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脳のエキスパートが総力あげて診断・サポート
<北海道札幌市 特定医療法人 柏葉脳神経外科病院>

理事長・院長 金子貞男先生 理事長・院長 金子貞男先生

札幌ドームのほど近くに位置する柏葉脳神経外科病院は、40年の歴史を札幌市民とともに歩んできた脳神経外科と神経内科の専門病院。もの忘れ外来では臨床心理士らが綿密な心理検査を行うとともに、CTやMRI、SPECTといった最新機器設備を駆使することで、素早く正確な認知症の診断を実現。「より良い治療やケアの方向性を示してくれる」と、地元住民からの信頼が厚い病院です。

専門性をフルに生かした検査・治療体制

柏葉脳神経外科病院で「もの忘れ外来」が開設されたのは、2007年春のこと。高齢化の波が押し寄せているのは、北の200万都市・札幌市も例外ではなく、年々、認知症患者の数は増加の一途をたどっていました。

「もの忘れ外来の開設以前から外来でもの忘れの相談は受けていましたが、何科を受診すべきかわからない方も多いと聞いていました。今後ますます認知症患者さんは増えていくと予想されるので、きちんと窓口を設けて当院でも本格的に取り組もうと思いました」と、理事長であり院長の金子貞男先生は開設のきっかけを振り返ります。

医師 磯西克佳先生 医師 磯西克佳先生

もの忘れ外来を担当する、日本神経学会認定専門医・磯西克佳先生も、「アルツハイマー型、レビー小体型、脳血管性のうち、どのタイプの認知症なのか、別の脳疾患からくる記憶障害なのか、脳神経外科ならではの特性を生かして、きちんと鑑別しようという意図もありました」と話します。

果たして、患者さんの数は急増しましたが、今でも原則、新患の予約は毎週火曜の午後に少人数にとどめています。「画像検査で信頼性の高いデータを示し、しっかりと問診をとり、落ち着いた状態で心理検査などを実施したい」(磯西先生)というスタンスから、ゆったりと時間をかけて初診の患者さんと向き合う手法がとられています。

 

信頼性の高いデータ解析から的確に鑑別

磯西先生の言う「脳神経外科ならではの特性」とは、MRIやCTなどの医療機器だけではなく、脳血流を測るSPECTなどの検査システムが充実していること、脳のエキスパートとして常に最先端医療技術を導入し、実績を積み重ねてきたことです。

「認知症ではなく脳の疾患が認知機能の低下という形で表れる場合もあるし、認知症にも様々なタイプがある。これらを見分けるためには画像を撮るだけではなく、海馬の委縮度合いなどを専門医がしっかりと分析しなければなりません。脳のエキスパートが揃っている当院ではその鑑別が可能だし、信頼性の高いデータをとっていると自負しています」と金子先生は胸を張ります。

初診時には緻密な画像分析だけではなく、ていねいな問診が行われることも同院の特長の一つです。

臨床心理士 中村亜紀子さん 臨床心理士 中村亜紀子さん

長谷川式簡易知能検査やミニメンタルテスト(MMSE:認知機能検査)、時計描画テスト(CDT)など幅広い知能検査を担当しているのは、臨床心理士の中村亜紀子さん。

「老人性うつとの鑑別も必要ですし、症状によっては別の検査も行うなど、臨機応変に対応しています」(中村さん)。

的確な診断のための検査とはいえ、患者さんによっては緊張し、検査に対して身構える方も少なくありません。そこで中村さんは、「突然『テストです』ではなく、趣味の話、テレビの話題などでリラックスしてもらい、世間話の中から自然と検査が始められるように心がけている」と言います。それでも落ち着かない様子の方には、「少し待ったり、別の話題に切り替えたりと、患者さん本来の、自然な精神状態に導いていく」と、様々な工夫も凝らしています。こうして得られた心理検査結果も、「信頼性の高いデータ」の一つとなっているのです。

 

新しいリハビリも積極的に導入

認知症と診断された患者さんのみならず、脳血管障害、高次脳機能障害など、同院では脳に関連するあらゆる疾患の患者さんに対し、20人もの作業療法士が日々、様々な訓練・指導を行い、身体機能の向上に努めています。

作業療法士 嵯峨美和子さん 作業療法士 嵯峨美和子さん

「目の前で日々変わっていく患者さんを見させていただくことにやりがいを感じる」という嵯峨美和子さんは、経験豊富な作業療法士としてADL(日常生活動作)訓練などに携わっている一人。

「私たちは訓練だけではなく、まず病気になって精神的にダメージを受けている患者さんやご家族の方へのケアも大切にしています」(嵯峨さん)。

落ち込んでふさいでいる人には、「前向きにリハビリを続けるとできることが増えます。よくなっていきますよ」と、希望が持てるような声掛けと接し方をすることも忘れません。

もちろん、声掛けだけではなく、日々進歩を遂げているリハビリの手法にもアンテナを張り、より良いリハビリを心がけています。

「今、関心があるのは、『川平法』という手技で、全国的にも注目されています。また、『認知運動療法』等を取り入れているスタッフも多くいます」(嵯峨さん)。作業療法士の誰かが研修で得た新たな手法や技能は、伝達講習で院内に広めていくという方法をとり、日進月歩のリハビリ界に遅れをとらないように病院あげての取り組みをしています。

現在は特定の日のみ機能訓練を行うのではなく、「365日リハビリ」が叫ばれるようになってきました。

「とはいっても、全ての患者さんに毎日同じボリュームで提供できているわけではありません。患者さんのためにも、いつでも必要なリハビリを提供できるような体制づくりを進めていきたいと思っています」と、嵯峨さんは今後の抱負を語ります。

 

音楽を通したアプローチにも取り組む

様々な面からアプローチするために、作業療法だけではなく、音楽療法を導入しているのも同院の特長です。

音楽療法士 増澤綾子さん 音楽療法士 増澤綾子さん

音楽療法といえば、「リラックスするため」といった緩和ケア的な関わりがクローズアップされがちですが、音楽療法士の増澤綾子さんは「音楽は心理面や身体面だけでなく、記憶や認知機能などにも働きかけていくことができる」と音楽の持つ幅広い特性を活かした音楽療法に取り組んできました。

「認知症患者さんでは、幼少期や青春時代の曲を聴いたり歌ったりすることで、昔の生き生きとしていたころの自分を思い出したり、意欲や自発性などが高まることがあります。また音楽をする機能は認知症が進んでも残存しやすいと言われていて、一緒に音楽をすることで、他者と交流する機会へとつながります」(増澤さん)と、音楽療法の効果を強調します。

同院では患者さんの症状に応じた個別のプログラムとグループでの音楽療法の2通りの方法をとっており、グループ療法の際には、ご家族や友人、病院スタッフの誰もが自由に参加できるようにし、他者と交流する機会や、患者さん一人ひとりが「その人らしさ」を表現できる場の提供をしています。

「患者さんを全人的にとらえて、音楽の力で可能性を引き出してあげたい。認知症が進行していたり、脳の障害で言葉がままならない方でも、言葉を使わないコミュニケーションが音楽の力でできるはず」と話す増澤さん。脳神経外科病院で音楽療法を取り入れているところはまだ少なく、大きな期待が寄せられています。

 

重要な使命は「素早く正確な診断をつけること」

国内の認知症患者数は200万人を超え、今後も増え続ける疾患だとみられているものの、「治療やリハビリにおいては、いまだ試行錯誤が繰り返されている。診断や治療が確立された分野ではない」との見解を示す金子先生。

その一方、「認知機能の低下を防ぐことや、認知症の進行を遅らせることに関しては、様々な治療や工夫、訓練で効果が上がることもわかっている。そのためにまず私たちがしなければならないのは、素早く、かつ正しい診断をつけてあげること」と強調します。

「きちんとした診断がつけば、治療やリハビリの方向性をご家族と相談しながら決めていけるので、その後の展開が見えやすくなる。治せる“もの忘れ”もあり、早く対応して患者さんの生活を守ってあげるためにも、とにかく早い段階で疾患を鑑別すること、正確な診断をつけることが自分たちの大きな役割の一つだと思っています」(金子先生)。

「ここは脳神経の専門病院なので、脳に関連するあらゆる診断が可能なことを知っていただき、地元の皆さんのお役に立てるよう、周辺の医療機関とさらに連携していきたい」と話す磯西先生。

「患者さんが最後まで自分らしく生きていけることができるよう、我々が決してあきらめないようにしたい」と金子先生は医療従事者に広く呼び掛けており、きたるべき超高齢社会に臨む構えです。

 

 

取材日:2012年1月11日
柏葉脳神経外科病院の外観

特定医療法人 柏葉脳神経外科病院

〒062-8513
札幌市豊平区月寒東1条15-7-20
TEL:011-851-2333

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