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国際協力活動で培った精神と確かな医療技術で地域医療を支える
<徳島県吉野川市 さくら診療所>

院長 吉田修先生 院長 吉田修先生

吉野川の清流にほど近く、豊かな自然に恵まれたさくら診療所は、アフリカのザンビア支援など国際協力でも活躍する院長の吉田修先生のもと、救急から慢性期医療まで幅広く対応しています。患者さんの人生を有意義なものにしたいという強い思いから、介護施設の運営や在宅診療、訪問看護にも精力的に取り組み、その取り組みに共感して集まったスタッフの協力を得て、新しいタイプの施設や活動の立ち上げへ一歩ずつ夢を具現化しています。

徳島発信のグローバルな支援活動から地域に根差す医療・介護まで

さくら診療所は19床の有床診療所です。内科・外科・心臓血管外科・リハビリテーション科を備え、介護施設によるデイケア、在宅診療、訪問看護、訪問リハビリと、地域に充実した医療と介護を提供しています。

院長の吉田修先生は診療のかたわら、NPO法人TICOの代表としてアフリカのザンビア支援をはじめとする国際協力にも熱心に取り組んでいます。他にもカンボジアやイラク、福島などで支援活動を行う医師が在籍し、地域にしっかりと根を張る診療所でありながら、グローバルな支援活動の日本におけるベースともなっています。

そうした活動や吉田先生の目指す医療・介護に惹かれたスタッフも集まり、救急も含めて24時間対応可能な体制が整いつつあります。その中で認知症にも正面から向き合ってきました。

「開業して13年の間に地域の高齢化が急速に進み、身体疾患に加えて認知症を合併する患者さんが増えてきました。70~80歳代になるとそのような患者さんがかなり多いという印象がありますね」と、診療所の現状を語る吉田先生。

 

日々楽しく精力的に過ごすことが認知症予防の特効薬

診断は、長谷川式テストや頭部CT、ご家族からの聞き取りが中心になります。

「他の疾患で来院した患者さんにも認知症の可能性を念頭に置いて診察していますが、認知症患者さんは一見正常に見えることが多く、ご自身の話だけで判断すると見逃す恐れもあります。ご家族との会話や肺炎などでの入院がきっかけで、認知症が判明することもしばしばです」と吉田先生は発見の難しさを語ります。

認知症の啓発が進みつつある現在でも、軽いもの忘れ程度ではご家族がさほど気に留めていない場合が多くあります。

「BPSD(周辺症状)が現れるようになってはじめて連れて来られることが多いですね。認知症が早期に治療を開始すべき病気であるという認識はまだまだ広まっていません」(吉田先生)。

すでに進行した状態では、ケアに苦心すると言います。

「社会参加などで生活にハリを持たせることが不可欠と考え、デイサービスを紹介したり、人と交わる機会を提案していますが、患者さんに継続してもらうことがなかなか難しいのが現状です。困ったときはケアマネジャーに相談してアイデアを出してもらうこともあります」と吉田先生。診療所ではケアマネジャー3人体制でご家族の相談にあたっています。

吉田先生は、高齢になる前から認知症予防を意識する生活をしてほしいと呼びかけます。近年、高血圧・高脂血症・糖尿病が認知症の危険因子になりうるという報告がありますが、それらの生活習慣病だけに気をつければいいというわけではないと言います。

「リタイア後でも楽しく精力的に日々を過ごしている方では認知症になる確率が低いという印象があります。ですから、積極的に社会参加したり、趣味を楽しんだりすることも大切だと思います」と持論を語る吉田先生。

 

自分の家族と思って患者さんに寄り添う看護

看護師 篠原弘子さん 看護師 篠原弘子さん

主に外来の患者さんを担当する看護師の篠原弘子さんは、同診療所で初めて認知症と深く関わるようになりました。当初は、患者さんやご家族との意思疎通がうまくいかず落ち込むこともあったと言います。

「そんなときに吉田先生の鷹揚(おうよう)さに助けられました。先生はいつでも、私たちスタッフを全面的に信頼して任せてくれます」(篠原さん)。

自身の家族の介護経験から学んだことも多いと言う篠原さん。

「生活歴、性格、家庭環境などによって対応のしかたも違うので、患者さんの背景を知ることは大切です。ただ、ご家族から情報を得るには信頼が必要です。ざっくばらんに話ができる関係になるまで時間をかけるようにしています」(篠原さん)。

入院患者さんを担当する看護師の後藤まゆみさんは、以前に吉田先生の講演を聴き、海外での活動を知って感銘を受けました。

看護師 後藤まゆみさん 看護師 後藤まゆみさん

「この先生の下で働きたいとずっと思っていたので、知人から募集があると聞いたときには話に飛びつきました」と話します。

後藤さんから見た吉田先生は、「おおらかですが、技術は確かでどんな状況でも常に冷静に対応してくださるので、いざというときにもとても頼りになります。先生と一緒に仕事ができて心強いです」と言います。

日頃、後藤さんが最も気を付けているのは患者さんの安全面です。

「高齢の患者さんの場合、転倒骨折がそのまま寝たきりの原因にもなるので、夜間の徘徊がある場合は、看護師の目の届くところにベッドを移動するなどの対応を取っています。時には攻撃的になる方もいらっしゃって大変ですが、自分の家族だったらどう対応するかという視点で患者さんに心を寄せるようにしています」(後藤さん)。

後藤さんも篠原さん同様、ご家族との意思疎通の難しさを語ります。

「認知症であることをご家族がなかなか受け入れられず、入院が原因ではないかと誤解される場合もあります。決してこちらの意見を押しつけるようなことはせず、ご家族の気持ちを汲みながらデリケートに対応しています」(後藤さん)。

吉田先生はそんなスタッフに「どんな状況にも臨機応変に対応してくれる」と信頼を寄せています。

 

エンドステージの看取りをどうするかが医療のジレンマ

吉田先生は外来の合間に自ら在宅診療にも出向いています。

「高齢だと認知症を合併している患者さんがほとんどで、寝たきりの状態の方も多いですね」(吉田先生)。

それでも吉田先生や看護師が訪ねていくと患者さんはうれしそうなよい顔になると、篠原さんは語ります。

吉田先生は、進行した認知症の患者さんにとってどういう看取りがよいのか常に悩むと言います。

「認知症が進行すると、やがて動けなくなり食べられなくなる状態=『エンドステージ』を迎えます。医師としてどこまで治療すべきか、ご家族の意見との食い違いをどう克服するか、いつもジレンマがあります」と吉田先生。

「最も望ましいのは、本人の判断力が衰える前に本人が『エンドステージにはこういう治療を望む』という『事前指定書』を準備することです。しかし、日本では、元気なうちは死と向き合おうとしない風潮があります。したがって、若い頃から死について真剣に考えることができるような教育・啓発が必要だと思います」と、吉田先生をはじめ、篠原さんと後藤さんも口を揃えます。

 

高齢者の人生を楽しく豊かなものにするプロジェクトが次々と

吉田先生は今、隣接する施設の完成を心待ちにしています。

「透析、胃ろうなどの処置をしているため介護施設に入所できない患者さんがいらっしゃいます。また、そうした処置を望まない患者さんもいらっしゃいます。そのような方々を対象に、最後まで看取れる施設を建てたいとかねてより思っていました」(吉田先生)。

2012年秋には約10床の施設ができるそうです。そして吉田先生が次に構想するのが、コミュニティレストランです。

「高齢者の健康維持や認知症予防には、楽しく有意義な生活が一番の薬だと思います。そこで、健康的な食事を提供しながら、皆が集って色々なアクティビティやおしゃべりを楽しめる居場所を作りたいと計画しています」(吉田先生)。

また、近隣の豊かな自然を活かして山歩きを楽しむ森林セラピーのような試みも実現させたいと、とめどない情熱を語る吉田先生。

「自分自身が楽しめることをしたいと思って取り組んでいるだけ」と吉田先生は謙遜しますが、その姿勢こそ、国際協力活動と地域に根ざした活動を両立できるエネルギーの源泉となっているのです。

 

 

取材日:2012年4月24日
さくら診療所の外観

さくら診療所

〒779-3403
徳島県吉野川市山川町前川212-6 
TEL:0883-42-5520

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