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常に患者さんとご家族の思いに沿うケアを
<群馬県沼田市 医療法人大誠会 内田病院 >

医師 田中志子先生 医師 田中志子先生

内田病院は2010年に認知症疾患医療センターを開設。認知症専門医である理事長の田中志子先生を中心に、専門性の高い診療体制と気軽に診察に行ける親しみやすさを両立させ、常に患者さんとご家族の思いに沿った丁寧なケアに力を注いでいます。

早期診断から治療後のケアまで

医療法人大誠会内田病院は、内科、老年内科、小児科、外科など複数の診療科を標榜し、約100床を有する総合病院として地域医療の一翼を担っています。

理事長の田中志子先生は認知症専門医であることから、同院は認知症の診療にも力を注いでおり、2010年9月には群馬県の指定を受け認知症疾患医療センターを開設して診療体制を拡充。また、2012年4月には認知症専用の初診日を設けるなど、身近で来院しやすい環境づくりにも取り組んでいます。

「早期診断・早期治療はもちろん、シームレスな診断から治療とその後のケアサービスまでワンストップでの提供を重視しています」という田中先生は、続けて「ゆっくり診る(看る)こと」と「患者さんと家族とのしっかりした関係をつくること」を同院の認知症診療の特徴に挙げます。

 

破綻した日常生活を組み立て直すのが専門医の仕事

「早期対応はもちろん大切ですが、あわてて診断をつける必要はありませんし、すぐにお薬を処方することもまずありません。本人の気持ちの整理がつき、ご家族の心が落ち着いて、私たちに安心して任せていただけるようになってから治療を始めます」。

田中先生がこのように患者さんやご家族との関係づくりを重視するのは、診断はあくまでもスタートだと捉え、先々のケアサービスまでを視野に置いているからです。

「私たちに問われているのは、診断や治療それ自体ではなくて、認知症によって破綻した日常生活をどう組み立て直すかということ。そこまでやらないと専門医とは言えません」と、田中先生は持論を示します。

そして「患者さんやご家族としっかりした関係をつくる」という姿勢は、同院のスタッフに広く共有、実践されています。

 

患者さんとご家族の思いを受け止め、笑顔を引き出す

医療ソーシャルワーカー 小田充代さん
医療ソーシャルワーカー 小田充代さん
看護師 横坂由利子さん
看護師 横坂由利子さん
看護師 樋口はるみさん
看護師 樋口はるみさん

同院の医療ソーシャルワーカー小田充代さんは受診の窓口となる立場。「患者さんもご家族も受診に来られるまでに大変なご苦労をされていますので、『来て良かった』と思っていただけるような雰囲気づくりを大切にしています」と言います。

また、看護師の横坂由利子さんは「ご家族の中には身内が認知症であることを認めたがらない方もおられます。そうしたご家族のケアも私たち看護師の仕事だと考えています」と常にご家族にも心を配っています。

同じく看護師の樋口はるみさんは「できるだけ患者さんの思いに沿うことが大事」だと実感を込めて語ります。「病棟の患者さんに24時間対応するのは、やはり大変です。でも患者さんだって慣れない環境に苦労されているのですから、私たちが笑顔を引き出す努力をしないといけません」(樋口さん)。

そんなスタッフの姿を田中先生は「以前はBPSD(周辺症状)患者さんの対応などにとまどっていましたが、自分たちで工夫しながら実力をつけています」と、頼もしく見ています。

 

スタッフオリジナルの工夫を治療現場に活かす

看護師 増田明美さん
看護師 増田明美さん

スタッフの工夫が見事に成果を挙げた一例に“点滴ベスト”があります。これは百均ショップで買ったグッズを看護師が手作りで組み合わせ、点滴パックなど一式をベストのように身につけられるようにしたものです。

「当院は2001年に拘束廃止宣言をしましたが、拘束せずに治療するには当然工夫が要ります。このベストも徘徊があって点滴をいやがる患者さんのために考えました。点滴しながらでも自由に動けるので、患者さんも生き生きされていましたね」と、看護部長の増田明美さんは温和な表情で語ります。

「栄養補給の管を抜いてしまう患者さんがいたのですが、他の物に目を向けてもらったらどうかと天井から風船を吊るしたら患者さんの表情が和らぎました」(横坂さん)。そうしたさまざまな工夫は病棟だけではなく、リハビリテーションの現場にも活かされています。

 

回想法や音楽など、リハビリにもひと工夫

作業療法士 石田春美さん 作業療法士 石田春美さん
作業療法士 神宮陽子さん
作業療法士 神宮陽子さん
音楽療法士 高橋由貴子さん
音楽療法士 高橋由貴子さん

認知症の患者さんはコミュニケーションに乏しいケースがあり、内田病院では過去の記憶をコミュニケーションの手掛かりにする「回想法」をリハビリに採り入れています。

「森永のミルクキャラメルを食べながら遠足の話をしていたら、96歳のおじいさんが号泣したんです。聞けば『貧しかったので遠足のときにミルクキャラメルが食べられず、大人になってようやく食べられるようになった。そしていまこうして食べられて幸せだ』と......。ただの会話なら『良い天気ですね』で止まってしまいかねませんが、小道具は会話のいいきっかけになります」(石田春美さん)。

入院病棟から出てリハビリに行こうとしない患者さんもおり、連れ出すのは一苦労。「ある患者さんはかりんとうが大好物だったので、その好物を一緒に食べようと誘うと、ベッドから起きてくれました」と言うのは作業療法士の神宮陽子さん。 

また、言語でコミュニケーションをとることが難しい患者さんのために「音」でのコミュニケーションも行っており、「みんなで太鼓をたたいたり、昔の歌を歌ったりして一体感を得ることに焦点をあてています」(高橋由貴子さん)と工夫は尽きません。

そのベースにあるのはもちろん認知症に対する理解。「症状を知らなければ有効な対応はできません。これからももっとスタッフが情報を共有し、知識を深めることが必要です」と看護部長の増田さんは表情を引き締めます。

 

地域型のセンターでありながら身近な存在として

これからの内田病院の課題と展望という問いに対して、田中先生の答えは「地域の認知症診療をリードすること」、そして「当院独自の専門性を発揮すること」と明解です。

「沼田市は2005年に認知症にやさしい地域づくりネットワークをスタートさせるなど、かねてから認知症の対応には積極的で当院もできる限り協力してきました。これからも啓発や診療体制の拡充をリードしていくのが私たちの使命。特に地元のかかりつけ医の先生方との連携を密にすることが、この先数年の重点課題だと考えています」(田中先生)。

「また、これからは各地の疾患医療センターの中で各々の得意分野が明らかになってくると思いますが、当院としては臨床心理系の検査をきめ細かに行う体制を整えることが1つの目標です」と田中先生は決意を込めた口調で語ります。

そうした専門性を発揮しながらも、常に身近な存在であることが同院の基本姿勢です。

「この6月に厚生労働省が発表した『今後の認知症施策の方向性について』の中で、基幹型・地域型に加えて、新たに身近型認知症疾患医療センターの整備が示されました。私たちは地域型ではあるけれども、身近型の機能も併せ持った存在として、これまで以上に患者さんに近い距離で丁寧に診療にあたっていきたいと思っています」(田中先生)。

 

 

取材日:2012年8月8日
白根緑ヶ丘病院の外観

医療法人大誠会 内田病院

〒378-0005
群馬県沼田市久屋原町345-1
TEL:0278-23-1231

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特別養護老人ホーム・くやはらの外観

社会福祉法人 久仁会
特別養護老人ホーム くやはら


〒378-0005
群馬県沼田市久屋原町414番地1
TEL:0278-25-9292 

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