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“心のホームドクター”として患者さんとご家族、そして地域に寄り添う
<北海道函館市 医療法人社団 伊藤メンタルクリニック>

伊藤メンタルクリニック 院長 伊藤匡先生 伊藤メンタルクリニック
院長 伊藤匡先生

伊藤メンタルクリニックは、“心のホームドクター”をモットーとして2002年に開業しました。以来、認知症や精神疾患の外来診療に努める一方、往診にもスタッフ一丸となって注力。また、地域における専門医や福祉施設との連携にも意欲的に取り組んでいます。

気軽に来院し、安心して話せるクリニックに

季節を感じさせる中庭のシンボルツリー。冬は電飾で飾られている 季節を感じさせる中庭のシンボルツリー。
冬は電飾で飾られている

中庭に立つシンボルツリー、壁にかかる色鮮やかな絵画、大きな窓から入る温かい光、そしてモーツァルトの気品ある旋律――伊藤メンタルクリニックの待合室には、あたかもラウンジのような、ゆったりとした時間が流れています。

総合病院に見られるような機能的・合理的な空間とは趣を変え、あえて“病院らしくない”空間にしつらえたのは、診療を前に緊張しがちな患者さんに少しでもリラックスしてもらいたいという心配りから。

「困ったときに気軽に来て安心して話ができ気持ちよく帰れる、それが当クリニックの目標です。こうした空間にしたのも、患者さんがストレスを感じないようにするため。認知症が進んだ患者さんは帰ると忘れてしまうかもしれませんが、それでも『ここは落ち着ける、安心できる』と感じていただくことが大切だと思っています」と院長の伊藤匡先生は穏やかな口調で話します。

認知症の患者さんは、函館市を中心に広く道南から、そしてフェリーで青森県からも来院されます。

「認知症の治療においてまず重要なのは早期の診断、そして患者さんやご家族の立場に立った説明」だと伊藤先生は経験を踏まえて語ります。

 

認知症治療のポイントは、早期診断と患者さん本位の説明

まだクリニックが開院したばかりの頃、自分の手にメモをいっぱい書き込んだ女性が来院されました。仕事は医療職。「なんだか調子が悪いんです」と自ら受診され、心理検査などを行った結果、認知症の疑いがあることがわかりました。

ご主人も同席の上で告知すると、ご主人は「うちのかあちゃんをバカ扱いするのか。仕事もきちんとやっているし、家では料理も作っている。先生は間違っている!」と怒気を含んだ言葉を伊藤先生にぶつけました。そこで先生が連携する病院でのSPECT検査をすすめたところ、患者さん自身が「私は受けたい」と同意。その結果、初期のアルツハイマー型認知症であることが判明しました。

「ご主人は結果を見て納得され、治療にも前向きになられました。こうして早期診断ができると、治療だけでなく、生活設計の見直しや思い出づくりも早い段階から始めることができます。この方は半年後にお仕事を辞められ、ご夫婦でご旅行にも行かれたと聞いています」と伊藤先生は振り返ります。

「経済的な面も含め治療環境を整える上で早期診断は非常に大切です。患者さんにはプライドがあり、ご家族には『認知症じゃないかもしれない』という期待がある。そういう気持ちをお察しして共感しながら診断をご説明し、症状や治療方法について正しく理解してもらうことが重要です」と伊藤先生は早期診断と説明の大切さを説きます。

 

早期診断を支える臨床心理士の緻密な検査

伊藤メンタルクリニック 臨床心理士 中村万希さん 伊藤メンタルクリニック
臨床心理士 中村万希さん

診断において、伊藤メンタルクリニックで重要な役割を果たしているのが、臨床心理士の中村万希さんです。同クリニック開業当初からのスタッフで、伊藤先生も「彼女がいなければ、うちのクリニックは回らない」と全幅の信頼を寄せています。

中村さんが担当しているのは、伊藤先生が診断の手がかりとして参照する各種の検査。患者さんの状態をなるべく細かく把握するよう、検査を使い分けています。

「スクリーニングなど神経心理学的な検査が中心ですが、認知症の初期の段階や軽度の場合、それでは確認できないことがありますので、さらに時間をかけて異なる検査をします。例えば、WAIS-IIIは一般的にはIQなどを算出する知能検査の部類に入りますが、認知機能を把握するための検査としても有効です」という中村さんは、先生とともに往診に出ることもあるといいます。

往診への意欲的な取り組みは、同クリニックの特徴の一つ。毎週木曜日、外来診療を休んで往診に充てています。

「経営的には全然プラスにならないし、妻からは『あなたももう少し休まないと・・・・・・』と渋い顔をされていますよ」と伊藤先生は苦笑しながらも、「精神科医が少ないこの地域のために、微力でもできることはしていきたい」という言葉に強い使命感をにじませます。

 

1日に30人、制度の壁を感じながらも意欲的に往診

往診先はグループホームなどの施設が中心で、必要があれば患者さんのご自宅も回ります。多いときは1回の往診で30人を診ることもあるといい、その準備の労も少なくありません。短時間で多くの方を診察できるよう、クリニックの看護師が予定している患者さんの情報を1日がかりで揃えて往診に臨んでいます。

「これだけたくさんの患者さんを往診することは大変なことです。スタッフの協力があるから何とかできているのだと思います。ご希望の患者さんすべての往診をできるわけではないので、患者さんの状態を聞いて必要だと判断すれば外来に来ていただくこともあります」(伊藤先生)。

さらに伊藤先生は「こうした各施設への往診を始めるきっかけは、外来患者さんからのクチコミで当クリニックを知った施設の方からのご依頼など個人的なつながりが多く、連携する制度が整っているわけではありません。しかし地域として患者さんやご家族を支える仕組みが必要なのです」として、地域連携にも積極的に取り組んでいます。

 

地域ぐるみで患者さんとご家族を支える仕組みを

函館市(中央部地区)地域包括支援センターこん 社会福祉士 長谷山哲平さん 函館市(中央部地区)
地域包括支援センターこん
社会福祉士 長谷山哲平さん

「函館市(中央部地区)地域包括支援センターこん」は重要な連携先の一つです。同センターの社会福祉士で精神保健福祉士の長谷山哲平さんは、高齢者のご家族や民生委員からの相談を受けて、しばしば伊藤メンタルクリニックに問い合わせるといいます。

「こちらでは、患者さん一人一人の現状や生活歴に応じた対応や、同居あるいは遠方にいるご家族の疑問にも親身に対応してくださるので安心しています。また、先生がご多忙なときもスタッフの方が丁寧に話をつないでくださるので非常に助かっています」と伊藤先生とクリニックのスタッフに信頼と感謝を寄せています。

「ご家族が認知症の患者さんを叩いたことがあったのですが、それはご家族に病気の知識がなかったからです。先生の説明でご家族は理解を深めて適切な介護ができるようになったことがありました」(長谷山さん)。

介護の現場との連携に加え、近隣病院との連携も欠かすことはできません。連携の軸になっているのは、函館市内にある総合病院の神経内科とのつながりです。

「専門医同士でしっかり連携をとっています。特に函館新都市病院にはSPECTのスペシャリストがおられ、その先生の検査と当院の心理検査を組み合わせれば、認知症の初期でもレベルの高い診断ができます」と伊藤先生は地域の専門医による連携の意義を語ります。

伊藤メンタルクリニックのみなさん 伊藤メンタルクリニックのみなさん

長谷山さんをはじめ、地域の専門病院やかかりつけ医、福祉施設、地域包括支援センターなどと連携しながら、患者さんとご家族を支えてきた伊藤先生。しかしそのつながりは「個人的な信頼関係による連携」であることが課題だと考えています。「私はニーズがあったから各施設との連携にも積極的に取り組んできましたが、すべてのクリニックがこのようにできるわけではありません。これからは地域としてもっと組織や制度を整備しなければいけないと思っています」(伊藤先生)。その眼は常に患者さんとご家族、そして地域に向けられています。

 

 

取材日:2012年1月26日
伊藤メンタルクリニックの外観

医療法人社団 伊藤メンタルクリニック

〒042-0935
北海道函館市駒場町6-10
TEL:0138-54-6600

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