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ICT(情報通信技術)を活かした多職種連携で在宅医療・介護の高度化に挑む
<鹿児島県鹿児島市 医療法人 明輝会 内村川上内科>

内村川上内科 院長 川上秀一先生 内村川上内科
院長 川上秀一先生

鹿児島市北部で地域医療に積極的に取り組んでいる内村川上内科。外来、入院診療はもとより、在宅医療にも積極的に取り組み、2012年度、厚生労働省の在宅医療連携拠点事業にも採択されました。“多職種の顔の見える連携”を旨としながら、ICT(情報通信技術)を駆使した在宅医療のハイテク化にも挑み、実績を上げています。

250人の在宅患者を24時間365日いつでも往診

「当院が訪問診療をしている在宅の患者さんは現在250人で、その約半数が認知症を患っておられます。これからさらに増えるであろうそうした患者さんに対して、医療はもとより介護や生活支援をどうやって提供するのか。それは当院だけではなく多職種が連携して取り組むべき課題です」

そう指摘する川上秀一先生が、内村川上内科の前身である内村内科の院長に就いたのは2000年のこと。同院は外来診療、入院診療を行う一方、1986年に訪問診療、92年に訪問看護を開始するなど在宅対応に積極的に取り組み、川上先生の陣頭指揮のもと近年さらに体制を拡充。2006年には在宅療養支援診療所として指定を受け、現在は契約した在宅患者に対して24時間365日いつでも往診する体制を敷いています。

また、医療法人明輝会は同院のほか、グループホーム、介護老人保健施設、小規模多機能型居宅介護施設、通所リハビリテーション事業所、訪問看護ステーションなど複数の介護関連施設を運営。内村川上内科を中心に“医療と福祉のミニ複合体”として多角的なサービスを提供していることも大きな特長です。

こうした実績がベースとなり、2012年度在宅医療連携拠点事業に採択され、全国105箇所、鹿児島県では3箇所の中の1つとして選ばれたのだと思っています。

 

常に在宅復帰を考えながら、医療、介護を提供

医療法人明輝会 介護関連施設統括管理部長 後藤裕基さん 医療法人明輝会
介護関連施設統括管理部長 後藤裕基さん

「老健施設などの拡充は、介護保険制度のスタートが大きなきっかけであったことは事実ですが、制度があるからというよりも、地域のニーズに合わせて徐々に進めてきたというのが実態です」と語るのは、明輝会の介護関連施設の統括管理部長である後藤裕基さん。中でも介護老人保健施設である「ろうけん青空」は、鹿児島県では初めてユニットケアの手法を導入。施設の中をいくつかのグループに分けて小規模化し、各ユニット内には専用の食堂(リビング)や台所、浴室等を完備し、「生活をともにしていくケア」「1人ひとりの暮らしを支えるケア」を提供しています。

「簡単に言えば“家の生活に近い環境”を用意するということ。自宅での生活を望んでおられる高齢者の方も多いので、在宅復帰を念頭においたケアを中心に考えています」(後藤さん)。

実際に利用者の在宅復帰率は50%以上と、同様の施設の平均値を大きく上回っています。

そのため、2012年診療介護報酬の同時改定で、在宅強化型という新しい枠組みでプラス評価されました。この高いハードルを越えた背景にはこのような取り組みがあったのです。

多職種が互いに顔の見える関係で連携を

みやこ調剤薬局 薬局長 上野省三先生 みやこ調剤薬局
薬局長 上野省三先生

在宅医療連携拠点事業とは、在宅医療を提供する医療機関等の連携拠点として、地域の医師、薬剤師、看護職員、ケアマネジャーなどの多職種協働による在宅医療の支援体制を構築し、地域における包括的かつ継続的な在宅医療の提供をめざすためのモデル事業のこと。

「ひと言で言うと、地域の多職種の顔が見える関係をつくりなさいということです。ですから私どもは、院外の薬剤師さんや歯科の先生、ケアマネジャーさんなどと積極的に連携しています」と川上先生は多職種連携に向かう姿勢を語ります。

例えば、同院の病棟では毎週月曜に、多職種参加型病棟回診を行い、その後にカンファレンスを実施していますが、そこに包括支援センターのケアマネジャーが加わることも少なくありません。

「病気を治すだけではなく、在宅の生活に戻れるかという視点でカンファレンスを行いますから、ケアマネさんの意見も必要なのです」(川上先生)。

みやこ調剤薬局で薬局長を務める上野省三先生も、内村川上内科の在宅医療に積極的に参加しています。

「薬剤師が在宅の患者さんを訪問するのは珍しいでしょうね。医療処置の邪魔になってはいけませんので、先生に同行はしませんが、処方の連絡を受けたらその日のうちに薬を届けます」と言う上野先生は、看護師を通じて患者さんの様子を先生に伝えるなど、情報の連携、共有にも重要な役割を果たしています。

 

連携と情報共有の円滑化へICTを活用

情報共有の基本は、申し送りやカンファレンスなどですが、内村川上内科はかねてからICT(Information and Communication Technology/情報通信技術)ツールの開発に取り組み、この秋から同院独自のシステム「キュアケアネット」の運用をスタートしました。これはサーバに集積した患者さんの情報や医療・介護のスケジュールなどを、スタッフ各人がパソコンやスマートフォンなどの端末によって確認できるシステムです。

「電子カルテからワンクリックで情報を移せますので既往症、合併症などが一覧できますし、カンファレンスの音声データも保存、再生できます。また、面談したときの患者さんやご家族の様子など“共有すべき”と考えたことは、スタッフがどんどん書き込める仕組みになっています。マッキントッシュをベースにしてつくられているため、iPad、iPhoneでもパソコンと同じように使うことができるので、訪問時にも威力を発揮しますよ」(川上先生)。

在宅医療にICTツールは不可欠です。地域性や医療提供体制によりさまざまなツールが作られています。「こうしたシステムを駆使すれば、さらに在宅医療の質は向上できるはず」と川上先生は、システムのいっそうの活用をめざしています。

 

在宅医療には、決まったかたちがないからこそ夢がある

もちろん、システムの活用はするものの、過度に依存する考えはありません。「患者さん、ご家族、医療・介護スタッフ、お互いが顔見知りであるという安心感が在宅医療、介護にはいちばん大切」(川上先生)だからです。

薬剤師の上野先生も「薬局に認知症のお薬を取りに来られるのは、ほとんどがご家族なので、薬剤師が患者さんご自身に会うことはまずありません。でもこれから認知症の患者さんが増えることを考えれば、薬剤師も実際に患者さんに会って、どういう症状なのか、どういう生活をしておられるのか知っておくべきでしょう」と“顔の見える関係づくり”に意欲的です。

また、在宅医療連携拠点を担う事業者としては、顔の見える多職種連携とともに、地域住民への在宅医療の普及啓蒙も重要な役割です。

後藤さんは「リーフレットをつくって地域情報誌に挟んで配ったり、セミナーを開催したりしていますが、正直なところ、なかなか関心を持ってもらえません。でもこれからの地域医療にとって在宅はより重要になる。私たちがやらなければなりません」と表情を引き締めます。

「増え続ける高齢者の独居や老々介護をどう支援するかなど、いろんな課題は確かにありますが、在宅医療には決まったスタイルはないし、それだけに今後ハイテク化などで質的向上が期待できる。だから私は“在宅医療には夢がある”と信じています」(川上先生)。

 

取材日:2012年10月27日
医療法人明輝会内村川上内科の外観

医療法人 明輝会 内村川上内科

〒892-0875
鹿児島市川上町2750-18
TEL:099-244-1500

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