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介護まで視野に入れ、認知症の「一貫診療」を目指す
<広島県呉市 医療法人敬友会 藤原脳神経外科クリニック>

院長 藤原敬先生 院長 藤原敬先生

広島県呉市の市街地にある藤原脳神経外科クリニックは、脳神経外科・神経内科・心療内科を手がけるクリニックです。最新のオープンタイプのMRIを備えており、受診したその日のうちに脳や脊髄関連の疾患の検査・診断を行うことが可能です。また、クリニックと同じビル内にミニコンサートホールがあり、広く一般の方に解放しているだけでなく、毎月開催しているコンサートには、患者さんやそのご家族も招待しています。

脳神経外科の専門医から領域を広げるために開業

呉市出身の院長の藤原敬先生は、岡山大学医学部を卒業後、同大学病院の脳神経外科に入局し、その後、香川医科大学、呉共済病院等に勤務。アメリカのマサチューセッツ大学留学中には脳腫瘍の研究を行っており、30年以上にわたる脳神経外科医としての経験をもとに、脳、脊髄、末梢神経の専門医として活躍。2003年11月に藤原脳神経外科クリニックを開業しました。

手入れの行き届いた、受付と待合室 手入れの行き届いた、受付と待合室

脳神経外科医となった当初から認知症診療に携わっていた藤原先生は、「以前から、パーキンソン病やアルツハイマー病などの診療に非常に興味があった」と言います。しかし、脳神経外科として勤務していた頃は、これらの疾患の患者さんが来ても神経内科に送らなければなりませんでした。そこで、「思い通りに自分の医療というものに取り組んでみたかった」という動機から、神経内科の領域にも携われるようにクリニックを開業しました。現在、同クリニックには、神経内科や精神科の領域の患者さんも多く来院されています。

しっかりした鑑別診断が予後を左右する

認知症の診療で藤原先生がもっとも重視しているのは、「正確な診断」です。まず、変性性の認知症と症候性の認知症の鑑別を行います。症候性の認知症は手術で治療できるため、早期に発見することが重要です。また、変性性の場合もしっかり診断することで、今後どんな周辺症状が出てくるかといった予後についてご家族に話すことができるため、藤原先生は初診での鑑別診断の重要性を強調します。

診断では最初にご家族に質問し、どのような症状がいつ始まって、どんなことで困っているかといった現在の生活状況について、15分程度の問診を行います。特に着目しているのは、「患者さんが何度も同じことを聞いてこないか」と「約束をよく忘れないか」ということ。この2点に引っかかると、認知症の可能性がかなり高いと藤原先生は考えています。

そのあとで患者さんに話を聞きますが、患者さんのプライドを傷つけないように気をつけながら質問していきます。よく行うのが、「このひと月くらいで印象に残っているニュースはありますか」という質問。特に問題のない患者さんの場合は2つ、3つほどすぐに出てくるそうですが、認知症の患者さんは思い浮かばないため、そんな点にも着目して診断材料にしています。

圧迫感のない新世代のオープン型MRI 圧迫感のない新世代のオープン型MRI

問診のあとにスタッフが長谷川式の心理テストを実施し、その次は、症候性の認知症を鑑別するために必須となるMRI検査を行います。同クリニックは新世代のオープン型MRIを導入しており、圧迫感のない状態で、しかも撮影時間が10~25分で済むため、患者さんがストレスを感じずに検査をうけられます。MRIでも診断がつかない場合は、頭部SPECTを行い、さらに全身性疾患による認知症の鑑別のために血液検査を行います。ごく初期の認知症の場合は1回の診察だけでは把握しきれないため、2、3回来てもらうなど、患者さんに負担がかからない範囲で可能な限り丁寧に鑑別診断を行っています。

 

「一貫診療」と「頑張らない介護」を目指す

同クリニックでは現在、医師1名、看護師2名、臨床検査技師1名、事務スタッフ3名と少人数のため、しっかり連携を取ることでスムーズな診療に努めています。看護師の藤原由香さんは看護業務全般のほかに、認知症患者さんのご家族へのアドバイスなども行っています。さらに、「診察の前に患者さんの情報を先生に伝えるのも大切な仕事です」と言う藤原さん。認知症患者さんが再診される時は、ご家族から直近のエピソードや困っていることなどを聞いて、診療上必要な情報は事前に藤原先生に伝えています。また、同クリニックでは電話で24時間相談を受け付けているため、看護師が対処した場合はその内容も藤原先生に伝えています。

認知症診療に対する藤原先生の方針は、「一貫診療」を行うこと。周辺症状が出た場合は精神科の先生に相談をしたり、どうしても必要な場合は他の病院に入院してもらうこともありますが、できる限り自分で診るようにしています。

広々としたスペースで様々な用途に使用されているリハビリルーム 広々としたスペースで様々な用途に使用
されているリハビリルーム


「一人ひとり症状が違うので一律の診療は難しいですし、患者さんもあちこちの病院に送られるより、やっぱり同じ病院で診てもらう方が安心感もあるでしょう。トータルに見ると、患者さんにとっては一貫した診療の方が良いと思います」(藤原先生)。

ご家族に対しては、「あまり無理をしないように」とアドバイスしています。「自分の生活を犠牲にして介護にかかり切りになるのではなく、日常生活で介護に割くのは1~2割くらいが望ましい」というのが藤原先生の考えです。ご家族の負担が大きくなり過ぎると、「もう面倒を見切れない」ということになってしまうからです。患者さんの本当の幸せのためにも、ご家族が無理をしないことが大切だと藤原先生は訴えます。

 

介護スタッフとの連携が今後の課題

呉市では認知症診療への積極的な取り組みを目指し、地域連携パスのシステムを作りました。しかし、形はできたものの、実際の連携については、「まだまだこれから」と藤原先生は感じています。同クリニックでは一貫診療を行っているため、地域連携パスがうまく稼働していなくても、これまで特に大きな問題はありませんでした。しかし、もっと工夫すれば患者さんやご家族にとって大きなメリットが生まれると藤原先生は考えており、特に、介護との連携については、「例えば、ケアマネジャーさんなど介護側の方が主導して、主治医を交えたケアカンファレンスを行ってくれるととても良いと思います」と藤原先生は語ります。

看護師 藤原由香さん 看護師 藤原由香さん

看護師の藤原さんも、介護との連携がうまくいけば患者さんのご家族の悩みや負担も減り、「頑張らない介護」に近づけるのではないかと語ります。また藤原さんは、認知症のケアは、医療が2割、介護的な要素が8割を占めると感じています。

しかし、「こちらから声をかけて集まっていただくことはあっても、介護側の方からお声がかかることはあまりありません。もしかすると、医療は敷居が高いというイメージがあるのかもしれませんね。これは医療側にも大きな責任があると思います。連携を深めるためには、お互いの認識を変えていくことが課題だと思います」(藤原由香さん)。

 

患者さんとご家族の幸せをサポートする取り組み

藤原先生が今感じている課題は、認知症患者さんのご家族へのサポート体制です。それは、家族が認知症になり対処法に悩んでいるご家族に対して、具体的な説明ができるスタッフが少ないという現状があるからです。そのため、家族同士が情報交換できる場を提供できるように、現在、呉市にはない「家族の会」を作りたいと考えています。

また、藤原先生は認知症患者さんが入れる介護施設も足りないと感じています。もともと介護に深い関心があった藤原先生は、介護支援専門員の資格を取得しています。将来的にはアルツハイマー病の一貫診療のためにも、理念を共有できるスタッフを集めて、クリニックと連携した介護施設を立ち上げたいという想いを抱いています。

院長の藤原先生をはじめ、同クリニックで認知症診療に携わるメンバーに共通しているのは、「患者さんとご家族の幸せをサポートしたい」という想いです。

コンサートだけでなく、地域の方の練習場としても利用されているガレンホール コンサートだけでなく、地域の方の練習場
としても利用されているガレンホール

クリニックの上階には、最大収容人数60名のミニコンサートホール(ガレンホール)があります。広く一般の方が利用できるようにしているほか、毎月コンサートも開催しています。このコンサートに患者さんやご家族を招待していますが、これも、「家族一緒に少しでも楽しい時間を過ごして欲しい」という想いから生まれた取り組みです。

今後も患者さんのプライドや尊厳を大切にし、ご家族の気持ちも理解しながら、家族として幸せに、できるだけ長く一緒に過ごせるようなサポートをめざしています。

 

 

取材日:2012年4月17日
藤原脳神経外科クリニックの外観

医療法人敬友会 藤原脳神経外科クリニック

〒737-0046
広島県呉市中通2-1-24 ガレンビル2階 
TEL:0823-32-2515

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