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地域との交流を深めながら、認知症ケアの中心的存在に
<徳島県徳島市 医療法人養生園 田岡東病院>

院長 橋本台先生 院長 橋本台先生

JR徳島駅より車で10分ほどの距離にある田岡東病院は、開院して約50年という歴史のある精神科・神経科、心療内科、内科の病院です。約360床ある病棟には60床の認知症専門病床を設け、デイケアや訪問看護、専門外来などで患者さまの社会復帰も支援しています。

お祭りや講演会などの行事を通し、近隣の人々と交流を

院長の橋本台先生は、もともと内科医を目指していましたが、勉強を進めるうちに精神疾患や人間の心に関心を持ち、「心と体の両方をみられる医師」を目指して精神科の医師になりました。24年前に田岡東病院に赴任して以来、認知症を含む精神疾患を持つ患者さまの診断と治療に携わっています。

「赴任した当時は建物も古かったですし、まだ精神科への社会的な偏見も強く、敷居の高い病院という雰囲気でしたね」(橋本先生)。

時代の変化とともに行政の対応や法律、社会的な認識も大きく変化し、特にこの5、6年は「気軽に訪れる患者さまが増えた」と言います。メンタルクリニックが多く開業するようになったこと、うつ病や不眠症、認知症などに関心を持つ人が増えたことなどによって、精神科の敷居がグンと低くなり、受診しやすい病院になってきたと実感しています。

病院でもお祭りなどの行事を主催して地域の人々と交流したり、認知症についての講演会を開いたりと、病院への敷居を低くし、認知症を予防啓発するための活動を積極的に行っています。

「患者さまと地域の方々が交流できる機会は大切だと思います。特に夏祭りは屋台や模擬店も出るので近隣の方々もたくさんいらしてくださいますし、子どもたちも夏休みの最後の行事として楽しんでくれているんですよ」(橋本先生)。

また、ホームページを開設し、病院の情報や雰囲気などを伝えるようになり、それを見て来院する患者さまも増えたと言います。

 

「薬物療法」と「生活支援」の両立で退院後もフォロー

田岡東病院は、2005年に建て替えを行い、きれいで明るい雰囲気の病院に生まれ変わりました。約1年半前には病床の機能分化を図り、約360床のうち60床を認知症専門病床として認知症ケアに対応できる専門のスタッフを設置。入浴施設も認知症や車いすの患者さまが安全に使用できるよう改築しました。

それにより、病院側にとっても認知症患者さまを受け入れやすいシステムが整い、全入院患者数の1割程度だった認知症患者さまの数が1年で2割と倍に増加。橋本先生は、「それだけ社会的需要が高まっていると実感した」と言います。現在、同院は徳島市内の精神科病院としてはベッド数も最多で、中心的病院の役割を担っています。

認知症を疑って受診した患者さまに対し、橋本先生はまず、長谷川式やMMSE(認知機能検査)などのスクリーニング検査を実施します。必要に応じて系列病院でCTやMRIなどの検査をして、器質的な疾患の有無や他の精神疾患との鑑別などをした上で診断し、治療法を検討しています。

「ご家族には、治療は治癒を目指すものではなく、進行を遅らせるためのものだということをきちんと説明した上で、薬物療法と社会生活支援の2本立てで治療を進めます」(橋本先生)。

デイケアや訪問看護、家族向け教室などの専門外来が充実し、リハビリに力を入れていることも田岡東病院の大きな特徴です。ノーマライゼーションの理念のもと、退院後の患者さまの生活も見据え、フォローしていくことに力を注いでいると言います。

「そういう施設やシステムによって、入院中だけでなく退院後も継続して患者さまのケアを行い、患者さまとのつながりができることが当院の強みだと思っています」(橋本先生)。

 

患者さまの話をよく聞き、患者さまをよく見る

認知症患者さまの診察にあたって、橋本先生が最も重要視していることが「よく話を聞く」こと。

「きちんと診断し、効果的な治療を行うためには患者さまの正確な情報を得ることが何より大切。患者さまご本人のお話だけでなく、ご家族や、施設に入所されている場合は施設のスタッフのお話もかなり重要視しています」(橋本先生)。

「一度は内科医を志したものですから」と、内科的な疾患の有無も視野に入れ、似た症状が多いと言われるうつ病との鑑別もしながら、見落としがないように診療を進めています。

外来師長 山元明美さん 外来師長 山元明美さん

外来師長を務める看護師の山元明美さんも、来院した患者さまの様子をよく見ることから始めています。玄関を入ってきたところから、「今日の歩き方はどうかな」「何か変わったことがないかな」と見たり、患者さまに声をかけてその日の調子を感じ取ったりして、スタッフに伝えるようにしています。同様に、診察室から出てきた後も、「今日はちゃんと先生と話せたかな」「快く過ごせたかな」と患者さまの様子に気を配ります。

そして、患者さまの前に出るときには「必ず鏡で自分の顔を点検して」、笑顔で気持ちのいい態度と言葉遣いを心がけていると言います。

「患者さまに親しみを込めることは大切ですが、慣れ合いになるのはよくありませんよね。ご家族からすれば、自分の家族である患者さまが子どものような扱いをされたら、いい気持ちはしないでしょうから。そういうところは自分も気をつけ、スタッフにも指導しています」(山元さん)。

 

目配り・気配り・心配りをモットーに笑顔でケアを

田岡東病院では、認知症診療において外来より入院患者数の割合が高く、「症状の進んだ患者さまが多い傾向がある」と橋本先生は話します。

「行動障害やせん妄など精神的な症状が強く、家庭や施設での対応が難しい患者さまが入院してこられます。ご家族が精神科に入院させることに抵抗を感じていることもあり、葛藤の末、決断されることも多いですね」(橋本先生)。

ソーシャルワーカー 白石沙織さん ソーシャルワーカー 白石沙織さん

認知症病棟師長 鎌田美智代さん 認知症病棟師長 鎌田美智代さん

そのため、ソーシャルワーカーの白石沙織さんは、入院の際にはまずご家族に「大変でしたね」と言葉をかけます。

「そうすると『大変だったんです』と泣かれる方も多くて、本当に、やむをえない状況で入院を選択した方がほとんどですので、決心されるまでたくさんの葛藤があったと思うのです。ですから、こちらの用件を話す前に、ご家族の思いをまずうかがうことを心がけています」(白石さん)。

認知症病棟師長として、毎日多くの患者さまのケアにあたる看護師の鎌田美智代さんは、「目配り、気配り、心配り」をモットーとしてスタッフに伝えてます。毎日の勤務では、掃除が行き届いているかということから患者さまの様子の確認、次々に発生する問題の申し送り、ご家族への対応など、病棟の責任者として膨大な量の仕事を抱えています。

「こちらも人間ですし、目の前の仕事に追われて十分な対応ができないこともありますが、やはり、患者さまと向き合うときは『笑顔で』。これだけは忘れないようにしています」(鎌田さん)。

そして、判断に迷ったときは「もし自分だったらどうしてほしいか」を考えて、選択していると言います。

 

スタッフの連携を強みに地域に開かれた病院に

「一度入院したらずっとそのまま」ではなく、「精神症状が解消したらご家庭やもとの施設にお帰りいただく」のが田岡東病院の基本スタンス。ただ、認知症患者さまの場合、元々いた施設に退院後受け入れてもらえず、行き先がなくなってしまうことも一般的にはあると橋本先生は語ります。

「当院ではソーシャルワーカーが複数の施設と上手に連携を取り、退院後の受け入れ先をきちんと確保してくれるので助かります」(橋本先生)。

一方で、退院後の受け入れ先や生活について相談するとき、白石さんは「退院することに不安を抱くご家族も多い」と指摘します。

「施設やご自宅では本当に大変な状態だった患者さまが、入院してやっと落ち着いた。それなのに、退院したらまた戻ってしまうのではという心配が大きいようです。何度もお話を重ねて退院して、その後ご家族から『うちのおばあちゃん、退院して施設に行ってすごくうれしそうなんです。ありがとうございました』と言われると、本当にうれしいです」(白石さん)。

橋本先生はそんなスタッフの姿を見て、「職種間のチームワークがよく、院内での連携がしっかりできているところも当院の強み」と言います。そして今後は、院内にとどまらず他の病院とも連携を深めていきたいと考えています。

「病院同士の交流を深め、医師はもちろん、他のコメディカルスタッフもどんどん情報交換や話し合いをしてほしい。そういう地域の連携が、患者さまのメリットにつながっていくといいですね」(橋本先生)。

 

 

取材日:2011年10月14日
田岡東病院の外観

医療法人養生園 田岡東病院


〒770−0862
徳島県徳島市城東町2-7−9
TEL:088−622−5556

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