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連携という大きな視野で、認知症に取り組む
<熊本県熊本市 医療法人社団 画図園友会 そのだ脳神経外科医院>

院長 園田寛先生 院長 園田寛先生

熊本市にあるそのだ脳神経外科医院は、平成2年の開院以来、脳卒中の治療、特にその予防に力を入れる一方で、どんな病気も診察するという理念のもと、地元の人々に信頼される医院として歩んできました。認知症患者さんのQOLの向上や介護者の負担を軽減するためには、医療だけでなく福祉や行政との連携が大切と、園田寛院長は幅広く多彩な活動に取り組んでいます。

診察の間口を広げ、地域のかかりつけ医に

病院勤務の脳神経外科医として、仕事時間の大半を手術に費やしてきた園田寛先生が、脳卒中の治療はもちろん、その予防にも力を入れていきたいと、そのだ脳神経外科医院を開業したのは21年前。開院当初は脳神経外科を標榜する医院が市内にも少なく、「神経科ですか、外科ですか?」「風邪でも診てくれますか?」という問い合わせが多かったそうです。先生は、「風邪や腹痛など軽症の病気も診察します。まずは相談に来てください」と間口を広げ、地域のホームドクターとして浸透していったと語ります。

その方針は認知症患者の早期発見にも大いに功を奏しています。医院の立地する周辺は幹線道路が開通したことで人口が増え、一見すると新しい街に見えますが、一歩、中に入ると旧弊な土地柄が残り、物忘れがひどくなったと不安を抱いても、家族が精神科病院には連れて行きたがらないという傾向があったそうです。しかし、同院なら気軽に相談に行けると、地域の患者さんが最初に訪ねる医院となっていきました。

2000年の介護保険制度施行を機に認知症の患者さんが急に増えていきました。デイサービスなどの介護保険事業への参入も検討していましたが、急性期の脳卒中患者に対応するという義務感が強く、思い悩んだ時期もあったと語ります。そんな折、近隣にグループホームや小規模多機能施設が開設されることになり、協力医としての依頼が園田先生のもとにありました。先生は介護保険制度施行時から、市町村が任命する介護認定審査会の委員でもあったことから、医院での外来に加えて、介護施設の協力医、認知症予防や治療に関する勉強会や講演などの啓蒙活動にと、より深く認知症に携わっていくことになります。

 

認知症と症状が似る脳の病気を見逃さない

脳外科の専門医として、認知症の疑いはあるけれども他の病気の可能性を見逃さないことも大切と園田先生。認知症と似た症状が現れる病気には、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、脳腫瘍、甲状腺機能低下症などが挙げられます。中でも慢性硬膜下血腫の診断は年間数例あり、「治し得る脳の病気を見つけるのも私の使命」と語ります。

 

家族の話をじっくりと聞くことから始まる認知症診断

先生が認知症の診断をするうえでいちばん重要視しているのは、患者さんのご家族や介護者の話をじっくりと聞くことです。「食器をかたづけた場所がわからない」「鍋を焦がすことが多くなった」など、家庭内で起きている問題をまずていねいに抽出していきます。

「話し好きの性格なんでしょうね。診察時の会話にはとても重点をおいています。笑いも大切です。時々、脳神経外科医なのか噺家なのかわからなくなるくらい(笑)。長年のおつきあいの方は病歴や性格もわかっているので、どういう風にお話をしたらいいかもわかっているつもりです。これは私の財産でもあると思っています。いろいろな病気を幅広く診てきたことが、物忘れの段階での早期相談、認知症の早期発見、早期治療につながっています。脳卒中だけ、認知症だけを専門にしていたら、こうはいかなかったと思います」(園田先生)。

認知症の診断はこれらのきめ細かな問診、長谷川式簡易知能評価テスト、頭部CT撮影で総合的に判断。必要に応じて基幹病院にMRIの予約を入れることもあります。特に若年性の認知症の場合は告知に非常に気を遣うと言います。診断を下すことによって、その方が仕事をなくしてしまうこともあるからです。難しいケースの場合は大学病院を紹介する場合もあります。

診断がついた後は、症状によって薬を使い分けていきます。

「認知症の新薬が最近、次々に開発され、治療の幅が広がってきたのは喜ばしいことです。症状をコントロールするという目的での抗不安薬や精神安定剤、抗うつ薬、脳循環代謝改善薬などを少量でも組み合わせ併用していくのも効果的です。ただ、認知症は周囲の環境によって症状が変化し、薬の効果の判定もむずかしい。今後の、認知症の進行を止める新薬の開発に期待しています」(園田先生)。

 

医療関係者も福祉、行政と積極的な関わりを

認知症の患者さんの生活で先生が重視しているのは、家族の介護力です。それがどのくらいあるのか、在宅が可能なのか、不可能なのか。不可能ならば介護保険や施設などの力を借りる方法を示してあげなければなりません。核家族化が進む現代では一人暮らし、老老介護の問題は医師にとっても見過ごせない問題です。

認知症患者さんのQOL(生活の質)の向上、家族などの介護者の負担を減らしていくためのキーワードは「連携」だと園田先生は強く考えています。医療、福祉(介護)、行政、それぞれの連携でネットワークをつくっていくということです。

園田先生は現在、熊本市医師会の副会長を務めており、さまざまな医療関係者との面識が広く、情報交換や親睦を深めながら、いつでも協力体制がとれるような関係づくりに尽力しています。

行政関係との連携では保健所とのつきあいが深く、また、熊本市が2011年に設置した「くまもと医療都市ネットワーク懇話会」の委員でもあります。熊本市には全国的に医療水準の高い医療機関や充実した救急医療体制などが整っています。この医療環境を生かし、10~20年後を見据えたグランドデザインを策定することを目的として「くまもと医療都市ネットワーク懇話会」が設置されました。懇話会では市民2000人を対象にアンケートを実施し、その結果から在宅医療、在宅での看取り、独居老人の認知症患者さんや老老介護世帯、家族の介護力低下などの課題の検討が始まっています。

介護との連携では、やはり医師会の活動を通して訪問看護、訪問介護に関わることが多く、情報も入ってきます。

「医療機関でも介護制度や介護の現場を理解していない人が多いと感じますね。介護分野の方とお話をすると医療機関との関係がうまくいかないという話が伝わってきます。みなさん、本音で話してくれるといいのですがなかなか難しい。そのためにも普段からのコミュニケーションを大切にし、風通しのいいネットワークをつくっていくべきだと私は思っています」(園田先生)。

これからの高齢化社会を支えていくには、医療関係者は医療だけを担うのではなく、介護保険制度や年金制度などにも精通し、大きな視野に立って福祉、行政とも連携しながらそのなかで主導権を握っていこうというくらいの気概がなくてはうまく回らないのではないかと、園田先生は自らを鼓舞しています。

 

認知症は「長生きされた証」

長年にわたって多くの認知症患者さんに接していると、「認知症はそもそも病気なのか?」という疑問が湧くこともあるそうです。

「認知症は、その人が長生きされた証ではないでしょうか。人は誰もが老いていくのです。 だからこそ生活者としての目線が大切で、患者さんが安全に安心して暮らしていけるように、介護者が疲れないような方策を根本に据えていく必要があるのです。当院は自前の介護施設を持っているわけではないので、より他の機関との連携を意識し、必要な方に必要な治療やサービスが行き届くよう、私なりに地域社会に貢献していきたいと思っています」(園田先生)。

 

 

取材日:2011年9月10日
そのだ脳神経外科医院の外観

医療法人社団 画図園友会
そのだ脳神経外科医院


〒862-0946
熊本県熊本市画図町135-1
TEL:096-379-3888

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