の温かみがあるためか利用者さんの混乱も少なく、すぐ馴染んで落ち着いて生活できます。認知症の進行は仕方ないことですが、3年前の開所から介護度が上がった人はいません」とその環境のよさについて語ります。

1ユニット9人まで可能なグループホームであえて定員7人としたのは、交流スペースの座敷を重要視し、居室を減らしたためです。座敷があることで、地域との交流会など、外に開いた施設とするためのゆとりの空間が生まれました。ご家族も自主的に集まります。

「定員が少ないので、利用者さん同士の関係性も作りやすく、朝も新聞係、カレンダー係と自分たちで決めた役割があるようです」(市川さん)。

畑を作ったり、家事をするなど家庭的な環境で暮らす中、若いスタッフが利用者さんに漬物の漬け方を習うこともあり、「花嫁修業ができた、この職場を誇りに思う、と口にするスタッフもいます。これからもチームワークを大切にして入居者さんに安心して暮らしていただきたいです」と市川さんは言います。

「入居に際しとても悩んだご家族から入居1年後にいただいた、なでしこに入居させてよかったという言葉が宝物です」(市川さん)。

今後は看取りを学んで、家族としてここで入居者さんに最期を迎えさせてあげたいと市川さんは語ります。

 

現在できる最良の治療・ケアを提供

理想的ともいえる病院や施設を運営している関先生は、世間で劣悪な福祉施設が増えていることを懸念しています。

「外来で患者さんに付き添ってきた他施設の職員の態度に驚くことがあります。私たちは最良のサービスを提供するという理念を持ち、それに則って職員教育も行い、職員も理解してくれ、心を一つにしてケアを行っています」と語り、それだけに、高齢者の増加が見込まれるなかでその生活の場のレベルがどのようなものになるかを案じています。

また、関先生は現在認知症のサポート医としてかかりつけ医を支援する立場にいますが、かかりつけ医が認知症への対応力をつけるのが今後の課題だと指摘します。

「その点、ミサトピア小倉病院に赴任した岸川先生は、大阪で実績のある先生ですから、この地でも根付くよう、今後の活躍を期待しています」(関先生)。

関先生は、医療の進歩によりいずれは認知症の予防や治療が可能になると言います。「脳梗塞などで脳の一部にダメージを受けても再生の可能性が出てくるのではないでしょうか。それが実現すれば、精神疾患の対応も変わります。その頃にはケアも本質的に変わってくるでしょう」と予想しながら、現在できる最良の治療とケアを提供することで社会に貢献したいと関先生は語ります。現在必要とされるものを最良の形で提供することを目指す関先生の熱意が、単なる連携を超えて、医療・福祉が一体となったサポートを実現しています。

 

 

取材日:2011年9月27日
城西病院の外観

社会医療法人城西医療財団
城西病院

〒390-8648 長野県松本市城西1-5-16
TEL : 0263-33-6400

施設のホームページへ

 

ミサトピア小倉病院の外観

社会医療法人城西医療財団
ミサトピア小倉病院

〒399-8103 長野県安曇野市三郷小倉6086-2
TEL : 0263-76-5500

施設のホームページへ

 

神城醫院・白馬メディアの外観

社会医療法人城西医療財団
神城醫院・白馬メディア

〒399-9211 長野県北安曇郡白馬村大字神城22844
TEL : 0261-75-7100

 

グループホームなでしこの外観

社会福祉法人七つの鐘
グループホームなでしこ

〒399-8102 長野県安曇野市三郷温2517
TEL : 0263-76-5151

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