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デイケアと農場も活用し地域密着の医療を
<沖縄県南城市 みなみ野クリニック>

院長 外間康男先生 院長 外間康男先生

沖縄県南城市の「みなみ野クリニック」では、脳神経外科という専門を生かしつつ地域密着の医療を実践。さらにデイケア施設に隣接する農場で、収穫作業や動物飼育を取り入れたユニークな取り組みを進めています。

生まれ故郷にクリニックを開業

沖縄県南城市の「みなみ野クリニック」は、脳神経外科医である外間康男院長が2004年に故郷、南城市に開業したクリニックです。

1978年に鳥取大学医学部を卒業し、鳥取大学病院などで13年、脳神経外科医として勤務した後、沖縄に戻って中城村のハートライフ病院でさらに13年の経験を積んだ外間先生が、生まれ育った土地で開業するにあたって目指したのは、誰でも気軽に訪れることができる地域密着型のクリニック。

「だから、私の名前や『脳神経外科』を掲げず、『みなみ野クリニック』という名前にしました。近隣の総合病院から内科、心療内科、整形外科などの先生に来てもらって、毎日2~3診体制で診療を行っています」(外間先生)。

認知症の専門外来は設けていませんが、現在、100名ほどが治療を受けています。「この地域では総合病院に行けば神経内科など専門の外来がありますが、クリニックで認知症を診るところはまだ少ないのです。当院の『脳神経外科』という標榜を見た患者さんが来られるようになり、さらにクチコミで少しずつ増えているという状況です」(外間先生)。

 

脳神経外科の院長と総合病院内科医の連携で

認知症を疑って新規に受診する人は月に14~15名ほど。外間先生はまず、「当院は初めてですか?」「どこから来られましたか?」「交通は何を使って?」と自然な質問から入り、さらに既往歴や飲んでいる薬など聞くなかで、受け答えのチェックをします。

同クリニックでは院内にMRIがあり、初診でもMRI撮影が可能なので、検査室に行く前に5つの品物を見せて覚えてもらい、診察室に戻ったときに思い出してもらうというテストも行っています。「1つも覚えてないことに付き添いのご家族が驚くことも多いですね。半信半疑だったご家族も、この結果を見て納得されるようです」

診断は、MRIの画像データ、血液検査の結果、長谷川式を簡略化したテストなどを総合して行います。ハートライフ病院との連携によって、脳血流の検査をすることもできます。

「私が認知症を診るようになったのは、ハートライフ病院に勤務していたとき脳神経外科疾患に関連する認知症を担当するようになってからです。その流れでアルツハイマー病なども診ていました。今、私たちのクリニックには、数は少ないですがレビー小体型認知症や大脳皮質基底核変性症の患者さんも来られます。これら私の専門を超える疾患も、毎週、総合病院から来てもらっている神経内科医に専門的に診てもらうことができるので、認知症とそれに類する疾患に幅広く対応できるクリニックとして地域に貢献できているかな、と感じています」(外間先生)。

自発的に受診する人の場合は認知症ではなく老化によるもの忘れであるケースも多いのですが、家族に連れられて受診した人では症状が進んでいることも少なくないと外間先生は言います。

「同居や二世帯住宅で高齢者の生活を家族が支えていて、家族だけでは支えきれなくなってから受診することが多いのです。もう少し早く治療を始められたらよかったのにと思うことはありますね」(外間先生)。

 

畑に出ると見違えるほど生き生きする患者さんたち

同リニックでは2011年1月に併設のデイケアを開業しました。その特徴は隣接する菜園(100坪)と少し離れた農園(1,000坪)を生かした野菜栽培や動物飼育が体験できることです。

屋上からの眺望
屋上からの眺望
鯉の飼育池
鯉の飼育池
スッポンの飼育池
スッポンの飼育池

「もともとこの土地は我が家のサトウキビ畑でした。学生時代はサトウキビの束を担いで運びながら受験勉強をしていた場所なのです。沖縄に戻ってきて、デイケアを開設する前からここでトウモロコシなどを育てていたので、ケアに活用するのは自然な流れでしたね」と外間先生は語ります。

室内ではほとんど喋らない利用者が畑に行くときは率先して行動したり、徘徊が多い認知症患者が農作業のコツや作物の良し悪しの見分け方を若いスタッフに教えるなど、見違えるように生き生きと活動する人も珍しくないと言います。

「農業を仕事としていた人が多い土地柄ですからね。長い年月をかけて積み上げた知識や技は、なかなか失われないようです。今は収穫するときに手伝ってもらう程度ですが、いずれは、本格的な畑を利用者さん、患者さんと力を合わせて作っていきたいのです。ヤギも飼いたいですね。まずは、患者さん1人に1本ずつマンゴーの木を植えて、楽しみながら育ててもらおうと考えています」(外間先生)。

施設2階部分にデイケアを拡張する計画が進んでいて、その一部となる予定の屋上では、すでに鯉やスッポンの飼育池が完成しています。「隣接する土地も確保できたので、クリニック開設10周年をめざしてデイケアと農場の拡張を進めたいと考えています。認知症患者さんは、ニンニク栽培が得意な人、鯉の飼育に興味を示す人など、それぞれ反応する対象が異なるので、できるだけ様々なメニューを用意したいですね」と外間先生は語ります。

 

生涯にわたって一貫したケアができる地域を目指して

変性疾患は何年にもわたって診ていく必要がある病気なので、医療からケアへと繋ぐためにデイケアを開設し、さらにその拡充を計画している外間先生ですが、今後の課題と感じているのは重症化した患者さんを継続的に診ていけないことです。

「地域のケアマネジャーさんの尽力で、ケアが立ち往生するような事態はありませんが、特養に空きがなくて家族が苦労して待っているというケースはあります。また当院はまだ、療養施設や特養などとの連携が薄いので、入院・入所が決まると私の手を離れてしまいます。すべての患者さんを最後まで診るのは無理だとわかってはいますが、少しでも繋いでいけるようにしたいです」(外間先生)。

地域の暮らし、人々の営みに密着した認知症医療とケアが、みなみ野クリニックを軸として、農場の作物や動物たちと共に育っています。

 

 

取材日:2012年7月29日
みなみ野クリニックの外観

みなみ野クリニック

〒901-1202 
沖縄県南城市大里字大里2584-2
TEL:098-945-8811

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