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スタッフの自主性を尊重し、患者さんに寄り添うケアを
<北海道小樽市 医療法人社団 島田脳神経外科>

院長 島田孝先生 院長 島田孝先生

島田脳神経外科は、小樽駅から車で5分程度のところにある脳神経外科、神経科、リハビリテーション科を持つ病院です。認知症外来や訪問看護、在宅診療などを行うほか、通所リハビリセンターも併設し、スタッフ一丸となって地域の方々の治療やケアを行っています。

脳の疾患だけでなく、患者さんの全身をトータルで診たい

院長の島田孝先生は、学生時代から「脳が体を動かしている」という意識を持ち、脳について興味を持っていたと言います。精神分析学に関心を抱き、精神科に進むつもりでいたものの、先輩の勧めで脳外科医に。10年を超える病院勤務を経て、1990年に島田脳神経外科を開院しました。

開業前は札幌に勤務していましたが、ご自身が生まれ育った小樽に脳外科が少なかったことから必要性を実感し、その地を開業の場所に決めたと言います。

「開業して、脳外科というのは患者さんにとって敷居が高い場所なんだと気づきました。最初のうちは『紹介状がなくてもみてもらえますか』といらっしゃる患者さんがとても多かったんですよ。頭痛やちょっとした症状でも気軽に来院できる脳外科という存在になれただけでも、小樽に開業してよかったと思っています」(島田先生)。

開業当時から「何でも相談にのり、何でも診た」という島田先生。「患者さんをトータルに診る」が基本方針で、その考えは今も変わっていません。脳の疾患以外でも「相談ごとがあれば何でも聞きますよ」と患者さんにお話ししています。開業後しばらくは急性期の脳外科疾患が多かったものの、地域の高齢化に伴い、認知症の患者さんが目立ち始めたとのこと。

「患者さんやご家族から認知症の相談を受けることが増え、脳外科でも認知症を診ていくことが必要なんだという意識が芽生えました。最初から認知症を専門にみようと考えていたわけではなく、患者さんのニーズを感じ、勉強しなくては患者さんに応えられないと思ったのです。特に10年ほど前からは予想以上に認知症患者さんが増えていると思います」(島田先生)。

 

患者さんと意思の疎通を図り、信頼関係を築くことから

認知症の診断は、認知機能検査とCTやMRIなどの画像診断、患者さんご本人とご家族の話から総合的に行っています。正確な診断のためには、ご家族からのお話が重要と島田先生は話します。ただ、診察の最初には必ず、患者さんとしっかり向き合い、意思の交流を行うようにしているとのこと。

「たとえそれが正確な情報ではなくても、まずは患者さんと話をします。今後、当院の患者さんになるかもしれない人ですので、人間関係を作ることから始めたいのです」(島田先生)。

看護師長 竹田公秋さん 看護師長 竹田公秋さん

病棟の看護師長を務める竹田公秋さんも、「何より患者さんと信頼関係を築くことが先決」と言います。

「特に認知症の患者さんは、一度警戒心を持たれるとその後のケアが難しくなることも多いので、様々な引き出しをフル活用して対応させていただいています。信頼関係を通して患者さんの症状が少しでも改善したり、患者さんやご家族の笑顔が見られたりする、その瞬間がいちばん嬉しいですね」(竹田さん)。

治療においては薬物療法を中心に、ご家族や介護者からの情報により、改善が必要なことなどがあればサポートしていくという方針で進めます。

「例えば、患者さんが外に出るのを嫌がってこもりがちと聞けば、『デイサービスで少しおしゃべりするのも楽しいですよ』と勧めます。最初はたいがいの患者さんが拒否されますが、『すぐ隣にあるので、1日だけでもいいから。1回行ったらずっと行かなきゃいけないものではないから、とりあえず1回行ってみては?』と勧めると、その気になってくださる患者さんもいます。そういう形で必要に応じて介護サービスを利用していただけるよう働きかけています」(島田先生)。

 

併設のデイケアで、患者さんの意欲を尊重したリハビリを

島田先生は、地域社会の高齢化と認知症の増加を実感し、病院の隣に「てみやデイケアセンター」を併設。患者さんが退院後もずっと元気でいられるよう、「医療の先の介護という部分も含めて継続的にサポートしていきたい」と考えたのが開設の理由でした。

てみやデイケアセンター センター長 准看護師 保住早苗さん てみやデイケアセンター
センター長 准看護師 保住早苗さん

てみやデイケアセンター 作業療法士 野地秀明さん てみやデイケアセンター
作業療法士 野地秀明さん

作業療法士 宮崎智寛さん 作業療法士 宮崎智寛さん

センター長を務め、准看護師でもある保住早苗さんは、「患者さんをひとりにしない、寂しくさせない」ことを、日々心がけていると言います。

「スタッフ同士の私語で、患者さんが『放っておかれている』と感じてしまうこともあります。それで気持ちが不安定になったり、意欲が低下してしまうこともあるので、できるだけ患者さんに言葉をかけるようにしています」(保住さん)。

スタッフの意識的な働きかけによって、これまでできなかった作業ができるようになる、自発的にトイレに行けるようになる、入浴拒否していた方が仲間同士誘い合って入浴するようになる、などの変化が見られることもあると言います。

作業療法士の野地秀明さんも、「認知症の症状が重い方ほど、最初は大きな不安を抱えていることが多い」と話します。

そのために野地さんは、まずは患者さんに安心してもらえるよう、リハビリに手のタクティール・ケアなどのリラクゼーションを取り入れています。認知機能が低下した患者さんは手関節が硬い傾向があるため、手首やひじ、肩など全身の関節をもみほぐすように。ふれあうことで、患者さんとのコミュニケーションがスムーズになるメリットもあると感じています。その一方で、「患者さんの意欲を高めるための工夫や努力も必要」と指摘します。

「患者さんの全身状態を見ながら、どうすればやる気になっていただけるかをつねに考えています。患者さんによって、昨日できたことが今日できない、昨日は意欲的だったのが今日はやる気が出ないということもあって、マニュアル通りにはいかない。上がり下がりがあるのが認知症なんですね」(野地さん)。

同じく作業療法士の宮崎智寛さんは、特に体の障害を持つ認知症患者さんは、様々なストレスからリハビリに拒否的なことが多い傾向があると感じています。

「できるだけ患者さんがしたいこと、望まれることを尊重してリハビリに対応していくことが大切だと実感しています」(宮崎さん)。

 

最大の強みは、スタッフの自主性と個性を生かしたケア

上記のようなデイケアでの取り組みからもわかるように、スタッフがそれぞれ、患者さんのことを考え創意工夫した認知症ケアを行っていることも、島田脳神経外科の特長と言えます。それは院長である島田先生の「スタッフの自主性を尊重する」という方針によるもの。

「デイケアでの取り組みについては、基本的にスタッフに任せています。押しつけにならないよう、私の考えは講習会などで表明し、参考にしてもらっています。スタッフには、それぞれの分野で学んできたこと、身につけた能力を存分に発揮してもらいたい。そうして進みながら、目指す方向性が違うと感じたときは意見交換をしていければいいと思うので。スタッフには全幅の信頼を置いています」(島田先生)。

事務長 長澤貴史さん 事務長 長澤貴史さん

事務長としてスタッフを統括する長澤貴史さんも、「うちのスタッフは優秀」と話します。

「どういう人が優秀かは、病院や企業によって異なるでしょうが、うちの求める人材は『任せられた仕事に対し、どう自主性を生かしていくかを考えられる人』。この場所で自分をどう生かすか、自分で考え目標をたてて進んでいけるスタッフこそ優秀だと思います」(長澤さん)。

そして、働きやすい環境を整えることに努めると同時に、各スタッフに「うちはサービス業であること。そして、患者さんやご家族の希望、要望をしっかり受け止めることが第一」と指導しています。

一方で、「自由に好きなことをさせてもらっています。講習会など勉強できる場も多く、とても優遇されていると感じています」と作業療法士の野地さんが話すように、スタッフも島田先生や長澤さんの思いに応え、病院とともに進んでいくために日々精一杯の努力を重ねています。

 

地域で連携し、社会全体で患者さんを支えていきたい

認知症医療における今後の課題は「地域の連携」と島田先生は考えています。島田先生自ら市役所の介護保険課に出向き、小樽市でのネットワークづくりについての提案を行ったそうですが、現状では具体的に動き出すまでに至っていません。

「小樽市ではまだ、認知症医療イコール精神科という図が根強く残っている気がします。これからは精神科に限らず、どの科の医師も認知症を診る必要があると思うのですが、そういう認識もまだ浸透していませんね。精神科の先生方がネットワークをつくろうと働きかけてくださることが必要なのかもしれません」(島田先生)。

これからも連携を呼びかけつつ、島田脳神経外科としてできることをしていくと言います。まずは、患者さんの全身をトータルで診ることを続けながら、「苦しくない、楽しく心通うリハビリ、『遊びリテーション』を目指したい」とのこと。最近の脳科学や認知神経科学の進歩はめざましく、認知症のリハビリも、これらの科学的根拠に基づいたものであるという認識を現場に広げていくために、講演の準備なども行っています。

また、島田脳神経外科では、認知症サポートのためのキャンペーンの一環として小樽市が実施する「キャラバン・メイト」にも賛同。これは、地域全体で認知症患者さんを支えようという活動で、専門の養成講座を受けた「認知症サポーター」が日常生活における様々な面で認知症患者さんを支え、手助けするというもの。

「病院を挙げて、これからも地域に貢献していきたい。そして社会全体で認知症患者さんを支えていけるようにすること。それが、私やスタッフたち全員共通の理想であり、目標です」(島田先生)。

 

 

取材日:2011年10月26日
島田脳神経外科の外観

医療法人社団 島田脳神経外科


〒047-0039
北海道小樽市錦町1-2
TEL:0134-22-4310

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