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かかりつけ医として「ご家族の物語」とともに
<宮崎県宮崎市 医療法人社団 孝尋会 上田脳神経外科>

院長 上田孝先生 院長 上田孝先生

「あなたの脳と心をお守りいたします。」というスローガンを掲げる上田脳神経外科は、検査・医療の高い専門性と、気軽に相談できる親近感を併せ持つ街のクリニック。院長の上田孝先生を中心に、看護、薬剤、検査、リハビリテーションの各スタッフが密に連携しながら、患者さんとご家族への手厚い対応に力を注いでいます。

脳循環研究を通じて認知症に出会う

宮崎南バイパスに沿う緑豊かな丘陵地帯の一画に、上田脳神経外科が開業したのは2007年7月。院長の上田孝先生は脳神経外科を専門とし、カナダでの研究員生活や、総合病院の脳神経外科部長などのキャリアを経て同医院を開きました。

上田先生が認知症とかかわるようになったのは、医大卒業後7年目、モントリオール神経研究所時代のこと。先生の主なテーマはSPECTによる脳循環の研究でしたが、所内でアルツハイマーの研究も行われており、その知見に触れる機会がありました。

「帰国して総合病院に勤務したのですが、その病院にもアルツハイマーの患者さんがおられました。病態がよくわからないというので私がSPECTで検査してみると、非常に特徴的な血流パターンが確認できました。当時使われはじめた新薬による脳血流の変化などもかなり詳しく調べましたね」。そう振り返る上田先生は、認知症における早期の発見と診療の大切さを訴えます。

「糖尿病や高血圧には健康診断がありますが、認知症にはありません。高齢者のもの忘れなどに周囲の方が気づいたら、ぜひ気軽に相談していただきたい。ご家族や社会が早期に発見し、私たち脳の専門医が直ちに診療にあたることが重要です」 。

 

SPECTを活かし初期段階の診断に注力

初診の患者さんはまず看護師が問診。続いて上田先生が問診ののち、長谷川式、血液、CT、MRI、SPECTなどの検査を、可能であれば当日のうちに行います。なかでも上田先生が重視しているのはSPECTで、「進行期はもちろん初期であってもしっかり診断がつけられる」と明言します。

「脳の働きが落ちて萎縮したらMRIやCTでわかりますが、それでは遅い。問診でまず認知症に違いないと思ったら、必ず患者さんとご家族にSPECTを勧めます。やはりみなさん、病状が心配なので、積極的に検査を受けられる方が多いですね」。

「SPECTの結果、例えばアルツハイマー型だと診断を伝えると、当然ショックを受ける方もおられますので、初期なら貼付剤の新薬が有効であることなどを説明します。認知症が不治の病だと思っておられる方が少なくありませんが、お薬で食い止められることを理解していただくことが大切です」と、上田先生は常に患者さんとご家族に、治療に前向きであるよう呼びかけます。

 

リハビリテーションに認知運動療法を採用

理学療法士 上田正之さん 理学療法士 上田正之さん

上田脳神経外科は、リハビリテーション専門の部門を設けており、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が対応にあたっています。脳卒中、脳梗塞、脳出血の患者さんの身体機能の回復が主な目的ですが、これらの病気と併せて認知症を患っている患者さんも少なくありません。

理学療法士の上田正之さんは「認知症をお持ちの場合、自己身体感、つまり自分の身体を自分の身体だと認識するというあたりまえの感覚がけっこうずれている方が多い」と指摘します。

例えば、立って歩くとき足の裏に体重を感じるはずが、ひざや肩に感じるケースがあります。この場合“地に足がついていない”感覚があるため、不安で歩くことをためらうようになります。

上田さんは正しい感覚の回復のために認知運動療法を用いたリハビリを行っています。この“認知”は認知症とは無関係で、脳の認知過程(知覚、注意、記憶、判断、言語)の活性化とともに運動機能を回復させることを目的とします。

具体的には、例えば患者さんが座っているとき「体重をお尻で感じてください」と指示するのではなく、身体を左右に揺すりながら「いま、どこに感じますか?」と問いかけながら、患者さん自身の認知を呼び起こしていきます。

「仮に“腰に感じる”と言われたら、なぜそうなのかを考えて、つぎの呼びかけや動作を行います」と、上田さんは常に患者さんの言葉に細心の注意を払い、対話を繰り返しながらリハビリを進めています。

 

毎朝、入院患者を囲んでのウォーキングカンファレンス

患者さんの声を聞き、患者さんに学び、情報をスタッフで共有する――その姿勢は上田脳神経外科の全スタッフに深く徹底されています。その第一の機会が、全19床の入院患者に対して毎朝行われるウォーキングカンファレンスです。これは上田先生をはじめ薬剤師、担当看護師、担当リハビリスタッフが揃って患者さんを診て回り、情報や意見を交換するもの。入院患者の平均年齢は76歳で、なかには認知症を抱える方もいます。

看護師長 大塚清美さん 看護師長 大塚清美さん

「病気は、変化を見ることが大切。だからみんなに毎朝、患者さんについて気づいたこと、気になることを言ってもらうんです」とウォーキングカンファレンスの意義を語る上田先生は続けて「真実は患者さんが物語る。だから会議室でやるカンファレンスなんて意味ないですよ」と形式的なカンファレンスのあり方に苦言を呈します。

看護師長の大塚清美さんは「スタッフ間の連携の面でも、ウォーキングカンファレンスは有意義。患者さんの態度や行動には必ず何か意味があるので、それを考え共有するよう留意しています」と語ります。

スタッフがそれぞれの立場で情報を発信、共有

薬剤師 井之上優子先生 薬剤師 井之上優子先生

放射線技師 矢野英一さん 放射線技師 矢野英一さん

こうした情報共有は、もちろんカンファレンスだけに限らずさまざまな場面で行われています。

薬剤師の井之上優子先生は、「気をつけているのは、何らかの脳の疾患で入院されてから認知症と診断され、新たにお薬が処方されるケース。かかわるスタッフにも、服用の注意点や副作用などを知ってもらうよう正確な情報共有に留意しています」と言います。

「同じ職種のスタッフが集まって勉強会を開いています」と語るのは、放射線技師の矢野英一さん。「いま技師が6人いるのですが、例えばある患者さんの脳血流検査を行うとき、担当する技師によって数字が変わるようでは問題です。再現性がなければ正しい検査とは言えませんので、ばらつきが出ないよう、みんなで勉強しています」。

こうした取り組みに上田先生は、まったくと言っていいほど口を挟みません。「みんなプロですからね。院長として大事なのは“それは意味がないからやめろ”と言わないことですよ」という言葉にスタッフへの信頼の厚さが伺えます。

 

かかりつけ医として早期発見に力を発揮

地域の認知症診療の現状を見て上田先生は「家族や職場が、少しでも疑いのある患者さんに受診を促す環境を作っていかなければならない」と指摘します。

「例えば10年前、片頭痛で脳の専門医の診察を受ける人はほとんどいませんでしたが、いまは多くの人が来院されるようになりました。これは片頭痛に関する啓発が積極的に行われ周知が進んだから。認知症ももっとそうならないといけません。私の印象では、受診すべきなのにしてない方が、まだまだいらっしゃると思います」。

そう語る上田先生は「早期発見は、かかりつけ医としての力の発揮しどころ」だと力を込めます。

「別の病気で長く患者さんを診ていて、ある日はっと“認知症では?”と気づくことがあります。それは、かかりつけ医ならではのことで、大学病院など大きな医療施設では難しいでしょう。そして患者さんにはそれぞれご家族との物語がある。その物語に沿いながら医療を提供するとき、開業してよかったと心から実感します」 。

 

 

取材日:2012年4月21日
上田脳神経外科の外観

医療法人社団 孝尋会 上田脳神経外科

〒880-0925
宮崎県宮崎市本郷北方2703 
TEL:0985-52-3500

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