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確かな結果を出すための早期発見・早期治療
<兵庫県赤穂市 てんわかかりつけ医院>

てんわかかりつけ医院 院長 馬場清志先生
てんわかかりつけ医院 院長
馬場清志先生

偶然に出会った論文がきっかけで認知症の治療に取り組み始めた馬場清志院長。名称に「かかりつけ」という言葉を冠した医院から早期発見・早期治療の大切さを地域に発信し、実践しています。

ゲーム感覚のテストで早期認知症を発見

明るい待合室
明るい待合室

JR赤穂線天和駅から徒歩10分、赤穂城趾や大石神社がある赤穂市街地からは車で10分ほど。工場が多く立地する地域に2005年に開業した「てんわかかりつけ医院」は、その名の通り街のかかりつけ医として内科全般の診療を行いながら、週に2回、認知症初診外来を設けて認知症の診断・治療に力を入れています。

馬場清志先生が認知症に取り組み始めたのは、偶然の出会いがきっかけでした。「そもそも私は一般内科医で、大学病院で老年医学の医局にいた時も、認知症診療には関わっていませんでした。1997年に赤穂市民病院に赴任したあと、何気なく手にとって読んだのが当時、浜松医療センターにおられた金子満雄先生の論文だったのです。実践に基づく診断と治療に、『これだ!』というひらめきのようなものを感じ、すぐに浜松に行って金子先生から診断や治療の方法を教えていただきました」と馬場先生は振り返ります。

金子満雄先生、そして馬場先生が大切にしているのは早期発見・早期治療です。「一般的に言われる『早期』よりさらに早く、できることならMCI(軽度認知障害)の段階から治療を始めたいのです」と馬場先生は語ります。そんな「超」早期発見に威力を発揮するのは金子満雄先生が開発した「仮名ひろいテスト」です。これは認知症に限らず脳の前頭葉の機能を確認するテストで、平仮名で書かれた文章を読みながら特定の文字を抜き出す作業を行い、間違いや見落としの数を評価するもの。ゲーム感覚で取り組めるので、認知症を自覚していない人や診断を受けることに不安や抵抗を感じている人に気軽にトライしてもらえるのも大きなメリットです。

 

TV番組の影響などで近年は早めの受診者が増加

この仮名ひろいテストで認知症の徴候がみられる場合、さらにMMSE検査(認知機能検査)で判定を行って診断を確定します。「画像診断も大切な判断材料ですが、画像でみる萎縮の程度と症状の進行度合いは必ずしも一致しませんし、そもそも軽度の患者さんを画像診断で識別するのは難しいのが現実です。早期に治療を開始するためには、画像よりも神経心理学的なテストの小さな徴候を見逃さないことが重要なのです」と馬場先生は語ります。

開業当初は老人会や婦人会などで認知症の早期発見・早期治療の重要性について講演を行い、地元だけでなく隣接する岡山県にも足を延ばしたそうです。「ご家族が気づいてもの忘れ外来を受診されるころには、私が治療を開始したい時期を過ぎてしまっています。ですから病院を出て、地域で患者さんを探す活動が必要だと考えたのです」(馬場先生)。

最近ではテレビの健康番組などでも早期発見・早期治療の大切さを訴えていることなどが功を奏して、早い段階で受診する人が増えてきました。「現在、当院のもの忘れ外来に初診で来られる方では、軽症・中等症・重症がほぼ3分の1ずつという割合です。早めに受診する方が増えて、心配しすぎという方も時折おられますが、治療開始は早ければ早いほど良いと考えているので、嬉しい傾向です」と馬場先生は語ります。

 

生活習慣の改善で社会との繋がりを取り戻す

治療は投薬だけでなく、デイサービスの効果的な活用法や脳を活性化するトレーニング(トランプやカルタなどのゲーム)の紹介・指導を行っています。また、生活習慣の改善も指導しています。

「社会の一員として人との繋がりを持って生きることが治療の目標であると同時に、有効な治療・予防法になります。ですから、地域や家庭で役割を持ち人と交わることや、身体を動かしたり日記をつけることを日々の暮らしに取り入れられるように、指導していきます」(馬場先生)。

地域社会との繋がりを失って人付き合いがなくなれば、自ずと心身の活動は低下します。そんな患者さんの場合は、生活を改めるだけで状態が大きく改善することも珍しくないと言います。ただし、地道に前向きに生活改善に取り組めるかどうかが鍵となり、患者さん本人だけでなく家族の支えも重要です。

投薬はある程度、症状が進んでからになりますが、脳のトレーニングや生活改善は「予備軍」の段階で始めることが可能です。「講演でよく例えに出すのですが、『お肌のアンチエイジングに20歳代から取り組みましょう』と言われるのと同じで、かなり若い段階から意識しておくほうが良いと思っています。認知症とは言わば脳の老化が加速している状態。前に進むのを止めることはできなくてもブレーキをかけることはできますし、若い時から速度を抑えるよう注意しておけば、より効果的というわけです」(馬場先生)。

 

「大丈夫!」という言葉が大きな力に

開業して8年目を迎え、ずっと継続的にフォローしている患者さんも多くなってきました。「早期から積極的に介入できた患者さんのなかには5年以上、良い状態を維持できているケースも少なくありません。進行を5年間、抑えることができれば、ご家族の介護負担は大きく軽減されます。それが家族の精神的な余裕を生み、患者さんの生活環境もより良いものになるでしょう」と馬場先生は語ります。

早期の段階では、認知症なのか老化に伴うもの忘れなのか区別が付きにくいのは事実です。しかし大学病院で厳密な診断をつけてもらうために、昨今では半年待つことも珍しくなく、その間に症状が進行したり、心の準備ができていない家族との間にトラブルが起きたりすることを馬場先生は心配します。

「かかりつけ医が丁寧に説明して、患者さんや家族が納得した上で、治療に踏み出すべきだと思うのです。また、私はご家族に対して『認知症は治らない病気だ』とは決して言いません。確かに根本治療法はまだありませんが、表に出る症状を軽減することはできます。それは患者さんや家族にとって『良くなる』ということです。『大丈夫!』という言葉もよく使います。これまでの実践を元に、どこまで状態を維持・改善できるか、ある程度の自信がありますし、家族の過度な不安を取り除くのも医師の役目だと思っているからです」(馬場先生)。

仮名ひろいテストとMMSE検査で診断を行い、治療として脳トレーニングなどを行う方法は、現在のところ認知症医療の主流とはなっていません。「しかし、近年、大脳生理学の研究が急速に進み、そのなかに『浜松式』の考え方を裏付ける発見もあります。科学的な議論を進め、広く認知症治療に取り入れられるようになって欲しいですね」(馬場先生)。

患者さんの症状を改善し、家族の不安を取り除く。「確かな結果を出す」ことを何より大切にする頼りがいのある医師の存在は、地域の人たちにとって大きな支えになっています。

 

 

取材日:2012年5月14日
てんわかかりつけ医院の外観

てんわかかりつけ医院

〒678-0256
兵庫県赤穂市鷆和95-34
TEL:0791-43-7411

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グループホームすまいるの外観

グループホームすまいる

〒678-0256
兵庫県赤穂市鷆和95-35
TEL:0791-43-8988

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