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認知症の人を皆で支え合う地域を目指して
<新潟県新潟市 医療法人敬成会 白根緑ヶ丘病院 >

院長 佐野英孝先生 院長 佐野英孝先生

白根仏壇や大凧合戦でも有名な白根地区に位置する白根緑ヶ丘病院。1966年の開院以来、地域の精神科医療の中心を担ってきました。近年は認知症疾患医療センターを設置し、地域の認知症医療の中心的な役割も果たしています。院長であり、認知症疾患医療センター長でもある佐野英孝先生は、新潟県の認知症サポート医として早期発見・早期治療を推進する啓蒙活動にも力を入れています。

地域の高齢化に伴い認知症専門の治療病棟を開設

「幼いころから病院の中で、当時の院長であった父親の背中をずっと見てきました」と佐野英孝先生。患者さんと身近に触れ合いながら育ったことで、自然と精神科の医師になろうという思いを持つようになったと言います。

その佐野先生が院長を務める白根緑ヶ丘病院では、入院中心の閉鎖的な精神科医療から地域中心の開かれた精神科医療にシフトしてきました。高齢者医療にもいち早く取り組み、1994年には認知症専門の治療病棟を新設しました。

「この地域では高齢化が急速に進むと見越し、当院では早くから認知症医療に取り組んできました」(佐野先生)。

現在では病床数275床のうち約4割が認知症の患者さんで占められているとのことです。

 

ご家族の悩みに応えられる認知症疾患医療センターを

同院では2001年に「老人性認知症疾患センター」を開設、2011年には新潟市指定の「認知症疾患医療センター」へと発展しました。

センター開設にあたっては、国が認知症専門の病棟設置を推奨した背景に加え、新潟県では高齢化率が全国平均より高い地域が多い、また共働き世帯が多いため在宅介護が難しい、などの地域事情がありました。佐野先生は、同センター開設の理由を次のように語ります。

「身内の方が認知症になった場合に、今後どんな医療や介護を受けさせてあげればよいのか、というご家族からの問いかけに対して、私たち医療側が手探りながらもベストの選択肢を提案できるようになりたいと思ったからです」(佐野先生)。

 

「薬物治療+ケア+ご家族とのコミュニケーション」が治療の三本柱

院内には1.5テスラのMRI装置を完備
院内には1.5テスラのMRI装置を完備

看護部長 小林定之さん
看護部長 小林定之さん

診察ではまず、ご家族から症状の詳細とご本人の性格や生活パターンを聞き取り、把握します。認知症が疑われるときは、頭部MRI、および長谷川式・MMSE(認知機能検査)などの認知機能評価スケールを用いて総合的に診断します。

そして治療については、薬物治療、ケア、ご家族とのコミュニケーションが三本柱であると佐野先生は言います。

「まず、薬物治療については、アルツハイマー病であれば抗認知症薬、興奮・徘徊・介護抵抗などの周辺症状があれば抗精神病薬、というように、診断名や症状に応じた薬剤選択が重要ですが、処方量は必要最小限にとどめるようにしています。特に高齢の患者さんの場合、薬を必要以上に処方するとかえって認知機能が低下したり、夜間に転倒するリスクが大きくなったりするので注意が必要です」(佐野先生)。

ケアとご家族とのコミュニケーションについては看護師をはじめとしたスタッフが大きな役割を果たしています。

小林定之さんは看護部長として、看護スタッフのマネジメントを行っています。同院での認知症看護の経験は長く、認知症病棟の師長を務めたこともあります。

「私が若い頃、男性が看護師になれるとは思っていませんでした。看護師をしていたおばが、男でも看護師になれることを教えてくれたのが看護師の道に進むきっかけでした」と小林さん。

小林さんが看護スタッフのマネジメントを行う上で最も大切にしているのが、スタッフ間の密接なコミュニケーション。

「私から病棟の様子を聞くよりも、スタッフのほうから伝えたいことを伝えやすいような雰囲気作りに努めています」(小林さん)。

そんな小林さんが患者さんと接する上で大切にしていることは、「患者さんを一人の人生の先輩として、尊敬の念を忘れずにケアする」こと。それに対して佐野先生は、「小林さんはまさにそれを実践される方。患者さんへの思いやりがとても深いですし、ご家族に対しても真摯に対応してくださっています」と絶大な信頼を置いています。

小林さんはさらに、次のように付け加えます。

「ご家族から患者さんの生活歴など必要な情報をよく聞き取ってそれをケアに活かしつつ、ご家族との関係を深めることも重要です。ご家族の理解・協力があってこそ、治療が成り立つのです」(小林さん)。

 

相談窓口としてご家族の悩みと向き合う

精神保健福祉士 五十嵐恵子さん
精神保健福祉士 五十嵐恵子さん

認知症に関する相談はここで受け付けている
認知症に関する相談はここで受け付けている

精神保健福祉士の五十嵐恵子さんは、認知症疾患医療センターの窓口として新規患者さんの予診、ご家族や地域の介護施設などからの相談業務、および退院後のフォローを担当しています。

「予診では診察の前に患者さんやご家族にお話を聞きます。ご家族からの相談も含め、患者さん一人につき30分から1時間を割いています。それだけご家族の方には聞いてほしいことがたくさんあるということです」(五十嵐さん)。

そして、診察と並行して、ケアマネジャーと連携して介護サービスを組み立てます。

「そのサービスがご本人の気持ちに沿ったものになり、ご家族にも喜んでいただければうれしいですね」と語る五十嵐さん。

ご家族や介護施設から様々な相談が寄せられる中で最も多いのは、認知症の周辺症状が重いため入院を希望する相談です。しかし、そこに大きなジレンマがあると言います。

「患者さんをすぐに入院させてあげたいのですが、満床の状態が続いているため即座にはご希望に沿えず、待っていただかなくてはなりません。それがとても心苦しいです」(五十嵐さん)。

そして、地域との連携についても課題を挙げます。

「入口である受診につなげるところまではスムーズにできていると思いますが、退院後のフォローがまだうまくいっていないのが現実です」(五十嵐さん)。同院では今後、退院した患者さんをフォローできるように訪問看護への取り組みも考えています。

そんな五十嵐さんの姿勢に対して佐野先生も大きな信頼を寄せています。

「ご家族は、悩みが深いからこそ時に感情的になることもあります。そんな時でも冷静に対応してご家族のお話をじっくり聞いてくださっているのでとても助かっています」(佐野先生)。

 

認知症をよりオープンに、皆で支え合う地域を

佐野先生は、同院の課題の一つとして地域住民との交流を挙げます。

「地域住民の皆様からはまだまだ見えにくい部分があると思うので、よりオープンにして気軽に相談に来てもらえるような病院にしたいですね」(佐野先生)。

一方で、「認知症患者さんの数は増加の一途をたどっていますが、早期の段階で受診される患者さんはまだまだ少ない」(佐野先生)と言います。そのため佐野先生は、地域住民に向けて講演活動を行い、早期発見・早期治療の必要性を訴え続けています。そんな佐野先生が目標とするのは、認知症をよりオープンにできる社会です。

「新潟でも認知症であることを隠す風潮がまだあります。それをオープンにして支え合うことができる地域にしていきたい。住民の皆様にもっと関心を持っていただき、例えばパジャマで徘徊しているおじいちゃんがいれば、もしかして認知症ではないかと気づける地域になるよう、認知症サポート医として活動したいと考えています」(佐野先生)。

さらに佐野先生は、診療科の垣根を超えた連携の必要性を強調します。

「増え続ける認知症患者さんに対応するためには、われわれ専門医だけでは限界があり、地域の開業医の先生の協力が不可欠です。認知症医療を地域の開業医の先生と一緒に考えていきたいと思っています」(佐野先生)。

立場や年齢に関係なくすべての人が意識を持って支え合うことが大事、その一助になれたら、と佐野先生は最後に控えめな抱負を述べて締めくくりました。

 

 

取材日:2012年6月27日
白根緑ヶ丘病院の外観

医療法人敬成会 白根緑ヶ丘病院

〒950-1262
新潟県新潟市南区西白根41
TEL:025-372-3105

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