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医療・福祉・介護の統合で地域への貢献を目指す
<青森県八戸市 東八戸病院>

院長 秋山弘之先生 院長 秋山弘之先生

医療による地元への貢献を目指し、青森県出身の秋山弘之院長が立ち上げた東八戸病院は、認知症を中心に内科的な疾患や合併症の診療にも対応。初期段階の外来診療から専門病棟でのケアまで、地域の診療ニーズに幅広く応えています。

認知症を中心に内科診療のニーズにも応える

作業療法士 大塚基永さん 作業療法士 大塚基永さん

東八戸病院は、青森県内で初の認知症専門病棟を備える病院として、2005年5月に開院しました。院長の秋山弘之先生にとって、青森は高校卒業までを過ごしたかけがえのない故郷。埼玉医科大学付属病院の精神科医として認知症や統合失調症などの診療で経験を重ねたのち、地元に帰り同院を立ち上げました。

「約30年ぶりの青森ですから、医療に関しては連携も含めて全く一からのスタートとなりました」と苦笑しながらも、「都心部よりも高齢化が早く進んでいる地元に貢献したいという思いは強かった」という言葉に使命感をにじませます。

同院は秋山先生が専門とする神経科・精神科が診療の中心ですが、内科・循環器科も標榜しており、同じ曜日に神経科と内科の診療を受けられることが外来の特徴になっています。

「あと約10年で団塊の世代が70歳代後半を迎えます。その頃が日本の高齢化のピークだと見ていますが、それは主に都市部でのこと。地方ではもっと早くピークが来るでしょう」(秋山先生)。

「高齢の方では高血圧や糖尿病などの疾患を持つケースが多く、認知症の診療に付随して内科診療が必要であることを大学病院時代に痛感しました。そこで、開院にあたっては、たとえ試行錯誤をしながらでも神経科・精神科と内科を併せて診療することを目指したのです」と秋山先生は開院の趣旨を語ります。

 

約100床の認知症専門病棟を備えリハビリにも注力

看護師 吉田香織さん 看護師 吉田香織さん

東八戸病院では開院以来もの忘れ外来を設けており、その診察ではまず、既往歴や生活歴などをご家族からも含めて詳しく聞きます。そして心理検査、内科的検査、頭部CT検査などを行い、さらに精査の必要があれば、連携先である青森労災病院でSPECT、MRIなどの画像診断を行います。

「性格が一人ひとり異なるように、認知症の症状も患者さんによって違います。その違いを確かめる上で、ご家族から詳しくお話を聞くことを重視しています」(秋山先生)。

投薬治療では4種の薬を症状などに応じて処方します。また、非薬物治療に力を注いでおり、特に病棟での治療はリハビリテーションが中心です。認知症治療病棟の48床、老人性認知症疾患療養病棟の54床、計102床は常にほぼ満床。医師、看護師、介護福祉士および作業療法士が柔軟に連携しながら患者さんの対応にあたっています。

介護福祉士 稲荷チズルさん 介護福祉士 稲荷チズルさん

介護福祉士の稲荷チズルさん、看護師の吉田香織さんは、共に開院時からのスタッフ。秋山先生は「出来たばかりの病院で働いてくれるスタッフがいるのか心配だった」と振り返りますが、稲荷さんと吉田さんは「新しい病院の立ち上げにかかわれることにやりがいを感じた」と口を揃えます。

 

それぞれの視点をケアに活かすスタッフのチームワーク

稲荷さんは特別養護老人ホームや病院での介護経験を経ての転職。「認知症に関心がありましたし、自分たちで病院を築き上げていくことに魅力を感じました。今も試行錯誤は続いていますけれど、やりがいがあります」と言います。

精神病院の病棟勤務の経験がある吉田さんは「統合失調症の患者さんが多かった以前の病院と比べ、当院の病棟の患者さんのほとんどに認知症の診断がついています。医療に加えADL(日常生活動作)のサポートも多く肉体的な負担を感じることが少なくありませんが、毎日勉強、毎日発見している喜びがありますね」と日々の充実を語ります。

病棟では週に1回、看護師、介護福祉士、作業療法士が集まりケアプランの見直しなどを検討するカンファレンスを実施。「職種が違うと見る視点も違い、気づかされることが多いですね」(吉田さん)と、重要な情報共有、意見交換の場になっています。一方で「組織の風通しはよく、お互いが頼れる存在」(稲荷さん)と、日頃からのチームワークも確かです。

 

非薬物療法、特に集団でのリハビリを重視

作業療法士の大塚基永さんも仲間から頼られるスタッフの一人。「当院のリハビリは彼抜きではできません」と秋山先生も大きな信頼を寄せています。

作業療法士として約15年のキャリアを持つ大塚さんが、東八戸病院の一員となったのは約3年前。それまでの勤務先である一般病院やリハビリテーションセンターでは、主に身体に障害がある人のリハビリを担当しており、その中に認知症の患者さんもいて、徐々に認知症に関心を持つようになったといいます。

リハビリの際に留意しているのは、お仕着せではなく、その患者さんに合ったプランを考え提供すること。「ご家族から患者さんの普段の様子を詳しくお聞きして、ご自宅であまりやることがないならリハビリで何か役割を与えてみようとか、深層心理というと大げさですけど、患者さんの心の中を考えて接するようにしています」(大塚さん)とリハビリに臨む姿勢を語ります。

東八戸病院では集団訓練でのリハビリを重視しています。「集団の中に加わるだけで、顔がぱっと紅潮する患者さんもおられるんですよ」と秋山先生がその効用を示します。

もちろん個人訓練も実施しており、個人と集団それぞれの担当スタッフが情報交換をしてプランに反映するなど、ここにもチームワークが活かされています。

 

地域の各機関と連携し、地域と共に歩く

行政の窓口での紹介のほか、インターネットやクチコミをきっかけに来院される患者さんが徐々に増え、順調に軌道に乗っている感がある東八戸病院。秋山先生は「これからもっと地域に貢献したい」と口元を引き締めます。

「当院に入院される患者さんは、精神症状が重い方や内科的な合併症の方などさまざまで、個々に対応するのは非常に大変です。しかし患者さんを選ぶことはできませんから、できうる限り当院で引き受けて、症状などに応じて他の受け入れ先の医療機関などを探すよう努めています。もちろんグループホームや民生委員さんとの連携も欠かすことはできません。医療と介護の連携はこれからの大きな課題です」。

秋山先生は続けて、啓発活動ももっと必要だと指摘します。「米国のレーガン元大統領が認知症であることを公表したことなどをきっかけに、行政や医療機関の取り組みもあって徐々に啓発は進んできました。しかし、『介護保険制度』という名称のせいか、認知症が疑われると“まず介護ありき”と考える方が多い。重要なのは何よりも、神経科等の専門医を受診し、“まず診断を付ける”ことです。その啓発が必要だと思います」。

東八戸病院のみなさん 東八戸病院のみなさん

東八戸病院はこうしたさまざまな課題とまっすぐに向き合いながら、常に地域とともに歩き続けています。

 

 

取材日:2012年3月19日
東八戸病院の外観

東八戸病院

〒031-0833
青森県八戸市大久保字西ノ平25-440
TEL:0178-32-1551

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