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医療に加え介護や福祉も含む総合的なサービスで患者さんの理想郷をめざす
<北海道札幌市 医療法人共栄会 札幌トロイカ病院>

理事長 有田矩明先生 理事長 有田矩明先生

北海道札幌市にある札幌トロイカ病院は、精神疾患の患者さんに長年にわたり、医療だけでなく住居や就労の場などを提供してきました。さまざまな患者さんに対し総合的なサービスを提供するという理念のもと、認知症の患者さんや御家族に対する支援に積極的に取り組んできています。

理想郷にいざなう‘馬そり’の名に由来する新たな病院づくりを

共栄会として、札幌トロイカ病院は、1983年に150床の精神科病院として発足した。病棟の増改築や新設を経て現在では419床の入院体制を備え、医療をベースに介護老人保健施設やグループホーム、生活障害者の共同作業所なども備えてさまざまな介護・福祉サービスを提供している。

吹き抜けが開放的な待合室 吹き抜けが開放的な待合室

理事長の有田矩明 先生は、三頭立ての‘馬そり’を意味する“トロイカ”を病院の名称とし、総合的な医療・福祉サービスが、理想郷に患者さんを乗せていく‘馬そり’となることを目指している。人間関係の原型を父、母、本人という三者の関係であるとし、精神医療の中に、その三角の関係を取り入れた。それをトロイカの三頭立ての‘馬そり’とも重ねている。

「三角の関係は、天文学にも由来します。ヨーロッパにあるオランダの病院に勤務していた頃、夜空の星の力学と精神分析の関係をつなげた論文を実際に読みました」(有田先生)。

これまでオランダ、京都、東京で精神医療に携わってきた有田先生は、従来の精神病院のあり方に疑問を感じた。そこで、従来の精神医療に新たな視点を加えた病院をつくるという意思で開設した。それは、患者さんが置かれた状況に応じて、精神医療だけでなく、必要な介護・福祉サービスをタイミングよく提供することが重要であると考えたからだ。そこで、病院以外に、患者さんの機能訓練施設、及び介護老人保健施設などを整備し、就労や生活をサポートする自立支援サービス、デイ・ナイトケアサービスなどを用意している。ひとりの精神疾患の患者さんと一生を通じて関わると、20年以上にもわたる長いお付き合いになり、患者さんは晩年に認知機能障害を呈することがある。

「長いお付き合いをするには、こちらの腹も据わっていないとできないことです。医学知識のみで学問を語ったりしても患者さんは受け入れてはくれません。患者さんから教わったことは、患者さんと関わるにはエネルギーを必要とするということです」(有田先生)。

 

患者さんとスタッフとの信頼関係も治療の一部

外来 看護師 油谷小百合さん 外来 看護師 油谷小百合さん
治療病棟 看護師長 柳下里美さん 治療病棟 看護師長 柳下里美さん
治療病棟 看護師 小林真由さん 治療病棟 看護師 小林真由さん

同院のスタッフは、医師たちの真摯な思いを受け止め、よりよい医療につながるよう心を配る。外来を担当する看護師の油谷小百合さんは、「御家族がどのようなことで一番困っているかを、患者さんへの診察時間とは別に時間を取り、お話をお聞きして、先生に報告します」と、診断とよいサービスにつながる情報を引き出している。

病棟を担当する看護師長の柳下里美さんは、「いつも笑顔で明るく患者さんと話します」と心がけを話す。

「環境の変化による様々な不安は、患者さんだけでなく御家族も同じなので、御家族のサポートも行います。ソーシャルワーカーを通じて、入院後の患者さんの状況をお伝えし、安心していただいています」(柳下さん)。

同病棟の看護師である小林真由さんは、治療のためには、患者さんとの信頼関係が最も大切であると言う。

「毎日の体調や昔のお話をお聞きすることを重ねていくうちに、患者さんとの信頼関係を築けます。そうすると、患者さんが不安になったり、混乱している時でも、スタッフの顔を見ると安心してもらえるのです。お薬だけに頼るのではなく、話をすることで患者さんの気持ちが落ち着くこともあるのです」(小林さん)。

 

地域に情報を発信し、精神科の敷居の高さを払拭

地域との連携、及び施設内での連携をめざす当院では、地域連携室とそれぞれの病棟にいる精神保健福祉士(PSW)が関連施設や介護・福祉サービスにつなげる役割を果たしている。

地域連携室は、自宅で暮らしている患者さんと御家族に必要な情報を提供すると共に、地域の住民に対し、病院からの情報を発信する役割も担っている。その一環としてブログを開設し、病棟で催される行事などを紹介している。PSWの岩野愛代さんは、ブログなどの情報発信によって「いつでも気軽に相談できる窓口となり、受診しやすい精神科外来、内科外来を目指したい」と言う。

精神保健福祉士 岩野愛代さん 精神保健福祉士 岩野愛代さん

「患者さんが過ごしやすい環境にすることが何より望みです。院内行事も集団療法のひとつです。ブログを始めたことで、地域の人が夏祭りに来てくれたり、医療相談に来られることもありました」(岩野さん)。

同医療法人にはさまざまな施設が整備されていることで、デイケアやナイトケアなどのサービスを関連施設で受けることを提案し、御家族と介護者が休養を取れることが嬉しいと、幅広い介護・福祉サービスの提供を話す。

 

患者さん(入所者)の心の声を聴くことが寄り添う介護の第一歩

介護老人保健施設 ぼだい樹 療養長 中村修子さん 介護老人保健施設 ぼだい樹
療養長 中村修子さん

介護老人保健施設 ぼだい樹 主任 河田留美さん 介護老人保健施設 ぼだい樹
主任 河田留美さん

吹き抜けの天井から光が差し込むデイルーム(ぼだい樹) 吹き抜けの天井から光が差し込む
デイルーム(ぼだい樹)

退院後の患者さんが自宅での生活ができるようサポートする介護老人保健施設ぼだい樹は、100床のうち認知症専門が50床あり、「寄り添う介護」をモットーにしている。療養長である中村修子さんは、「寄り添う介護」を何より大切にしていると話す。

「スタッフで共有するのは入所者の訴えだけではなく、その背景も理解し共有しなければいけません。そのためにはミーティングを開き話し合うことが大事です。それが、入所者の症状を理解することになります。そうすると寄り添う介護につながり、入所者の心身が元気になるという実感がスタッフにはあります」(中村さん)。

主任を務める介護士の河田留美さんは、季節行事で職員が喫茶のサロンを開設し、入所者に楽しんでもらうだけでなく、普段の生活とは違う空間を演出して、入所者との距離をさらに縮めている。

「ぼだい樹では、毎日の介護を通して、入所者の心の声を聴こうと努力しています。それが、寄り添う介護の第一歩であると考えています」(河田さん)。

 

スタッフが治療的刺激を与えられる存在に

現在、同院の入院患者さんの約7割が高齢者で、精神疾患で長年入院していた患者さんが認知機能障害を呈するようになった。

「今、役割は2つあります。地域社会における認知症の患者さんへの医療・介護と、精神疾患の患者さんへの認知症医療・介護が必要です。精神疾患の人が認知機能障害を伴うことは、長年精神疾患の治療に携わってきた私たちにとっても新たな経験なのです」(有田先生)。

だからこそ、「理想を高く持ってトロイカをめざしたい」と有田先生は言う。それは、スタッフの支えを前提にしている。

「人が成長し、生きていく過程でさまざまなハードルがあり、精神疾患もその一つです。それはあくまでもハードルでありゴールではありません。我々は学問を知恵として、患者さんが病気とうまくつきあっていけるようにナビゲートする専門家でいることが重要です。スタッフ一人ひとりが治療的刺激を与えられる存在であることが重要であると思っています」(有田先生)。

 

 

取材日:2012年1月26日
医療法人共栄会札幌トロイカ病院の外観

医療法人共栄会
札幌トロイカ病院

〒003-0869
北海道札幌市白石区川下577-8
TEL:011-873-1221

施設のホームページへ


医療法人共栄会
介護老人保健施設 ぼだい樹

〒003-0869
北海道札幌市白石区川下577-9
TEL:011-873-2345

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