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医師主導で地域ネットワークづくりを目指す
<岩手県岩手郡 こんの神経内科・脳神経外科クリニック>

院長 紺野敏昭先生 院長 紺野敏昭先生

岩手郡滝沢村にあるこんの神経内科・脳神経外科クリニックは、滝沢村を含む5市町村からなる岩手郡全域の認知症診療を担っています。院長の紺野敏昭先生は、認知症サポート医の育成に取り組むなど、認知症診療の地域ネットワークづくりに注力。行政からの依頼で、医師向け、介護スタッフ向けなど多数の講演会も行っています。

クリニックにあふれる患者さんへの心配り

院長の紺野敏昭先生は脳神経外科の専門医として15年ほど従事し、その後、神経内科に携わりました。岩手医科大学神経内科学講座医局長を務めた後、1998年にこんの神経内科・脳神経外科クリニックを開業。脳神経外科・神経内科両方の専門医である強みを認知症の鑑別に活かし、これまでに1000人以上の患者さんの認知症診断を行ってきました。

明るく開放的な待合室
明るく開放的な待合室
医療事務 岩崎めぐみさん
医療事務 岩崎めぐみさん

紺野先生は開業するにあたり、クリニックの設計に対するこだわりがありました。「病気に対する恐れや不安な気持ちを抱えて来る患者さんに、少しでも明るい気持ちになってもらえるように」というコンセプトから、病院にありがちなグレーや白の画一的な建物ではなく、壁はクリーム色、ドアはオレンジ色という明るい雰囲気の建物にしました。天井は吹き抜けで開放感があり、ヨーロッパの教会をイメージした窓からはやわらかい光が差し込み、患者さんの気持ちを和らげます。

患者さんへの配慮は建物の設計だけではありません。同クリニックには、施設内で困っている人がいればすぐに駆け寄って声をかけることや、高齢者に対して自然に気配りすることができる祖父母との同居経験があるスタッフが集まっていると紺野先生は言います。医療事務を担当する岩崎めぐみさんは、「認知症の患者さんと話すときには分かりやすい言葉でゆっくりと話しかけ、同じ話を何度も繰り返す患者さんに対しても笑顔でうなずきながら聞くようにしています」と、普段の心がけを語ります。

 

ご家族の不安を和らげる対応と、患者さんの笑顔を引き出すリハビリを

看護師 堀切加奈子さん
看護師 堀切加奈子さん
MRI室にも患者さんがリラックスできるような配慮が随所に
MRI室にも患者さんがリラックス
できるような配慮が随所に

看護師の堀切加奈子さんが特に気を配るのは、患者さん自身が認知症だと気づいていない場合です。ご家族から相談を受けたときは、認知症の診療ではなく、健康診断という形で患者さんを連れてきてもらうようにしています。ご家族には、困っていることなどをあらかじめ紙に書いてもらい、診察時に患者さん本人の前で話さないで済むように配慮しています。

初診の場合は、まず堀切さんたち看護師が病歴をチェックし、ご家族へのアンケート調査を行います。そして、紺野先生の指示で、長谷川式スケールと、構成障害の有無を確かめるための時計描画や立方体模写などを一緒に行います。その後に画像診断を行う際には、同クリニックに設置されたオープン型MRIで、可能な限り初診時に検査するようにしています。その日のうちに診断結果を知ることができるため、不安を抱えたご家族にとって大きなメリットとなっているのが特徴です。

同クリニックにはリハビリテーション科もあり、脳卒中や認知症患者さんの運動機能回復に取り組んでいます。作業療法士の横屋晃さんがリハビリを行う際に心がけているのは、安心できる雰囲気をつくり、患者さんの笑顔を引き出すことだと話します。

「リハビリというと、どうしても辛いというイメージを持っている方が多く、特に認知症患者さんの場合、痛いことや嫌なことをされると思うと拒否につながってしまいます。そこで、ゲーム的な要素を取り入れながら笑顔で接し、また来ていただけるような雰囲気づくりを心がけています」(横屋さん)。

作業療法士 横屋晃さん
作業療法士 横屋晃さん

同クリニックでは訪問リハビリも行っています。訪問の際に、各家庭ごとに異なる環境やルールに合わせるのは大変ですが、患者さんの日常的な姿など病院では見られない面を見ることができるというメリットもあると横屋さんは語ります。

 

ご家族が前向きになれるようサポート

紺野先生は、認知症についてできるだけ詳しくご家族に説明することを心がけています。将来的に起こる可能性のある症状や、BPSDについても話し、事前に対処法を知ってもらうことで、ご家族も前向きになれると紺野先生は言います。ご家族の負担をできるだけ軽減するためにも、BPSDが出る前に治療を開始できるのが一番よいと紺野先生は考えますが、そのためにも早期診断・早期治療開始の重要性を訴えます。

BPSDへの対処について先生は、「心と笑顔で対応してください」とご家族にアドバイスしています。認知症の患者さんは言葉がよく理解できなくても、とても感情が豊かで、周囲の人の接し方に敏感に反応するからです。患者さんを叱らずに、簡単な家事などを任せて「自分はこの家で必要とされている」という安心感を与えることでBPSDが出にくくなると紺野先生は話します。

また、ご家族が協力的で周囲の人も上手に接していれば、患者さんはいつも笑顔でおだやかに過ごせると紺野先生は感じており、それが認知症治療の基本的な姿だと考えています。ご家族には、「認知症は、もしかすると神様が与えてくれたご褒美かもしれませんよ」と話すこともあります。患者さんは、いろいろなことを忘れてしまいますが、苦労も忘れ、食事やトイレなど日常生活で人の手を借りなくてはならないようになっても、大きなストレスを感じずに過ごすことができるからです。紺野先生のこの言葉で安心するご家族も多いと言います。

 

行政を巻き込んだ地域ネットワークづくりを目指す

紺野先生が今、もっとも課題だと感じているのは認知症診療の地域ネットワークづくりです。近隣の大学病院や精神科医、ケアマネジャーやヘルパーなどとの連携を取り合っているものの、認知症を診断できる医師が不足しているのが現状です。5市町村で構成される岩手郡内においては市町村ごとに体制が異なるため、行政が主体となってネットワーク構築を一斉に取り組むのは現時点では難しいと紺野先生は見ています。そこで、まずは医師のネットワークを構築した上で、医師会主導で地域連携を強化していこうと考えました。

現在取り組んでいるのが、認知症診療の地域連携を推進する役割を担う認知症サポート医の育成です。岩手郡内から認知症に関心のある医師に集まっていただき定期的に会合を開き、レクチャーを行っています。内科や整形外科など診療科を問わず、認知症サポート医の認定を受けてもらうためのサポートを惜しみません。

クリニックのみなさん
クリニックのみなさん

「今年度中には行政にも加わってもらい、さらに、包括支援センターや社会福祉協議会なども巻き込んだネットワークづくりと、認知症の人にやさしい地域社会づくりを目指したいですね」と、紺野先生は今後の抱負を語ります。

 

 

 

取材日:2012年2月29日
こんの神経内科・脳神経外科クリニックの外観

こんの神経内科・脳神経外科クリニック

〒020-0173
岩手県岩手郡滝沢村滝沢字牧野林1010-4
TEL:019-699-1111

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