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大学病院との連携を生かし先進的な診療を地域へ
<東京都北区 王子こころのクリニック>

院長 杉下和行先生 院長 杉下和行先生

“誰でも気軽にこころの相談ができるアットホームなクリニック”を目指して開業して約1年。王子こころのクリニックの院長、杉下和行先生は前職の大学病院と密に連携しながら、患者さん本位の専門性の高い診療によって地域のニーズに応えています。

こころに不安を持つ患者さんに、より早く診療の機会を

待合室 待合室
パソコンが使用出来る待合カウンター パソコンが使用出来る待合カウンター
配慮が行き届いた、清潔で広々とした化粧室 配慮が行き届いた、清潔で広々とした化粧室

東京都北区の王子駅前、明治通りに沿う一画に王子こころのクリニックが開業したのは2011年5月のこと。主な標榜科は心療内科と老年心療内科で、特に高齢者の精神障害の診療に力を入れています。

「この地域の患者さんの診療ニーズにできるだけ早くお応えすることが、当クリニックの重要な役割の一つだと思っています」と柔和な表情で語る院長の杉下和行先生は、開業までは出身大学である東京大学医学部附属病院に勤務し、認知症専門外来(メモリークリニック)も担当していました。

「日本の多くの大学病院がそうであるように、私の勤務先も診療の予約がいっぱいで常に2~3カ月待ちでした。そんな状態に困っておられる患者さんを見て、診療の機会をより早く提供したいと考えたことが開業のきっかけです。また、将来的にはこの地域に根ざしたクリニックとして最新の診断と治療の導入にも積極的に取り組んでいきたいと思っています」(杉下先生)。

開業して約1年の現在、初診の患者さんの多くは同クリニックのホームページを見ての来院です。「初めて精神の不調などについて相談される方が多いので、電話でのご対応の際、不安をお感じにならないよう留意しています」と語るのは、受付の岩田さん。また、同じく受付を担当する入沢さんは、「電子カルテを活用するなど、患者さんをできるだけお待たせしないよう気を配っています」と、患者さん本位の対応がスタッフに共有されています。

 

認知症診断の基本は患者さん自身との対話

「開業してからは認知症の初期段階の患者さんを診ることが増えましたね」と杉下先生は大学病院時代との違いを語ります。

「大学病院では、診療所では診療が難しい、例えばBPSD(認知症の行動・心理症状)が目立つような患者さんを診るケースが比較的多くありました。今はアルツハイマー病の少し手前のMCI(軽度認知障害)などの患者さんも来院されます。ただ仮に患者さんにもの忘れの自覚があったとしても認知症とは限りませんので、慎重に見極めるようにしています」(杉下先生)。

診察の第一歩は、患者さん本人から自覚症状や困っている点を聞くこと。ご家族が同伴されていても、患者さんの失行や失語の有無を確かめるために、必ず本人に聞くようにしています。

また、MMSE-J(精神状態短時間検査-日本版)や心理検査などは心理士が行い、「受付にいらした患者さんのご様子が普段と少し違えば、すぐに先生に申し送りしています」(入沢さん)と、緻密なチームワークで診療に必要な情報を共有しています。

そして、認知症の診断をつける上で杉下先生が特に留意し、また自信を持って取り組んでいるのがうつ病との鑑別です。

 

うつ病との鑑別が専門医としての役割

「高齢者のうつ状態が認知症のように見えるケースが少なくありません。仮にうつ病であるにもかかわらず認知症の薬を投薬してしまうと後から修正できませんし、治る可能性のあるうつ病を見過ごすことになってしまいますので、じっくりと慎重に判断することが必要です。うつ病や認知症がご専門ではない内科医の先生方にとって鑑別は難しいこともあるかもしれません。だからこそ私たち専門医がやらなければなりません」と説く杉下先生は、鑑別のスクリーニングにGDS-S-J(老年期うつ尺度<短縮版>)を用いています。

GDS-S-Jは55歳以上の患者さんを対象としており、「あなたは、あなたの人生に、ほぼ満足していますか?」といった計15問の質問に答えてもらい、その回答を点数化してうつのスクリーニングをします。その後、問診を詳細に行ってうつ病かどうかを判断します。仮にうつ病の診断をつけた場合、その治療が終ってからMMSE-Jや長谷川式など認知機能検査を改めて行います。「そうしないと検査のスコアが信頼できません」(杉下先生)というのが、その理由です。

 

大学病院との連携をクリニックの診療に生かす

杉下先生は、「認知症の診療は常に進歩している分野ですから、日々の勉強を欠かすことはできません」と、常に先進的な症例研究などを注視し研鑚を重ねています。

その貴重な場が、先生の前職である東京大学医学部附属病院の認知症専門外来(メモリークリニック)です。杉下先生はここで今も月1回診療にあたる一方、神経内科医や放射線科医も同席する認知症専門医のカンファレンスに参加。

「このカンファレンスにはJ-ADNI(アルツハイマー病の克服をめざす全国規模での臨床研究)の主要メンバーの先生方も出席されており、独りよがりにならないよう、幅広く意見を聞ける機会になっています」(杉下先生)。

また、日常の診療においても大学病院との連携を密にしており、必要に応じて脳血流SPECTや頭部MRIなどの検査を依頼。その結果について大学病院の専門医の見解も聞き、クリニックの診療に生かしています。

 

早期診療の啓発が今後の課題

王子こころのクリニックのみなさん 王子こころのクリニックのみなさん

これからの認知症診療の治療は何かという問いに対し杉下先生は、「早期段階での治療の重要性を啓発していくこと」と指摘します。

「かなり認知症が進んでしまってから受診される方が多いのが実状です。早期であれば投薬で進行が抑えられる部分もありますから、できるだけ認知機能が低下していない段階で治療を開始することが重要です」(杉下先生)。

さらに続けては「おそらくは今後、MCIを対象とする新薬が開発されるでしょう。今日本で薬が使えるのはアルツハイマー病と診断された患者さんだけですから、アルツハイマー病の早い段階かMCIの後期で診療を受けていただく必要があります。しかしMCI対象の新薬が出れば、その段階の患者さんにも積極的に受診いただけるようになります」と今後の展望を、期待を込めて語ります。

そして、こうした早期診療の重要性を地域の患者さんたちやその家族に知ってもらうことがクリニックとしての今後の課題です。

「現在、医師は私と非常勤の先生の二人だけです。マンパワーに限りがあり、初診までお待たせすることが多くなっています。近隣の先生方と連携しながら地域の医療に貢献したいと考えています」(杉下先生)。

 

 

取材日:2012年2月22日
王子こころのクリニックの外観

王子こころのクリニック

心療内科・老年心療内科
メンタルヘルス科・精神科

〒114-0002
東京都北区王子1-5-3 ARビル5F
TEL:03-5902-7888

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