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脳の専門病院として地域の認知症治療に貢献する
<大阪府藤井寺市 医療法人ラポール会 田辺脳神経外科病院>

院長 田辺英紀先生 院長 田辺英紀先生

神経内科と脳神経外科を持つ脳の専門病院である田辺脳神経外科病院は、認知症治療の中核病院として、早期に、また確実に認知症を診断するとともに、地域の医療機関と連携することで、認知症患者さんが快適に過ごせる環境づくりを目指しています。

検査で認知症の原因をしっかりと診断する

田辺脳神経外科病院は、藤井寺市の応神天皇陵の緑に包まれた環境のよい場所に建つ神経内科と脳神経外科の専門病院です。開院は2009年と新しく、50床のベッドを持つホテル感覚の病棟で患者さんを迎えています。24時間体制の同院は、この地域の脳卒中をはじめとする脳疾患の患者さんの治療に多大な貢献をしているほか、認知症治療でも地域の中核病院として大きな役割を果たしています。

認知症の新しい薬が登場したことがテレビなどで報道されたことにより、同院でも認知症を心配して来院する患者さんは大きく増えました。ところが、そのように心配して受診した患者さんの中には、実際は他の病気であることが少なくありません。こうした患者さんに認知症の治療をしてしまうと、症状がよくなるどころか悪化してしまう危険性があります。また、認知症の症状があっても、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症、皮質基底核変性症などその原因はさまざまで、それに合わせて治療法も異なります。そのため同院では、来院した患者さんに物忘れの症状がある場合は、神経内科で長谷川式テストをはじめ、血液検査、MRI、脳波といった検査を行い、確実な認知症の診断をするように心がけています。また、治る認知症である正常圧水頭症や慢性硬膜下血腫なども確実に診断し、適切な外科治療も行っています。

 

無気力な状態からの変化

神経内科副部長 西井誠先生

認知症と診断が確定した場合、同院では、患者さんへ告知するかどうか、家族とも慎重に相談して決定します。これは、重度の認知症患者さんの場合、病名を伝えても理解できなかったり、繊細な患者さんではショックを受けたりするためです。

その一方で、ご家族には患者さんが認知症であることを伝え、今後の治療の見通しを詳しく説明しています。同院では、認知症の患者さんには、患者さんが薬を拒否したり服薬が困難だったりする場合以外は、基本的に薬物治療を行います。その際、患者さん自身で薬を飲めないこともありますし、薬の管理や服薬の確認をご家族に依頼しなければならない場合がほとんどです。そのため、ご家族への説明と治療への協力は欠かせません。

神経内科の副部長である西井誠先生は「病気そのものがよくならないことに変わりはありませんが、薬の種類が増えたことやご家族の取組みで、無気力などの状態から変化がみられることは多くなったように思います」と言います。

こうした薬物治療で大切なことは、日常生活の小さな変化を確認することです。同院では、患者さんが受診するときに、ADASというテストの項目を参考に患者さんの活発度などの状態を確認することで薬の効果を判定し、薬の変更を判断することにしています。

 

患者さんの問題行動は周囲の対応次第で改善する

神経内科部長 大西静生先生 神経内科部長 大西静生先生

認知症患者さんが徘徊や乱暴などの問題行動を起こすときは、たいてい感情的になっていたり、精神的な不安を感じていたりするときです。これは、記憶力は低下していても、感情は失われていないからです。

神経内科部長の大西静生先生は「気分を害することをされたら怒り、うれしいことをされたら喜ぶというのは、認知症になったからといって変わるわけではありません。ですから、周囲の人の対応の仕方で、患者さんの状態は変わってきます」と話します。

興奮している患者さんを抑えようと力で押さえつけたりすると、余計に暴れてしまいます。ところが、少し離れた場所でゆっくり話を聞くように対応すれば、患者さんが暴れたりしないことも多いものです。

「患者さんは、一度押さえつけられた経験があると不信感が生まれて、それが不安感につながっていると思うのです。周囲の人のちょっとしたコツで、こうした患者さんの認識や不安を変えることができれば、うまくいくのではないでしょうか」(大西先生)。

同院では、患者さんの周囲の環境を整えることも薬物治療と同様に重視しています。

 

治療をうまくスタートさせればみんながハッピーに

そこで重要になってくるのがご家族の対応です。ただし認知症患者さんを抱えたご家族も余裕がなくなっていることが多く、患者さんに対していつも穏やかな対応ができるわけではありません。なかには、患者さんを連れてきたご家族と、診察室で言い合いになってしまうこともあるようです。

「治療を始めるときにうまくいけば患者さんも幸せだし、ご家族も含めてみんながハッピーになれるのです。でも、最初に方法を間違うとどんどん状況が悪くなってしまいます。我々がうまくアドバイスすることで、何とかよい方向に持っていけたらと思っています」(大西先生)。

そのため同院では、介護保険を使って受けられるいろいろなサービスをご家族に対して紹介し、できるだけ負担を軽くする配慮もしています。

また、ご家族を対象にした勉強会を開催するなど認知症の患者さんへの対応の仕方をアドバイスし、患者さんが穏やかに過ごせるような環境づくりに努めています。

 

認知症患者さんが快適に過ごせる環境をつくりたい

認知症という病気の治療は、今のところ病気そのものを治療する薬はないため、認知症を早期に発見、診断して、進行を抑制する薬を使って治療をすることが最も有効です。

西井先生は「早期の患者さんには本当にアルツハイマー型認知症かなと思う程度の方もいるのですが、こういった患者さんでも、もし希望されるのであれば、早めに薬を飲んでもらう方向で考えています」と言います。

ところが、こうした早期発見・早期治療はどこの医療機関でも行われているわけではありません。それどころか、検査設備の充実していない医療機関では、認知症がしっかり診断されていないことも少なくないようです。

「年のせいと言われて治療もされず、アルツハイマー型の認知症がかなり進行してから来院という場合もありました。このようなときは、患者さんに薬を飲んでもらっても効果に期待を持てない場合が多いものです」(大西先生)。

そこで同院では、認知症に関する研究会をつくり、地域の医療機関に対して、すぐに受診すべき認知症の症状を伝えるなどの啓発に努めています。

加えて、検査設備の整った同院で正確な診断を行い、薬の処方は開業医で行うというような役割分担で、地域の医療機関と連携しながら認知症の治療を行う体制づくりにも力を入れています。

大西先生や西井先生は、同院が中核病院となり、より多くの認知症の患者さんが快適に過ごせるように、ご家族や地域の医療機関、地域社会をプロデュースしていきたいと考えています。

 

 

取材日:2011年10月25日
田辺脳神経外科病院の外観

医療法人ラポール会 田辺脳神経外科病院

〒583-0014
大阪府藤井寺市野中2-91
TEL:072-937-0012

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