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全スタッフ参加型の勉強会で、地域の認知症医療を牽引
<岡山県笠岡市 医療法人社団清和会 笠岡第一病院>

脳神経外科 部長 渡辺明良先生 脳神経外科 部長
渡辺明良先生

2012年に開院60年を迎える医療法人社団清和会笠岡第一病院は、急性期医療から在宅支援までを担う、地域密着型の病院です。介護老人保健施設などのグループ各施設と連携を取り、認知症をはじめとする各種勉強会には全スタッフが参加してスキルアップを図るなど、岡山県南西部における認知症医療を牽引する存在となっています。

 

笠岡市民の健康を一手に担う中核病院

瀬戸内海に面する笠岡第一病院 瀬戸内海に面する笠岡第一病院

眼前に瀬戸内の海が広がるのどかな港町に、笠岡第一病院があります。内科、外科、小児科、整形外科、脳神経外科、皮膚科といった19もの診療科と148床の入院病床数を有し、1日の外来者数は平均500人以上。血液透析専門のタカヤクリニックや介護老人保健施設瀬戸いこい苑など、グループ各施設とも連携し、地域の中核病院として笠岡市民の健康を支えています。  

同院で認知症医療を一手に担っているのが、脳神経外科部長である渡辺明良先生です。県内の大学病院にいた頃は、脳神経外科医として急性期の脳疾患の他、脳腫瘍や脳梗塞による認知機能低下や、硬膜下血腫、正常圧水頭症などの手術で治せる認知症も担当していましたが、11年前に同院に移ってからは必要に迫られ、変性疾患であるアルツハイマー病などの認知症患者さんにも向き合うようになりました。

「思った以上に認知症の患者さんをみる機会が多く、文献で調べるだけではなく、講演会・学会にも足を運び、勉強しながら診療にあたってきました」(渡辺先生)。

近隣に受け入れ可能の認知症専門病院が少ないこと、地域の高齢化に伴い「他科を受診した患者さんのご家族がもの忘れを心配されている」など、院内からの紹介も少なくなく、また「内科的・外科的な身体疾患で入院中の高齢の患者さんに認知機能の低下がみられた場合にも、他科から連絡が入り、病棟を訪れることがあります」(渡辺先生)と、院内においても連携して認知症の早期発見・治療に努めています。

 

MRIの画像処理・統計解析ソフトによる正確な診断

増え続ける患者さんの診断に際し、渡辺先生が強い味方と太鼓判を押すのが、MRIの画像処理・統計解析ソフト「VSRAD」です。よりよい診断方法を模索して認知症の画像診断の学会に参加したときにその存在を知り、同院への導入が実現しました。

「100%頼りきることはありませんが、視覚的には海馬傍回の萎縮はないように見えても、数値で萎縮の程度が表示されるので、診断の手助けになります」と、渡辺先生の片腕的存在になっています。

VSRADの導入も奏功していますが、「脳神経外科医としてMRI画像などはたくさんみてきたので、脳血管障害が強いのか、どの程度アルツハイマー型と合併しているのかといった鑑別は最初から行っています」(渡辺先生)。同院では精神科がないために渡辺先生が認知症患者さんをみていますが、「精神科的アプローチだけではなく神経学的アプローチもできるため、多方面から鑑別診断をするようにしています」と、渡辺先生は脳神経外科医ならではの強みを話します。入念に鑑別診断を行った結果、最初はパーキンソン病との紹介状を受け取った患者さんが、実はレビー小体型認知症だったこともありました。

初診時にはこうした画像診断や長谷川式簡易知能テストの結果だけではなく、臨床症状をとらえることにも重きを置き、「患者さんの顔をみながら、じっくりと時間をかけて診断しています」(渡辺先生)。

 

ご家族の心の支えにも重点を

初診時に渡辺先生が心がけているのは、患者さん本人のみならず、付き添いのご家族の様子にも注意を払うこと。

「ご家族の目線などで、話し足りていない雰囲気を察知するときがあります。そんなときはご家族だけ残ってもらい、お話を伺います」(渡辺先生)。

しっかりとご家族から話を聞くのは、患者さんへの的確な診断材料の一つとなるだけではなく、「それまで本当に大変な思いをしながらお世話をされてきたご家族が多いのですから」と、ねぎらいの気持ちを込めて、「聞き役に徹したい」という渡辺先生の思いからです。

主任 ケアマネジャー 野村良一さん 主任 ケアマネジャー
野村良一さん

ご家族とのコミュニケーションを大事にしているのは、同院に併設している、いこい指定居宅介護支援事業所で主任ケアマネジャーの野村良一さんも同様です。医師、地域、各施設との懸け橋になっているのが、野村さんたち5名のケアマネジャーなのです。

「ご家族にとって認知症という診断名はすぐに受け入れられないもので、ショックを受ける方もいらっしゃいますから、心を落ち着けて相談できる場を提供するようにしています」(野村さん)。

ご家族の気持ちを受け止め、言葉を選びながらも今どういった状況に患者さんがおられるのかをかみ砕いて話を進めるうちに、ご家族は戸惑い、混乱、割り切り、受容の各段階を経て、徐々に現実を受け止めてくれるようになります。

「ご家族が理解され、受け入れる様子がしっかりとみられたら、『このような内容のグループホームがありますよ』など、その方にとって必要な情報を伝えるようにしています」(野村さん)。

ともにご家族と患者さんの方向性を探ろうという野村さんの姿勢は、地域から絶大な信頼を得ています。

 

充実の勉強会、全スタッフ参加型

認知症診療は「勉強をしながらの11年」と話す渡辺先生ですが、「常に勉強」の姿勢は同院あげての取り組みとなっており、認知症に限らずあらゆる疾患について院内講習会や勉強会を盛んに行っていることが特長です。対象者は医師や関係各スタッフだけにとどまらず、「グループ施設の職員も含めた、全スタッフ」という徹底ぶり。

認知症関連では、「精神科病院の院長をお招きしてせん妄について勉強会を行いました。褥瘡の勉強会のときは皆さんの関心が高く、グループ職員だけではなく近隣の医療関係者や住民の方など、300人以上が参加して会場に入りきれないほどでした」とその充実ぶりについて話す渡辺先生。医療関係者のための症例検討会だけでなく、地域住民を対象にした健康教室など、これからも多種類の勉強会が予定されています。

「今日も18時から認知症家族ケアの勉強会があります。『患者さんの性格からみた認知症』と題し、生活歴から患者さんを知り、どういった言動が出やすいのか紐解いたり、スキルを学んだりするのです」(野村さん)。

地域に根付いた勉強会を率先して行う同院は、スタッフのスキルアップはもちろん、住民意識の底上げにも一役買っています。

 

認知症患者さんの「人間の杖」としての存在に

同院では看護部主体の「高齢者プロジェクト」があり、入院中の高齢者に声をかけたり、栄養士、作業療法士と連携して栄養指導やリハビリを行ったりと、認知症の入院患者さんに対しても、積極的に関わっています。

同院の平均入院日数は13日間であり、「その間に、患者さんの地域とつながりを持った退院後の生活を考えるのも役割の一つ」と言う野村さん。「退院後の生活が心配。私達ケアマネジャーは、地域の方や民生委員と顔をつなぎ、特に独居高齢者を地域で支えてもらえるように心がけています」と話します。

野村さんらは介護福祉士や、ときには介護タクシーの人にも話を聞いて、患者さんの退院後の状況を定期的に渡辺先生に報告しており、「私たちが患者さんの『人間の杖』になりながら、皆さんのつながりに一役買いたい」と今後の抱負を抱いています。

「患者さんやご家族に笑顔で帰っていただきたいから、雰囲気づくりも大切にしている」と言ういつも温和な笑顔を絶やさない渡辺先生のことを、野村さんは「ご家族に対しては『本当に頭が下がる』と言われ、私たちスタッフにも心から『お疲れさま』とおっしゃり、どんな立場の人にも分け隔てなく対応される先生だからこそ、大変チームワーク良く連携が取れているのです」とたたえます。

「今後もいろいろな機会をとらえて勉強をし、認知症に関して学んでいきたい」とさらなる研鑚に余念がない渡辺先生です。

 

 

取材日:2012年2月16日
医療法人社団清和会笠岡第一病院の外観

医療法人社団清和会
笠岡第一病院

〒714-0043
岡山県笠岡市横島1945
TEL:0865-67-0211

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